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新幹線もジャンボジェットも大丈夫!
町工場で生まれた「ゆるまないネジ」2011.03.29(Tue) 鶴岡 弘之 中小企業の世界戦略Tweet
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upperline一見したところ、普通のネジである。
ボルトに締めつけるナットが1つではなく、2つ重なっている点は珍しい。だが、複雑なカラクリがあるわけではない。2つのナットを順番にレンチで締めつけるだけの、ネジとしては当たり前の使い方だ。
他の追随を許さないゆるみ止め性能を持つ「ハードロックナット」 だが、実はこのネジ、特殊な性能を備えている。そんじょそこらのネジとは一緒にすることができない世界でオンリーワンのネジなのだ。
「特殊な性能」とは極めてシンプル。「ゆるまない」のである。ネジはその仕組み上、必ずゆるむと言われている。特に激しい振動を加えていると、あっと言う間にゆるみが生じる。しかし、このネジはゆるまない。
その秘密はナットにある。ハードロック工業(大阪府東大阪市)が開発した「ハードロックナット」は、2つのナットを組み合わせることによって、激しい振動を加えても締めつけが維持される。
米国航空規格に規定されている「NAS3350・3354振動試験」という試験がある。ネジが振動に対してどれだけゆるまないでいられるかを調べる、「最も過酷」と言われる振動試験だ。
標準ナットをこの試験にかけると、ものの20秒もたたないうちにゆるんでしまう。ゆるみ止めナットとして広く知られている「Uナット」も数分でゆるんでしまう。だが、ハードロックナットはその後1時間以上振動をかけ続けても、ゆるまないという。
新幹線、瀬戸大橋、東京スカイツリー・・・、海外の高速鉄道も採用
その性能を評価され、ハードロックナットは、国内外の「絶対にゆるむことが許されない」様々な場所で用いられている。
例えば新幹線の車体とレール。瀬戸大橋や明石海峡大橋といった橋梁。送電線用や通信用の鉄塔。風力発電や原子力発電などの発電設備。2010年10月に完成した羽田空港の新しい滑走路にも、約400万個のハードロックナットが使われている。
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