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年金世代の大いなる勘違い
先日スウェーデンで開かれた国際社会政策学会で報告してきた呉学殊さんと話していて、「たった5%の消費税を上げるのに猛反対するのが人気を博するような日本はもう終わりかも」という話から、その理由として考えた話ですが、ちょうど「dongfang99の日記」というブログで書かれていた「年長世代の「小さな政府」志向」ともつながる話なので、簡単に。
http://d.hatena.ne.jp/dongfang99/20100725
>近年支持が高い政治家や政党に共通しているのは、ラディカルな「小さな政府」路線であることである。
>そしてさらに気になるのは、どうも年金生活に入っているような、本質的にラディカルな改革を好まないはずの年長世代のほうが、こうした政治手法への支持がより高いらしいことである*1。年金・医療への関心の高さから言って、この世代が本当の意味での「小さな政府」を望んでいるとはとても思えないのだが、なぜそうなってしまうのか・・・
これは確かにわたしも感じていることです。ただ、理由付けは異論があります。官僚への期待値も政治的疎外感も、逆方向に向かう蓋然性の方が高いはずです。
では、お前の考える理由は何か?
彼らが「年金生活」に入っていることそれ自体が最大の理由ではないか、と思うのです。
ただし、これは社会保障がちゃんと分かっている人には理解しにくいでしょう。
公的年金とは今現在の現役世代が稼いだ金を国家権力を通じて高齢世代に再分配しているのだということがちゃんと分かっていれば、年金をもらっている側がそういう発想になることはあり得ないはずだと、普通思うわけです。
でも、年金世代はそう思っていないんです。この金は、俺たちが若い頃に預けた金じゃ、預けた金を返してもらっとるんじゃから、現役世代に感謝するいわれなんぞないわい、と、まあ、そういう風に思っているんです。
自分が今受け取っている年金を社会保障だと思っていないんです。
まるで民間銀行に預けた金を受け取っているかのように思っているんです。
だから、年金生活しながら、平然と「小さな政府」万歳とか言っていられるんでしょう。
自分の生計がもっぱら「大きな政府」のおかげで成り立っているなんて、これっぽっちも思っていないので、「近ごろの若い連中」にお金を渡すような「大きな政府」は無駄じゃ無駄じゃ、と思うわけですね。
社会保障学者たちは、始末に負えないインチキ経済学者の相手をする以上に、こういう国民の迷信をなんとかする必要がありますよ。
労働教育より先に年金教育が必要というのが、本日のオチでしたか。
2010年7月27日 (火) | 固定リンク
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