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積極性を欠く余暇意識 − 現在の高齢者
「余暇時間」については、男性は妻への依存志向が強く、妻のほかにはあまり余暇を過ごす相手がいないという「ぬれ落葉」現象が裏付けられる。
これに対し、女性の場合は、友人・知人を志向したり、あるいは一人になりたいと思っており、高齢者男女間の意識のずれは大きい。
次に自由時間活動の潜在ニーズ(今後の希望と現在の差)であるが、若い世代に比べて非常に小さく、例外は「家庭菜園、趣味としての農業」程度。
それ以外の活動、特に鑑賞・創作、スポーツ・健康づくり、日曜大工などの創作活動、アウトドア活動といった「行動型」、「創造型」の余暇活動についての希望は他の世代に比べてかなり低くなっている。
このように余暇を積極的に楽しもうという意 欲の欠如は、現在の高齢者に共通する問題点であり、特に、60歳以上の男性にこの傾向が強い。
この点で、アメリカ人のパピーリタイアメントとの格差は大きい。
したがって、現在の高齢者層には、高齢者自身の余暇活動への開発努力と同時に、自治体等による地域社会レベルでの余暇機会サービスの提供も必要だとしている。
余暇意識に目覚める次期高齢者群
現在40代、50代の次期高齢者層は60代になった時の生活パターンを次のように想定している。
全体としては余暇重視の傾向となる。
まず、男性についてみると、若い年代ほど高齢期も仕事中心と考える人は少くなる。
それと対照的に50代、40代と若くなるほど、余暇の方向に重心が移動し、「趣味、スポーツ、アウトドア活動など、好きなことをして暮らす生活」の予想が多くなっている。
また女性についてみても、男性同様に余暇志向は強まる。
ただし、現在の高齢女性に比較すればかなり低くはなるが、男性に比べれば「家事や家族中心の生活」の比率が依然高く、やはり家事や家族の束縛はなお大きいと予想している。
次に、余暇時間に対する潜在的ニーズをみると、休養、気晴らしの時間が減り、自然と親しむ・スポーツ・芸術・音楽などの「楽しむ志向」に加えて、「能力開発」や「健康づくり」が上位に出てくる。
さらに50代男女になると、「ボランティア」や「地域志向」が強く出てくる。
50代ともなるとリタイア後の地域での生活を意識し始めているともいえる。
40代・50代の次期高齢者層の場合は、現在の高齢者と異なり「自由時間を活かす」という積極的な問題意識を持っている。
また、この間題意識の延長線上には、高齢者自身が自ら立ち、自らを助け、共に生きるという、いわば「自立と共生」への傾向が読みとれる。
次期高齢者層の自由時間ニーズは次の四つが特徴的である。
(1) 余暇そのものを楽しむ「楽しみ型」
(2) 自分自身を高める「能力開発型」
(3) 健康づくりや健康増進のための活動
(4) ボランティアや地域活動
現在の40代・50代の中心は団塊の世代であり、現在の高齢者に比較すれば、かなりの余暇上手になっている姿が想像される。
余暇能力、余暇知識などの余暇資源の蓄積も進んでいる。
そして、こうした次期高齢者の余暇上手の背景には、余暇生活における新しい人間関係の形成とそれに基く余暇生活に拡がりがあるようである。
以下、余暇生活についての具体論に入るが、ここでは、人間関係づくりを中心に余暇社会への入り方、ボランティア活動を軸とする余暇社会への参加の仕方を最重点として述べることとする。
当サイトは、健康でありこれからを前向きに生きようとするシニアライフについての提案を目的としている。
余暇生活に向けて、新しい人間関係をどう切り拓くか
定年が縁の切れ目の「仕事縁」
定年後も仕事をしばらく続けるとしても、次第に仕事よりも余暇の時間が多くなり、やがては余暇中心の時代が来る。
会社縁、仕事緑の人間関係は薄れて行くのである。
次に、定年退職した男性の友人ネットワークの変化については、定年前からの仕事関係の友人との関係がいぜん変わらないで続いているとしている人が最も多い。
しかし、この関係は、さらに何年かたてば次第に薄れて行く性質のものだ。
代って、近所や地域の友人、サークルの友人との付きあいは深まってはいるものの、飛び抜けて高い比率でもない。
やはり、仕事縁による人間関係が中心で、これから始まる本格的余暇生活についての人間関係づくり、ネットワークづくりが遅れているのだ。
地域にも必ず仲間がいる
地域コミュニティを敬遠するな
人間関係づくりの第一歩は、地域との関わりだが、定年サラリーマンの場合はこれがきわめて希薄である。
地域生活において、近隣との日常的接触はほとんどなく、町内会加入も含めて近所づきあいは全く妻まかせという人が多い。
定年となり、余暇時間が増える。
今さら顔を出すのは億劫とはい わずにまず町内のイベント、祭り等に気軽に出てみることが大切だ。
市町村が主宰している生きがい教室、文化教室にも参加してみる。
老人クラブなども覗いてみる。
こうした団体は地域老人の親睦団体だとか、官主導の押し着せ型の教室であるとかいって参加することに抵抗感のある人もいる。
しかし、こうした人は自分だけでなく同じように感じている仲間が必ずいるはずで、その仲間が集って新しいサークルをつくればよい位の気持ちが肝要だ。
遊ぶだけではいやだという人には、各市区町村には、シルバー人材センターもあれば、ボランティアセンターもある。
そこから紹介されるシニアとしてのワーク、ボランティア活動を通じて、様々な人と出会える、新しい仲間も出来る。
特に、地域ボランティア活動は、新しい人間関係づくりという観点でも注目される。
地域を超えてネットワークは拡げられる
これからは、インターネットという言葉で代表される高度情報化社会となる。
中高年者を対象とする、地域をこえた新たな人間関係 ネットワークも形成されつつある。
例えば、高齢者を中心に活動している「メロウネット」。
通産省が90年に打ち出した「メロウ・ソサイエティ構想」をもとに、NIFT-ServeとPC-VANの二つのパソコン通信内に開設されている。
「定年と新しい生きがい」など定年後の生活問題をパソコンを通じて語りあっている。
現在、4,000人近い人が加入、その7割が50代以上となっている。
その効果については、昨日までの会社人間にいきなり地域に飛び込めといっても難しい、パソコンのオンラインで知りあい、直接会うことで交流が深められるという、サラリーマンOBにとっては最適の仲間づくりになるとしている。
また、サラリーマンOBのために新しい仲間作りの場を提供している組織に日本セカンドライフ協会(JASS)があり、その季刊情報誌「JASSネット」は、若者向けイベント情報誌「ぴあ」をもじって「シルバー版ぴあ」とも呼ばれている。
同誌には、料理教室、美術展鑑賞、ボランティアマネジメント講座など約300のイベントが紹介されており、年間1,200ものイベントが企画提供されることになる。
メロウネット同様、JASSネットにも次のような効果があるとしている。
会社生活しか知らなかったサラリーマンにはやはり地域社会の敷居は高い、といって会社のOB会もタテ社会の関係をそまのまま引きずってしまうようで居心地はよくない、自由にセカンドライフを楽しみたい仲間を求める人たちの受け皿になっているというのである。
このように、探してみれば、地域をこえたネットワークづくりも出来るのだ。
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