http://www.asyura2.com/11/lunchbreak48/msg/361.html
Tweet |
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20110601/ecn1106011509002-n1.htm
下宿屋のノウハウでビジネスHに“温泉大浴場”
★共立メンテナンスドーミーイン
2011.06.01
連載:こんな時代のヒット力
Tweet Check
共立メンテナンスドーミーイン【拡大】
共立メンテナンスのドーミーインは、顧客満足(CS)の国際的な専門機関J・D・パワーの2010年「日本ホテル顧客満足度調査」で、1泊9000円未満部門第1位となった。その理由を事業部開発担当の菰田和彦さんは「ホテルごとのご当地メニュー、ビジネスホテルには珍しい大浴場、連泊時の客室清掃を申し出制にしたECO対策などをお客さまに評価していただいた結果だと思う」と言う。
特に大浴場は、掘削できるところは天然温泉、掘削できない場所は温泉の元湯から持ってきている。それらができない場合も人工温泉にするなど、“温泉大浴場”にこだわっている。「1日の疲れを大浴場でとってもらうという、下宿屋のノウハウ」(同)だという。
下宿屋こと学生寮・社員寮事業を国内で約650棟展開する同社が、ビジネスホテル事業「ドーミーイン」に乗り出したのは1993年。転機はその4年後、浅草に開業した4号店がきっかけだった。
このとき、最上階に大浴場の設置が計画された。これに対し、社内で反対の声が挙がり、大論争が起こる。建設費も維持費もかかるが、“金を生まない”からだ。
反対に対し、当時担当した事業部長は「われわれは下宿屋さんです。下宿屋にポリシーを持っている会社です」と説得したという。
同社はそれまでに数多くの寮を運営してきた。その寮には大浴場があり、共通レシピはあるがセントラルキッチンシステムなどの“効率”を採らず、寮母が食事を手作りする。寮事業は客の人生と毎日向き合う仕事。現場の寮長、寮母だけではなく全社で「味くばり・心くばり・目くばり」を行い、顧客の満足を第一に応えてきた。ホテルでもそのノウハウを生かそうと説いたのだ。それが大浴場であり、ご当地メニューだった。
「下宿屋がやるビジネスホテルは、他社様のように“安く眠れる”ではなく、“くつろいで癒やしてもらう”。それも“自宅のくつろぎ”が役割と考えたわけです」(同)
結果は大好評。以後、大浴場は標準となり、やがて天然温泉へと進化する。
ドーミーインの特徴はリピーター率が高いことだ。一度、出張などで泊まった客が、週末に家族やカップルで泊まる。通常のビジネスホテルでは稼働が落ちる週末が、もう一つの稼ぎ時に変わり、チェーン全体の平均稼働率は80%を超える。
客の志向は値段の安さだけではなく、“価値に対する対価”と変化している。ドーミーインの「自宅の癒やし」はその変化をとらえた。自社のDNAを見直したことで、新しいビジネスモデルが生まれたのである。(村上信夫)
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。