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http://mainichi.jp/select/world/news/20110616ddm007030171000c.html
ビンラディン容疑者殺害:オマル師「次の標的」? パキスタン、米国と合意
【ニューデリー杉尾直哉】米中央情報局(CIA)とパキスタン軍情報機関(ISI)が、パキスタンで5月に国際テロ組織アルカイダのビンラディン容疑者が殺害された後、アフガニスタンの旧支配勢力タリバンの最高指導者オマル師ら武装勢力指導者5人を「次の標的」にすることで合意した、とパキスタン軍に近い消息筋が毎日新聞に語った。
◇「二枚舌」の可能性
しかし、アラブ人のビンラディン容疑者と異なり、アフガン人のオマル師らはパキスタン軍部と関係が深い。5人を標的とする米側の軍事作戦をパキスタンが「引き継ぐ」姿勢を見せることで、米側に「主権侵害」攻撃をやめさせ、7月からのアフガン駐留米軍の撤収を予定通り始めたいオバマ米政権を「後押し」する“二枚舌”作戦の可能性がある。
同筋によると、CIAとISIは、クリントン米国務長官がパキスタンを訪問した5月27日ごろ、リストに合意。アルカイダでは▽幹部のアイマン・ザワヒリ容疑者(エジプト人)▽イリヤス・カシミリ司令官(パキスタン人)▽アティヤ・アブドル・ラフマン幹部(リビア人)の3人。また、タリバンのオマル師と、武装勢力「ハッカーニ・ネットワーク」のシラジュディン・ハッカーニ指導者のアフガン人2人も挙げられたという。
うち、カシミリ司令官は3日深夜、パキスタン北西部の部族支配地域・南ワジリスタン管区で、CIAの無人機空爆で殺害されたとの情報が流れた。居場所をISIがつかみ、CIAに伝達したとされ、パキスタン当局が死亡を認めた。
カシミリ司令官はパキスタン軍特殊部隊出身で、ビンラディン容疑者殺害後、アルカイダ全体の暫定司令官に昇格したとされる。前出の消息筋は「大物を米側に差し出し、誠意を示した」とみる。しかし、米側は「殺害は確認されていない」と懐疑的だ。
さらに不透明なのは、オマル師やハッカーニ指導者をパキスタンがどう扱うかで、同筋は「殺害まで同意したかは不明」と言った。特にオマル師は、多くのアフガン人やパキスタン人の精神的支柱で、殺されれば両国とも当局を狙ったテロ攻撃の激化で収拾がつかなくなる恐れがある。
パキスタンは、敵国インドに対抗する意味で、アフガニスタンを「戦略的な後背地」と位置づけ、オマル師らと関係を保ってきた経緯がある。実際、治安面で真の脅威は、アフガン出身の勢力ではなく、「パキスタン・タリバン運動」(TTP)など地元拠点の組織だ。国民はTTPのテロ攻撃で苦しんでおり、オマル師らを新たに敵に回し、報復テロなどの増大を招きたくないのが実情だ。
パキスタンが標的リストに合意した裏には、自国の安全保障と密接に関係する勢力を温存するための深謀が隠されている。
毎日新聞 2011年6月16日 東京朝刊
ビンラディン容疑者殺害:「聖戦」継続を宣言 アルカイダ
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