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<マルチ商法>商品未完成で会員募集 東京の化粧品販売会社
毎日新聞 6月27日(月)15時2分配信
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グラシアス商法の仕組み
会員制の化粧品販売会社「グラシアス」(東京都中央区)が昨年9月の設立直後の約1カ月間、商品が未完成にもかかわらず会員登録を募り、勧誘した会員に報酬を支払っていたことが毎日新聞の取材で分かった。複数の元会員によると、この間だけで全国数百人から数千万円を集めたという。法律が禁じた「ねずみ講」に類似している上、今年に入ってからも法定書面を交付しないなど、違法な勧誘をしていた可能性があるとして、経済産業省近畿経済産業局が調査に乗り出した。
グ社は、関東や近畿、四国などで会員を募り勧誘した新規会員の数や購入実績に応じて報酬を支払う「マルチ商法」を展開している。
複数の元会員らによると、グ社幹部らは昨年10月、別の業者の会員らに「今なら高収入が得られる」などと話し、グ社に移るよう持ち掛けた。移った会員の中には最高約28万円の登録費用を負担したケースもあった。
当時、商品である化粧品の内容は一部決まっておらず、パンフレットもなかったが、グ社は会員に知人らを勧誘させる形で組織を拡大。11月25日には、紹介者数などに応じて会員に報酬を支払い、このうち四国地方の女性(37)は、約40人を紹介した形で約22万円を報酬として得ていた。商品が会員の手元に届いたのは昨年12月中旬以降だった。
無限連鎖講防止法は、商品を介さずに金銭配当する「ねずみ講」を禁止しており、元会員らは「商品はなく、ペーパー1枚で勧誘を繰り返した」と証言している。また、当時、特定商取引法で交付が義務づけられる同社の「概要書面」は、会社の電話番号が空白だったり、複写式ではないなど、法定要件を満たしていなかった。
関係者によると、グ社は今年5月時点で会員が約4000人、売り上げは月約2億円に上ると説明しているという。【藤田剛】
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最終更新:6月27日(月)15時2分
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