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http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110315-OYT1T00898.htm
東日本巨大地震で大規模な破損が起こり、15日午前には最大で毎時400ミリ・シーベルト(40万マイクロ・シーベルト)の極めて高い放射線量を観測した東京電力福島第一原子力発電所(福島県)では、同日午後には放射能レベルが下がっている。
しかし、1〜3号機で原子炉内の水位が低下して核燃料棒が露出する事態が続いている。政府は同原発周辺の半径20〜30キロ・メートル圏内の住民に対し、屋内退避を指示。東電は3基の原子炉内へ海水を注入する作業を続けている。東電は16日にも送電線を引いて、電源を確保し、炉内を効果的に冷やす緊急炉心冷却装置(ECCS)の復旧を目指す。
東電などによると、14日に水素爆発で原子炉建屋が吹き飛んだ3号機付近で15日午前10時22分、毎時400ミリ・シーベルト(40万マイクロ・シーベルト)の放射線量を観測。3号機の西約1キロ・メートルにある同原発正門では、同日午前9時に毎時11・93ミリ・シーベルト(1万1930マイクロ・シーベルト)を観測した後、午後1時50分にようやく同1ミリ・シーベルト台を下回り、同3時現在には同0・65ミリ・シーベルト(649マイクロ・シーベルト)まで下がっている。
また、東電は、15日朝に火災のあった4号機で、原子炉建屋北西側の上部側壁に8メートル四方の穴が2か所開いていることを確認したと発表した。4号機は3号機の南隣にあり、毎時400ミリ・シーベルトを観測した場所には、爆発などで飛び散った建屋のがれきが多数積み重なっていたという。
がれきは4号機のものが多かったといい、東電の担当者は「飛散した4号機の側壁に、何らかの原因で高濃度の放射性物質が付着していたり、長時間放射線にさらされた機器の破片が飛んだりした可能性が出てきた」と説明。その上で「状態が安定しない1〜3号機の炉心から放出された放射性物質の可能性もあり、調査していきたい」としている。
非常用ディーゼル発電機が稼働している5、6号機では貯蔵プールの冷却機能が保たれているものの、1〜4号機では冷却が十分ではないという。
経済産業省原子力安全・保安院は、福島第一原発の作業員1人が15日までに、緊急作業時の被曝
ひばく
の上限値(100ミリ・シーベルト)をわずかに上回る106・3ミリ・シーベルトの被曝を記録したことを明らかにした。内部被曝の恐れはないという。さらに、3号機の水素爆発時に原子炉の近くで負傷した作業員7人のうち6人が被曝したが、具体的な線量は不明としている。
◇
東京電力は16日中にも、新たな送電線を設置して、福島第一原子力発電所に外部から電力を供給し、原子炉を冷やす緊急炉心冷却装置(ECCS)の復旧に着手する。成功すれば、燃料棒が露出したままの1〜3号機の炉心溶融などの危機が回避されることになる。
同原発では、地震によって停電したほか、ECCSなどを作動させる非常用ディーゼル発電機も津波の影響などで破損した。
東電は、社員ら70人体制で、電源車を使った消火用ポンプで、炉内への海水注入を続けているが、ポンプの能力は小さく、難航していた。高圧の外部電源を確保することで、炉心を効果的に冷やす高圧炉心スプレー、格納容器冷却スプレーなどのECCSの作動が可能になり、「冷温停止」状態を導くことができる。
(2011年3月16日02時29分 読売新聞)
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