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二極化が加速する日本の地価・日経(年金受給者4千万人を農村に移動させれば、都市半額化と地方倍額化で地価がバランスします)
http://www.asyura2.com/11/lunchbreak48/msg/288.html
投稿者 小沢内閣待望論 日時 2011 年 6 月 23 日 20:59:09: 4sIKljvd9SgGs
 

http://sumai.nikkei.co.jp/edit/twatch/detail/MMSUc2000008032011
第136回 回復傾向の都市部と停滞する地方 二極化が加速する日本の地価
 「回復傾向の都市部と停滞する地方」――リーマンショックから2年半。景気は持ち直しの動きが見られ、足踏み状態を脱しつつある(2月の月例経済報告)中で、日本の地価は二極化が進んでいることが明らかになった。国土交通省が2月24日に発表した地価LOOKレポート(文末の表2参照)によると、2010年(第4四半期)の主要都市の高度利用地地価は全地区150のうち16地区(10.7%)で上昇した。2008年(同)がゼロ(0.0%)、2009年(同)が1地区(0.7%)だったのと比較すると、全体としては回復軌道に乗ったことがうかがえる。

 しかし、圏域別に見てみると、大阪圏と名古屋圏が2ケタの伸びを示しているのに対し、地方圏は3.1%増にとどまっている。こうした傾向は基準地価からも明らかで、地域格差が拡大している様子が見て取れる。国交省が2月21日に公表した「国土の長期展望(中間とりまとめ)」と題された報告書では、人口減少によって国土全体では人口の低密度化と地域的偏在が同時進行すると予測している。その結果、人口が半分以下になる地点が現在の居住地域の6割以上を占めるようになり、今後、東京圏などに集中が起きると分析している。高度経済成長期、人口が一極集中したことで都市部の地価が高騰したのは周知の通りだ。今回はその逆の発想として、「過疎」=「地価下落」といった負の連鎖が現実のものとなろうとしている。

 土地資産の増減は住宅投資にも多大な影響を与えており、地域間格差は新築マンションの供給数にも変化をもたらしている。【表1】は新築マンション供給数の対前年増減率を圏域別に時系列でまとめた表だ。08年・09年は増減率が全国規模でマイナスだったのに対し、2010年は首都圏と近畿圏、東海・中京圏でプラスに転じた。大都市圏だけが盛り返しているのが数字の上から見て取れる。

【表1】圏域別の新築マンション供給数の対前年増減率(単位:%)

2008年 2009年 2010年
北海道 −37.3 −32.4 −26.0
東北地区 −7.2 −41.8 −23.9
首都圏 −28.3 −16.8 +22.4
近畿圏 −24.7 −13.0 +9.8
東海・中京圏 −25.0 −26.3 +8.9
北陸・山陰地区 −13.3 −74.7 −3.0
中国地区 −54.7 −13.1 −3.4
四国地区 +18.4 −28.7 −36.5
九州地区 −16.8 −16.3 −33.0

(出所)不動産経済研究所「全国マンション市場動向」


 金利の低位安定や充実した住宅税制などの効果により、足元ではようやく回復色を鮮明にしたマンション市場だが、地域別に見てみると、その勢いは大都市圏の話でしかないことが分かる。地方圏も同時に底入れしない限り、住宅市場の本格かつ自律回復にはつながらないだろう。あたかも「勝ち組」「負け組」のように地価に著しく優劣ができるようでは、ストック重視社会の実現は困難だ。その意味で、マンション購入を成功させるには、地価変動の先行きを念頭に置いた物件選択が欠かせない。

■エリアマネージメントによって地域活力は回復し、地価の上昇期待にもつながる

 突然だが、今、お寺離れが進んでいるという。葬儀ビジネスが商業化したことで、お墓にも価格競争の波が襲来。そのため、檀家さんが低価格でサービスの行き届いた葬儀会社へとお墓を移してしまい、お寺から遺骨を引き上げる人が増えつつある。その背景として、仏教に対する信仰心の希薄化を一因とする指摘があるが、首都圏における高齢者のシェアが高まっている点も無視できない。どうしても行動範囲が狭まりがちなご年配の人にとって、お墓参りがしやすいよう、交通の便がいいことは絶対条件なのだ。その結果、墓地にも“高立地化”の波が押し寄せることとなった。首都圏白書(2009年度)では、2005年に29.6%だった首都圏の高齢者(65歳以上)割合が30年後(2035年)には34.6%まで拡大すると推計している。まるで分譲マンションさながらに、お墓にも都心回帰現象が現れ始めている。このことは一体、何を意味するのだろうか?――

 マンションもお墓も土地に定着する建造物という点において、利便性こそが土地の基本価値という“気付き”を与えてくれたように思う。土地神話は崩壊し、ただ所有しているだけではもはや価値を生み出さない。有効利用できて初めて、土地は価値創造が可能となる。よく「利用価値」と表現されるが、人口流入を主因とした土地需要の高まりが地価形成にプラスに作用するようになっている。つまり、需給バランスによって地価は変動するのだ。そこで、逆転の発想として地方の土地需要を高めることができれば、地方再生へとつながることが期待できる。土地需要を掘り起こせるかどうかが、地方経済の明暗を分けることとなる。

 そこで、登場するのが「エリアマネージメント」という考え方だ。エリアマネージメントとは、既成市街地において地元住民と民間事業者やNPOなどが主体となって、そのエリアの魅力(地域価値)を高めていこうという、街の管理・運営に関する取り組みのことをいう。良好な街並みや景観を形成・維持するための施策だったり、イベントの開催や広報といった地域プロモーションが代表例として挙げられる。エリアマネージメントによって地域活力が回復し、また、地元意識(愛着)が高まることで地価の上昇という好循環が期待される。各自治体が競うように“ゆるキャラ”(ご当地のマスコットキャラクター)を誕生させているのも、街おこしを意図したエリアマネージメントの1つと言うことができる。

 バブル崩壊から20年。収益還元法の定着によって地価変動のメカニズムが経済合理性を伴うようになったことで、文字通り「泡」のような土地価格の高騰・暴落は影を潜めた。2007年ごろから膨張し始めた都心部のミニバブルがソフトランディングできたのも、「投機対象」ではなく「投資対象」として不動産と向き合えたことが最大の要因だ。

 前述のように、人口の低密度化と地域的偏在が予想される中にあって、普通のサラリーマンが生活の拠点としてマイホームを持てるよう、土地の価格を適正な水準で安定させることは極めて重要な意味を持つ。物価同様、地価も安定していることが重要なのだ。まさか少しでも安く買って、値上がったら売り逃げようなどと考えている人は、もはや皆無のはずだ。地価変動に一喜一憂していては疲れるだけだ。外部環境に踊らされることなく、ぜひとも自身の目で購入のタイミングと物件の選択をしっかり見極められる力を養ってほしい。

【表2】圏域別に見た地価の「上昇」「横ばい」「下落」の各割合の推移(単位:%)

上昇した地点の割合 横ばいの地点の割合 下落した地点の割合
東京圏 2008年 0.0 0.0 100
2009年 1.5 6.2 92.3
2010年 9.2 43.1 47.7
大阪圏 2008年 0.0 0.0 100
2009年 0.0 0.0 100
2010年 12.8 33.3 53.8
名古屋圏 2008年 0.0 0.0 100
2009年 0.0 0.0 100
2010年 28.5 35.7 35.7
地方圏 2008年 0.0 6.3 93.7
2009年 0.0 3.1 96.7
2010年 3.1 25.0 71.9
全地区 2008年 0.0 1.3 98.7
2009年 0.7 3.3 96.1
2010年 10.7 36.0 53.4

(出所)国土交通省「地価LOOKレポート」
※本調査は3カ月ごと(年4回)に実施されているが、上表では各年の4四半期(10/1〜1/1)のデータを掲載している。


[2011/3/9]




住宅コンサルタント 平賀 功一

e住まい探しドットコム代表。ネットを中心に公平・中立なスタンスで「失敗しない住宅選び」のための情報発信を行う。

e住まい探しドットコム http://www.e-sumaisagashi.com/


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