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輸出企業の回復に円高の壁、自動車各社から政府対応求める声
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投稿者 sci 日時 2011 年 6 月 13 日 22:06:12: 6WQSToHgoAVCQ
震災・円高を好機として、既に国内閉鎖して海外生産への移行を本格化している電機系は、円高対応は比較的、難しくはない
（それよりもサムスンや中国など海外勢との競合や世界景気減速が厳しい）
しかし特にトヨタなど、まだ国内に擦り合わせ型の強い製造現場を持っている場合、今後、時間をかけて人員整理や現場の移転をしなくてはならないから、円高ダメージはかなり効いているはずだ
政治（介入）に期待したい気持ちも、よくわかるが、80円を大幅に切らない限り、もう介入はできないだろうし、市場も、それを見越しているようだ
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-21672420110613?sp=true
輸出企業の回復に円高の壁、自動車各社から政府対応求める声
2011年 06月 13日 18:42 JST
６月１３日、東日本大震災からの立ち直りを急ぐ日本の輸出企業にとって、円高／ドル安の進行が業績回復のハードルになっている。横浜港で昨年１２月撮影（２０１１年 ロイター/Toru Hanai）
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［東京 １３日 ロイター］ 東日本大震災からの立ち直りを急ぐ日本の輸出企業にとって、円高／ドル安の進行が業績回復のハードルになっている。
自動車、電機メーカーの多くが今期のドル／円を８０円台前半から半ばで想定しているが、８日には一時、円相場は１ドル８０円を突破。世界経済の減速が懸念される中、「安全資産」として円へのマネー流入はなお続くとの予想もあり、円高がさらに進行すれば、企業戦略の見直しを迫られる局面もありそうだ。
＜自動車メーカーの生産回復に冷水＞
震災以降、自動車各社の国内生産は低水準にとどまり、輸出も減少していたため、円高のデメリットは表面化してこなかった。被害を受けた国内での部品調達もサプライチェーンの回復が比較的早く、各社は生産正常化の時期の前倒しに踏み切っている。しかし、その成否を左右する為替相場は、各社の対応を上回るスピードで円高・ドル安の展開が続いている。
円高の影響は特に自動車各社に重荷となっており、とりわけトヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)が置かれている状況は厳しい。日産自動車(7201.T: 株価, ニュース, レポート)やホンダ(7201.T: 株価, ニュース, レポート)に比べて日本から米国へ輸出している割合が高く、対ドルでの円高の影響度合いが大きい。対ドルで１円円高になると営業利益が３００億円目減りする。１１年３月期も円高が２９００億円のマイナス要因となった。
トヨタほどではないとはいえ、日産自、ホンダも円高が収益の圧迫要因となる。両社、対ドルが１円円高になると営業利益ベースで１７０億円のマイナス影響を受ける。日産自は１１年３月期に円高が１４７５億円、ホンダは同１３７６億円のマイナス要因となった。両社、震災の影響で寸断されたサプライチェーンを急ピッチでつなぎ直し、生産正常化の前倒しに動いているが、そうした中での円の一段高は生産回復に水を差すことにもなる。
＜「今期の一番大きな悩みは円高」＞
三菱自動車(7211.T: 株価, ニュース, レポート)は１２年３月期の想定レートを１ドル＝８０円と前年より５円円高に設定。円高が営業利益ベースで９０億円のマイナス要因となる。１３日、今期の業績見通しを発表した益子修社長は「今期の一番大きな悩みは円高」とし、生産が回復する中、為替が最大の課題との認識を示した。益子社長は「今の水準が続けば海外で価格競争力を保てない」と苦しい胸の内を明かした。
一方、トヨタが１０日に発表した２０１２年３月期の想定レートは１ドル＝８２円と前年より４円円高。会見で同社の小澤哲副社長は、円高のため日本で商売をしていく限界をこえている、との認識を示し「一日でも早い為替の是正を政府に求めたい」と語った。
政府に抜本策を求める声はトヨタに限らない。日本自動車工業会の志賀俊之会長（日産自動車最高執行責任者）と全日本自動車産業労働組合総連合会の西原浩一郎会長は８日、円が一時１ドル＝８０円を割る円高水準になったことを受け、緊急声明を発表。これまで国際競争力を維持するため、絶え間ないコスト削減などの取り組みを継続して行ってきたものの、「現在の為替水準はそうした企業労使の努力の限界を超えている」とし、政府に円高是正に向けた対応を強く求めた。
＜電機各社、円高対策急ぐ動きも＞
円高進行は海外売上高比率の高い電機メーカーにとっても深刻だ。キヤノン(7751.T: 株価, ニュース, レポート)は１１年１２月期の想定レートは１ドル８５円としており、１月末の期初に公表したレートを据え置いたまま。今期は対ドルで１円の円高になれば６３億円の営業利益が目減りするため、３３５０億円と予想する今期の営業利益には、現時点では３００億円以上、為替によって押し下げられていることになる。
任天堂(7974.OS: 株価, ニュース, レポート)は円高進行の影響額を開示していないが、１１年３月期はドルなどの外貨変動で営業利益に５６０億円ものマイナスの影響が出た。また同社は為替ヘッジをしていない外貨建て資産も多く、１１年３月期に４９４億円の評価損を営業外に計上するなど、為替変動の打撃を受けやすい体質になっている。
一方、部材の現地調達の拡大やドル建ての取引を増やすことなどで、円高対策を効果的に進めている電機メーカーもある。ソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)は海外売上高比率が７割以上と高く、１０年前の０２年３月期には１円の円高で営業利益に８０億円のマイナスを受ける体質だった。しかし、この数年の構造改革で、為替リスクを減らしてきており、今期の営業利益への影響額はゼロまで抑えた。
構造改革の中でソニーは、工場などを売却して資産を軽微にする「アセットライト戦略」を推し進め、電子機器の受託生産サービス（ＥＭＳ）への委託比率が高まったため、特にドルに対する円高の抵抗力がついてきた。同社の主要事業の一角である液晶テレビの今期の外部委託比率は、前期の約５０％からさらに高まる見通しだ。もっとも、ユーロについては依然としてマイナスのインパクトが大きく、今期も１円のユーロ高で６０億円の営業利益が目減りする状況が続く。
また、東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)も今期はドルベースの１円円高による営業利益への影響をゼロに抑えた。１０年３月期は１７億円、１１年３月期は１億円と、これまでも徐々にマイナスを減らしてきている。同社の事業構造は、半導体や社会インフラは日本からの輸出が多いものの、海外市場で戦う液晶テレビやパソコンはほとんどが海外生産。全社的な事業構造の中で輸出入が均衡し、ドルベースの為替の影響を抑える体質が出来ているという。
ただ、パナソニック(6752.T: 株価, ニュース, レポート)の海外売上高比率は４８．１％と低いが、今期の１円の円高による営業利益への影響額は３８億円とソニーや東芝より大きい。１１年３月期は２０億円だったが、完全子会社化した三洋電機の海外取引が為替リスクを高めた。これに対してパナソニックは０９年度に４３％だった海外調達比率を１２年度に６０％に高める方針を掲げており、為替リスク削減の取り組みを継続して進める。
（ロイターニュース、杉山健太郎 村井令二 ：編集 北松克朗）
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