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日本人フィリピン移民論[2008年01月18日(金)]
大それたタイトルにしてみた。
ただし、その論を胸を張って論じきれるほどの自信はまだなく、このブログでもちゃんと整理して論じようというつもりはない。
しかし、論じることができるようになりたい、と思う気持ちがある、ということをあらわしたかった。そして論じたとき、その論に対して様々な視点から反論を受け、その反論を更なる肥やしとし、論を拡大させていけるようなスタイルを持ちたい。
このようなことを思う理由は、当然のことながらPNLSCの一職員として、フィリピン日系人と比日両国において触れ合う機会が持てているからである。
現存するフィリピン日系人との出会い、彼らとのインタビューから知ることが出来る当時の日本人移民の話は、誤解を恐れずに言えば、非常に面白い。同じ日本というキーワードを持って生まれた私であるからなおさら面白い、と感じるのかもしれないが、そうでなくともなぜ日本人が遠いフィリピンという国に赴き、そこで新たな社会を築くまでになるのかについて考える方法は、歴史学、社会学、文化人類学、さらには経済学、国際関係学、心理学など様々な視点からできそうであるからである。
私が得続けているフィリピン日系人の情報の多くは、「人(フィリピン日系人、もしくは彼らに関わったことのあるそれ以外の人々)」というプライバシーの重要性を主張する媒体から発せられる情報のため、ブログのような不特定多数の人々が閲覧する場で、自由にその面白さを紹介することが難しい。これは、私にとって多少なりとも歯がゆいところであるが、それは今の世間の流れから考えて仕方がない、とも思っている。
普段「戦争」という単語を抜きにフィリピン日系人のことを考えることができないようになっている。しかしながら本来は、戦争があろうがなかろうが、フィリピンへの日本人移民が始まった時点から徐々にフィリピン日系人は存在しており、純粋にフィリピン日系人、日本人移民のことを考えるならば、「戦争」という言葉にあまり固執しすぎることは、今を生きるフィリピン日系人だけでなく、戦前(戦前という言葉も今回の文脈上あまり使いたくないのだが、今のところどうしてもうまい言葉が見つからないので便宜上用いる)にフィリピンでいきいきと生きていた日本人、日系人に対して、失礼にあたるのではないか、と思うこともある。
フィリピン日系人、という言葉自体ももっとよりよい単語を見つけなければならないと思うこともある。
ある私の知り合いのフィリピン日系3世で、「私の父は、日本人とフィリピン人との間に生まれたのでフィリピン日系人だといえるが、私はそのフィリピン日系人とフィリピン人との間に生まれたので父と同じ様なフィリピン日系人と呼ばれるべきではない。」 という人がいた。勿論、現在一般的には日本人父とフィリピン人母との間に生まれた子はフィリピン日系人2世で、フィリピン日系人2世とフィリピン人との間に生まれた子はフィリピン日系人3世、という風に日系人の後に続く世代の数字が異なる。しかし、本当にそれだけ(数字だけ)の違いで、一人間を一つの型に定義してしまってよいのであろうか?
例えば、いわゆるフィリピン日系人2世と日本人が結婚し、その間に生まれた子はフィリピン日系何世と名乗るのが妥当かとまどうことがある(結局現在のところ、これは本人の考え方、そのときの本人の気持ちで決まる場合が多いようであるので、その辺の緩やかさは尊重すべきである)。
また、上記の法則にもとづくいわゆるフィリピン日系人3世とフィリピン人の子はフィリピン日系人4世となり、その子は5世、そしてその次は6世、となっていくのであるが、一体その数字はどこまで続いていくのか、と考えたとき、日本史の歴代将軍ですら10何代までしか続かなかった例などから、その日系人の世代をあらわす数字もいつかは途切れるだろう、と思わざるを得ない。そして、途切れたときその人たちは何と定義されるのか?多分そういう時代になったら、その時代に合わせて現在の国民国家概念を越える新しい価値観、言葉が生まれるのかもしれない。
「私は、『私1世』 である」、ということを全人類が主張する時代が来たとき、日系人という概念だけではなく、ひょっとすると日系人という考え方の基礎となっている日本人とか何々人という国民という概念も変わっていくのかもしれない。
補足:タイトルを見て、何をどう論じるのかと期待しながらブログを読んだのに、別に論じているわけでもなく、いつもどおり徒然なる内容だったと感じた方々、期待はずれで申し訳ありません。
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