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桑畑だった耕作放棄地でついにブドウ栽培へ
日本で世界一のワイン作りを目指せ!〜その5
2011.06.20(Mon) 池野 美映
悦楽のワイン講座
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フランスから戻るとワイナリーの設立の準備に入った。といっても、正直なところ何をどうしていいか分からないので準備のための準備を始めたという方が正確かもしれない。
そもそも「ワイナリーの造り方」なんていうマニュアルがあるわけではない。机と電話1本あればいいのとも違う。それが簡単なのか難しいのかも皆目検討がつかない状態だった。
ただ、何か新しいことを一から始めるという状態は慣れていた。褒められるというより嗤われることの方が断然多い私にとって、特に珍しいことではなかった。なので「また、頑張ろう」くらいに軽くとらえていた。まだそのこと自体にリアリティーがなかったせいかもしれない。
ワイン作りの必須事項
背丈より高い雑草を草刈りで処理。乾燥するまで待って野焼きしていく。ブドウ畑の規模を考えながら作業をする
分からないなりに考え、基本的なことから整理していくことにした。まず必須事項として思い当たったのは次の3つだった。
1、原料となるブドウを確保すること
2、ブドウを醸造してワインを作ること
3、それらすべて賄えるだけの資金調達ができること
当たり前と言えば至極当たり前のことだった。
ただ、その一つひとつには、乗り越えなくてはならない問題や事柄が山積しているのは明らかだった。
ブドウの良し悪しでワインの品質は決まる
ワインは工業品ではなく農産物である。だからワイナリー事業の主軸は農業だ。
ワインの原料はブドウ、それがなければ話は始まらない。もちろん自分の手でブドウを育てることは、疑う余地もなかった。というよりも、それ以外に考えも及ばなかったという方が正確かもしれない。
ブドウの良し悪しでワインの品質が決まる。ワイン作りはとても奥が深い反面、とてもシンプルだ。物事の本質はいつだって普遍的だ。
そういった理由でブドウの栽培から始めることにした。ブドウが収穫できるまでに最低3年はかかる。農地は借りるとして、その間に酒造免許の取得準備と資金調達をすればいいと考えた。
ではいったい、どこにどのようにしてどのくらいの規模でブドウ畑を作るのか。また、どんな品種で収量をどのくらいに見積もって生産量をどのくらいにしていくのかなど、様々な検討すべき点が見えてきた。
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