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バーバラ=オルソンさんの電話・nbbk(彼女が奇跡の通話を成功させたと考えるより、ビンさんの仲間だったと考えるべきです
http://www.asyura2.com/11/lunchbreak46/msg/745.html
投稿者 小沢内閣待望論 日時 2011 年 5 月 09 日 17:04:31: 4sIKljvd9SgGs
 

http://www.nbbk.sakura.ne.jp/911/solicitor.html

バーバラ=オルソンさんの電話
〜「物理的に不可能」??? 〜

『SPA!』2008年4月1日号
『SPA!』2008年4月1日号が「『9.11疑惑』欧州議会議に密着!」という記事のなかで、77便の乗客だったバーバラ=オルソンさんから夫で訟務長官のテッド(セオドア)氏に機内から通話があったというエピソードについてのデイビッド=グリフィンの発言が紹介されています。

(参考) 初期のニュースでこのエピソードが使われている記事。『中国新聞』(共同) 2001年9月13日「緊迫の機内から電話 激突までの恐怖を再現」 (2008/04/27 追加)

[引用始め]

「77便ハイジャック」の"根拠"が揺らいだ!?
「テッド・オールソン米国司法省高官の夫人(故人)が、ハイジャックされ、ペンタゴンに激突したとされるアメリカン航空77便から、米国司法省にいる夫に電話をかけて犯人と機内の様子を詳しく伝えたという報告があります。この『電話があった』というオールソン氏の立証不可能な主張が、77便がハイジャックされたということの"根拠"となっています。ところが、これが物理的に不可能だと判明しました」とグリフィン博士は語る。「それが携帯電話か客席の電話だったのかについて、オールソン氏の話は二転三転していましたが、当時の技術で1万m上空から携帯電話をかけることは不可能でした。彼は最終的には『客席の電話からだった』と証言したわけですが、実は77便の客席には電話が設置されていなかったのです。さらに'05年の米国政府による9.11調査特別委員会報告でFBIは夫人が司法省に電話をかけてきたことを明確にしませんでした」
[引用終り]

要旨
『SPA!』の記事の範囲では不明確なのですが、グリフィンの主張の要点は、「FBIはバーバラさんのかけた1通の電話は接続されなかったという記録を提出した」が、それはFBIがバーバラさんからの電話がなかった事を証明したものだということです。しかしグリフィンは、「FBIが提出した記録によれば、氏名不詳の人物からの4つの通話が接続されていた」ことを隠しています。実は、FBIはその氏名不詳の4つの通話がバーバラさんのものと判断していたのでした。グリフィンの主張はまるで子供だましのトリックなのです。

「9.11委員会報告」
まず、「'05年の米国政府による9.11調査特別委員会報告でFBIは夫人が司法省に電話をかけてきたことを明確に」しなかったとしていますが、報告は2004年7月に出ています。9.11委員会報告は次のように書いています。

8時46分、飛行機は指示された高度35000フィートに達した。客室サービスが始まったと思われる。8時51分アメリカン航空77便は最後の無線を送信した。ハイジャックは8時51分から8時54分の間に始まった。アメリカン航空11便やユナイテッド175便のようにハイジャック犯はナイフを用いて(一人の乗客が報告していた)乗客全員を(そしてたぶん乗員も)飛行機の後部に移動させた(客室乗務員の一人と乗客の一人が報告している)。乗客は、これより前の便のように、77便のハイジャック犯がボックスカッター*を使ったとは報告していない。やがて、飛行機がハイジャックされたという「操縦士」による機内放送があったと乗客が報告してきた。誰かが刺されたとか、あるいは爆弾にによる脅しやカラシスプレーの使用については直接の証言はなかったが、ファーストクラスキャビンでその両方が起きた。
8時54分、飛行機は指示された飛行経路を外れ、南へ向かった。2分後トランスポンダーの電源が切られプライマリーレーダーでも飛行機を確認できなくなった。インディアナ航空交通管制センターは繰り返し飛行機との連絡を試みたが失敗した。アメリカン航空の運航管理者も試みたが成功しなかった。
(中略)
9時12分、レニー=メイは、ラスベガスにいた母親のナンシー=メイに電話した。彼女は彼女の飛行機が6人の人物にハイジャックされ、犯人たちは彼らを飛行機の後部に移動させたと言った。彼女は母親にアメリカン航空に知らせるように頼んだ。ナンシー=メイと彼女の夫は直ちにそうした。56
9時16分から9時26分の間に、バーバラ=オルソンは夫の合衆国訟務長官のテッド=オルソンに電話した。彼女は飛行機がハイジャックされ、ハイジャック犯はナイフとカッターを持っていると伝えた。彼女はさらにハイジャック犯たちは彼女が電話していることに気付いていないこと、そして彼らが乗客全員を飛行機の後部に移動させたことを伝えた。会話が約1分続いたところで電話は切れた。・・・57
最初の電話から少し後、バーバラ=オルソンが彼の夫に再び連絡してきた。彼女は操縦士が飛行機がハイジャックされたと機内放送したと伝え、機長がすべきことについて彼女は機長に何を伝えたらよいか夫にたずねた。テッド=オルソンが彼女の位置を聞くと、彼女は飛行機が家々のうえを飛んでいると答えた。他の乗客が彼女に彼らは北西に向かっていると告げた。訟務長官は、それから彼の妻に前に起きた2つのハイジャックと衝突について知らせた。彼女は取り乱した様子を見せなかったし、衝突が間近なことに気付いている様子も見せなかった。このとき2度目の電話が切れた。58
注56. FBI報告、「アメリカン航空の機内電話の使用」2001年9月20日;FBI捜査報告、「ロナルドとナンシー=メイに対するインタビュー」2001年9月12日。
注57. アメリカン航空77便からの通話について利用可能な記録では、4つの「接続先電話番号不明の通話」のうちどれかがバーバラとテッド=オルソンの間の2つの通話に相当するか判断できないが、FBIと司法省は4つすべてがバーバラ=オルソンと彼女の夫の事務所との間の通信に相当すると考えている(77便の乗客と乗員のすべての家族にたいしてハイジャック機から何らかの電話を受けたか調べるために個別に訪問がされ、レニー=メイの両親とテッド=オルソンだけが、そのような電話を受けたことを示した)。4つの通話は、9時15分34秒から1分と42秒間、9時20分15秒から4分と34秒間、9時25分48秒から2分と34秒間、そして 9時30分56秒から4分と20秒間。FBI報告、「アメリカン航空機の機内電話の使用」Sept. 20, 2001; FBI捜査報告、「セオドア=オルソンに対するインタビュー」、2001年9月11日; FBI捜査報告, ヘレン=ボスに対するインタビュー、2001年9月14日; 委員会の追加の記録提出の要請に対するアメリカン航空社の応答、2004年1月20日。
注58. FBI報告、「アメリカン航空の機内電話の使用」2001年9月20日;FBI捜査報告、「ロナルドとナンシー=メイに対するインタビュー」2001年9月11日。
ハイジャックについて地上に連絡をしたのは、バーバラ=オルソンさんとレニー=メイさんの2人です。バーバラ=オルソンさんだけではありません。どちらもFBIが家族と面談して聴き取ったことと脚注に書かれています。テッド=オルソン氏が訟務長官で政府の高官であったから証言として信用できないという意見を無視するなら、テッド氏の証言は一応信頼しても差し支えはないはずです。同じような別の人物の証言があるからです。ただし、バーバラさんの使った電話についてテッド氏は想像するしかなかったのでしょう。マスコミに対するコメントでテッド氏が言った、携帯電話、機内電話については9.11委員会報告書は書いていません。電話の種類についてのテッド氏の発言は信頼できないと判断したと思われます。

つまり、9.11委員会報告では、FBIの調査の結果に基づいて、バーバラ=オルソンさんとレニー=メイさんが機内の様子を伝えていたと書いているのです。「FBIは夫人が司法省に電話をかけてきたことを明確に」しているといえます。

『SPA!』のなかでは、レニー=メイさんの通話は無視されています。グリフィンは、『9.11事件は謀略か』のなかでも、ポール=トンプソンの「9.11コンプリート=タイムライン」を根拠(*1)に、「オルソンは77便から電話を受けたと報告した唯一の人物である。」(*2)としています。

*1『9.11事件は謀略か』p402、原注22、"Thompson(9;25AM)and(After 9;30)."
*2『9.11事件は謀略か』p87。この点に関して「第2版のあとがき」(2005年3月)に訂正はありません。もちろん、『SPA!』が書いているように、9.11委員会報告が「2005年」の7月に出されたものであるならグリフィンが誤解をしていても無理はないといえますが、そのための誤記であったのかも知れませんね。
そして、実は、ポール=トンプソン氏のタイムラインにも、レニー=メイさんの電話についての記述があります。それをグリフィンは無視して「オルソンは77便から電話を受けたと報告した唯一の人物である。」と書いていたのです。(少なくとも、『SPA!』の記事の執筆段階では確認できたはずです。)

(9:12 a.m.) September 11, 2001: Flight 77 Attendant Has Confirmed Hijacking, American Airlines Learns
Renee May, a flight attendant on Flight 77, uses a cell phone to call her mother in Las Vegas. ...( 午前9時12分・・・77便に乗務していた客室乗務員のレニー=メイは携帯電話を使ってラスベガスの母親に電話をした。・・・)
Complete 911 Timeline: American Airlines Flight 77、Profile: Renee May、Profile: Barbara Olson

つまり、『SPA!』は、単に「とぼけてぼやかして」いるのですが、グリフィンは、電話はバーバラさんのものしかなかったと明確に言っているのです。情報の一部を彼の愛読者にたいしては隠蔽していると解釈せざるを得ないのです。そして『SPA!』も中途半端にそれを真似しているのです。

77便の機内電話
グリフィンは「77便の客席には電話が設置されていなかった」と言っています。『SPA!』は根拠を示していません。そのあたりのことを説明したページがあります。(a)の執筆者には、グリフィンが名前を連ねています。

(a) "Could Barbara Olson Have Made Those Calls?, An Analysis of New Evidence about Onboard Phones",by David Ray Griffin and Rob Balsamo,pilotsfortruth.org,06/26/07、(b) Breaking News: Could Barbara Olsen have made those calls on Flight 77? ※ (b)は(a)のコピーですが、757の整備マニュアルのコピーが掲載してあります。

2006年2月17日にドイツのある掲示板の参加者の一人(P氏)がアメリカン航空に次のような質問のメールを送ったそうです。

こんにちは、御社のウェブサイトを見ました・・・ボーイング757の背もたれ組み込みの衛星電話がないと説明されています。この説明は正しいですか? 2001年の9月11日とそれ以前に何らかの背もたれ組み込みの衛星電話のようなものがいずれかのボーイング757にありましたか、そしてそうであれば、いつそれらの電話は撤去されたのですか?
アメリカン航空の担当者、Chad W. Kinder氏による答えは、

その通りです、わが社の757型機には電話はありません(we do not have phones on our Boeing 757)。テロ攻撃の間、77便の乗客は自身の携帯電話を使って外部へ通話しました。しかし、操縦士たちは航空交通管制塔と一定の連絡のできる状態であることは可能です。
つまり77便では、機内電話はなかったけれど、通話があったとすれば携帯電話が使用されたのだろう言っているわけです。

(b) には、757型機のメンテナンスマニュアルの一部が掲載されています。そこには、「機内電話システムは使用できるようになっていない」とした上で、機内電話システムの整備は専門の業者に任せることという指示、取り外しもその業者がすることになっていると書かれています。つまり機内電話は存在したということです。グリフィンの言う「実は77便の客席には電話が設置されていなかった」は虚偽です。設置されていたから整備マニュアルに説明が書かれているのです。

とはいっても、9.11委員会報告を読む限り、ほかの3機からは相当数の通話があったのに、77便では機内から連絡してきたのは2人だけですから、背もたれの機内電話が使われた可能性は低いです。しかし、電話はかかっている。または、電話がかかってきた可能性がすべて否定できたわけではありません。あるいは、発信がいわゆる電話機によるものでなくても受信側はともかく電話だったわけです。地上に届いた通話で受信者が受けたと言っているのはテッド氏と客室乗務員のレニー=メイさんの母親だけです。すべての搭乗者の家族や関係者のうちで機内からの通話を受けたのはこれだけです。

乗務員が通話する手段があったことは、上記の "pilotsfor911truth.org" のページにアメリカン航空のコメントとして書かれています。

バーバラ=オルソンが乗員用の電話を借りた可能性を確かめるために、それから彼らは尋ねた、「757には全く機内電話はないのですか、言いかえると、乗客や乗員が使用できるようなものはないのですか?」返事は「アメリカン航空の757には乗客や乗員が使える機内の何らかの電話はありません。乗員には利用できる他の通信手段があります。
To check on the possibility that Barbara Olson might have borrowed a phone intended for crew use, they then asked, “[A]re there any onboard phones at all on AA 757s, i.e., that could be used either by passengers or cabin crew?” The response was: “AA 757s do not have any onboard phones, either for passenger or crew use. Crew have other means of communication available.”
※ (a) は "pilotsfor911truth.org" は9.11事件の真相を追究するパイロット達のグループなのですが、この程度の疑問で非常にてこずっているようです。もちろん直接の執筆者の一人は専門家ではなく神学者なのですが。このサイトは本当にパイロットたちのグループがやっているのでしょうか。少なくとも、アメリカン航空の操縦士はいないようです。それとも素人の間違った判断の例としてグリフィンの考察を掲載しているのでしょうか。

客室乗務員であるレニー=メイさんは9時12分に母親に電話しています。可能性としては乗務員だけが使用できる方法を用いたか、携帯電話が繋がったかです。当時の携帯電話は機内から繋がるものがあったことが知られています。次の図は、77便の飛行高度をグラフ化したものと飛行経路の図です。A〜Fの各点はそれぞれ対応しています。高度のグラフには時間が示してあります。2人の家族に電話のあったといわれる時間には、77便は25000フィート(7620m)以下を飛行しています。特におよそ9時22分から後は高度は下がる一方でした。

NTSB - FOIA requests というページの Flight Path Study American Airlines Flight 77 (PDF 7.52MB) より

携帯がどの高度まで使えるかということについて、『アキレス=プロジェクト』という実験では、8000フィート以下でしか使えないとされました。しかしこの実験には落とし穴がありました。基地局の密度の高い都市部の上空で行ったのでした。基地局は、利用者の数に応じて設置する(1局が処理する通話の能力に限りがあるので)ので、都市部では密度が高いのですが、それは基地局の発信する電波が弱いことも意味しています。地方へ行けば基地局の密度は下がります。各局の出力は高くなります。ドイツのある会社の例では基地局の間隔は15kmになるそうです。15kmは上空に伸ばすと、15000mです。7620mの約2倍に近いのです(巡航高度の35000フィートでも10668mです)。もちろん77便が9時12分頃から9時30分頃に飛行していた場所で何キロ間隔で基地局があったかは不明ですが、25000フィート(7620m)に降下したウエストバージニア州のチャールストンの東からワシントン近郊までは大きな町はありませんし、ペンタゴンに近づくに従い高度は非常に下がったのですから携帯電話は繋がった可能性があったのです。人口密度が低いことは google地図の航空写真で確認できます。ほとんどが森林か原野か田園です。

参考:いずれも 911Myths...
"The 9/11 Calls Weren't Real"
"Barbara Olson"
"Mobiles at Altitude"

さて、アメリカン航空の顧客サービス係の方も機内電話は使えなかったけれど携帯を使ったのではと言ったそうです。参考に、2001年前後の飛行機内での携帯電話の使用の賛否についてのページをいくつか紹介しておきます。これらのページから受ける印象は、当時は携帯は飛行機内で「繋がらない」とか「繋がる」とかの論議ではなくて、「許可」すべきか「禁止」したままでおくかという論議のように思えます。つまり、もちろん運航の安全性を考えれば当時としては「禁止」が正しかったと言えるのですが、実際には「使えた」からこそ使用禁止について問題になっていたのではないでしょうか。特にFCCの態度に注目。(日本国内のページで海上と上空で1999年にテストしたページを見かけました。海上では沖合い10kmまで、上空はスカイダイビングで試したそうですが約300mという数字を示しています。ただし上空については何らかのテレビ局の『配慮』か日本の技術的な特別の事情があったのかも知れません。水平で10km到達するのであれば、基地局のアンテナの指向性の問題があったとしても300mということはありえないようにも思えます。『目がテン!ライブラリー』通話大実験!携帯電話  #464 99/01/17)

「FCCと米連邦航空局(FAA)は、飛行機の中での携帯電話の利用を禁止している。」という意味の問題です(下記3つ目のページ参照)。使えないなら、禁止しなくても、誰も使わないはずです。

「テロ後も変わらない航空機での携帯電話禁止」、by Elisa Batista 、WIRED NEWS、2002年09月13日
「フライト中の電子機器使用は本当に危険?」、by Craig Bicknell 、WIRED NEWS、2000年7月26日
「FCC、航空機内での携帯電話使用許可を検討へ」、by Ben Charny 、ZDネット、2004/12/16

元も子もない言い方のようですが、むしろ9/11事件で乗客と家族が携帯電話で通話ができたということ自体が飛行中でも携帯電話が繋がる場合があることを証明したといえます。もちろんそれには、多数の目撃証言や、物的証拠、検死報告や家族の証言を信用するならという前提があります。


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(補足 2008/04/27) 次のような記述を見つけたのでちょっと考えてみましょう。

はるか高度3万5000フィート(1万メートル)上空を飛行する航空機の機内から最大5ワット(標準で3ワット)の送信パワーしか持たない市販の携帯電話でかけたとしても、クリアな通話品質どころか、性能限界から高速移動するスピードに対応できず送信を完了できないため、セル内の基地局につながることはない。携帯電話の指向特性からも物理的に通話不能である。・・・
9/11トリック-テロは起きなかった / マック=レイカー

携帯電話が出始めのころ歩きながら使えても、車からでは使えませんでした。この印象が残っている方が多いと思います。天気の良い日に、上空を飛行する旅客機を見ると、自分のすぐ目の前を歩く歩行者よりゆっくりなことに気づくでしょう。ポイントは一定時間内に見かけ上の「角度」がどれほど変化するかということです。連邦通信委員会(FCC)が問題にしているのは、むしろいくつかの基地局に同じように電波が届くから混乱が起きるのではないかという点です。マック=レイカーさんは何か勘違いをしているようです。基地局に対して飛行機は高速移動体ではありません。


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※ なお、機内では規定どおり携帯電話の電源を切る必要があると思います。電波が配線から混入して電子機器の動作に影響を及ぼすことも機器を破損することも事実としてあります。飛行機の対策が完全になるまでは携帯の使用禁止は当然です。

おさらい
『SPA!』のこの部分と同じような記事を見つけました。

"911のウソ",玄のリモ農園ダイアリー,2008年4月7日

ペンタゴンに突入した77便に乗っていたバーバラ=オルソンさんと夫のテッド=オルソン氏との電話のエピソードについて書いています。その部分を引用します。番号は説明の便宜上つけました。

(1)2001年9月11日当日、CNNは「テレビのコメンテーターで弁護士のバーバラ・オルソンが法務次官で夫のテッド・オルソンに彼女の飛行機がハイジャックされたと通告してきた」と報道しました。
(2)そのときのテッド・オルソンの話しによれば、妻がアメリカン航空77便機から携帯電話を2回かけてきて、「乗客全員とパイロットを含む添乗員全員が武装したハイジャック犯たちに飛行機の後部に押し込められている。武器はナイフとカッターナイフだ」と語ったとされています。
(3)テッド・オルソンの陳述は、かれがなにしろ法務次官という要職にあること、そして犠牲者の妻のバーバラ・オルソンがCNNの有名なコメンテーターだったことで、ブッシュ政権の対テロ戦争を押し進めるうえで国民の支持を得るために非常に重要な位置をしめていました。
(4)このテッド・オルソンはその数日後ラリー・キング・ライブショーで、「いやあれは妻から法務省へのコレクトコールだったから機内電話からの電話だった」と供述を変えています。(これは当時のジェット飛行機からは携帯電話が通じないということに気づいたからだと推測されます。)
(5)さて、アメリカン航空77便はボーイング757型機ですが、じつはこの飛行機には機内電話が設置されていなかったことがアメリカン航空社が確認しているのです。
(6)となると、テッド・オルソンの勘違いで、やはり妻の電話は携帯電話からということになります。
(7)ところが、この携帯電話説もFBIの報告ではあり得ないことになるのです
(8)2006年、20番目の911テロリスト犯として逮捕されたザカリアス・ムサウイの裁判で、FBIは4機のハイジャック機からのすべての電話通話の報告書を提出しました。その中で、アメリカン航空77便のバーバラ・オルソンに関してはただ1回の通話だけ存在し、しかもそれは「不通」であったことを明らかにしました。ですから、FBIによればテッド・オルソンは携帯電話からも機内電話からも1回も通話を受けていないことになるのです。
(9)しかし、9月11日にFBIはテッド・オルソンに面接し、FBI係官がテッド・オルソンが77便の妻から2回電話を受けたと報告しています。つまり、FBI自身がテッド・オルソンの供述を否定しているわけです。
(10)考えてみるとこれはとんでもない話ではありませんか?だって、FBIというのは司法省の1部分です。そのFBIが、司法省の元法務次官(法務長官の次)が言っていることを嘘だと報告しているのですから。
(11)さて、もしテッド・オルソンの電話説がウソということになると、とても大きな問題に発展します。77便はワシントンから離陸して、途中で旋回してワシントンに戻りペンタゴンに激突したことになっているのですが、その根拠がワシントンに向かう機内のテッド・オルソンの妻からの電話だったからです。そうなると77便はワシントンには戻らなかった可能性がでてきます。つまり、ペンタゴンに激突したのはなにか他の飛行物体ということになるのです。
森田氏の意見を整理すると:

テッド氏は始めは携帯だったといい、次には機内電話だったと弁解している(1)〜(4)。
携帯電話が繋がっていなかったことはFBIが確認している(8)。
機内電話が設置されていなかったことはアメリカン航空が認めている(5)。
ゆえに、バーバラさんが77便に乗っていたとしても、テッド氏が受けた2つの通話はありえない。
つまり、FBI自身がテッド・オルソンの供述を否定している(9)。(※ テッド氏はFBIにとっては容疑者ではないので「供述」ではなく「証言」というべきです)
森田氏またはデイビッド=グリフィンが隠している事実があります。それは、さきに触れた、バーバラ氏と同じ客室にいた客室乗務員のレニー=メイさんの電話です。そして、客室乗務員が地上の「電話」と連絡をとる手段が存在したというアメリカン航空が認めている事実です。

そして、ちょっとひっかかる説明は(8)です。そしてこれが、グリフィンの「2008年のエープリールフール」の要点です。

2006年、20番目の911テロリスト犯として逮捕されたザカリアス・ムサウイの裁判で、FBIは4機のハイジャック機からのすべての電話通話の報告書を提出しました。その中で、アメリカン航空77便のバーバラ・オルソンに関してはただ1回の通話だけ存在し、しかもそれは「不通」であったことを明らかにしました。ですから、FBIによればテッド・オルソンは携帯電話からも機内電話からも1回も通話を受けていないことになるのです。
なんとなくインチキくさい書き方なのです。ムサウィの裁判資料は実際にどのようなものだったのか? 裁判に提出された通話記録のフラッシュ動画の要点だけを静止画像(jpg)にして紹介したページがあります。

"Phone Call Detail : Detailed Account of Phone Calls From September 11th Flights",9-11Reserch (※ なお、オリジナルは、U.S.D.C. Eastern District of Virginia (連邦地裁バージニア東支部) からダウンロードできます。zip形式 27MB。解凍すると flights というディレクトリができるので開いて、Windows の場合は _Start Here PC.exe というアイコンをダブルクリックします。マッキントッシュ用のアイコンもあります。)

77便について整理すると:

発信されたすべての電話は、レニー=メイから2件、バーバラ=オルソンから1件、氏名不明から5件の8件。 (Phone Calls)
「うち」レニー=メイの2件は、1つは両親宛で未接続、もう1本が両親宛で接続。(Renee May)
「うち」バーバラ=オルソンの1件は、司法省宛で未接続。 (Barbara Olson)
「うち」発信者の氏名が不明("Unknown Caller")のものは、接続されたものが4件で、接続されなかったものが1件。(Unknown Callers)
9.11委員会報告書のやや要領を得ない脚注57の4つの通話記録が、"Unknown Caller" のうちの接続されたものにあたります。そして、"Unknown Caller" というのは、"not Barbara Olson" という意味ではありません。バーバラさんがかけたのに名前が記録されなかった可能性があるということなのです。とにかく「誰かがどこかに」かけたていたのです。森田氏が同意したか気付かなかったグリフィンのトリックはお分かりですね。FBIはこの4つがバーバラ=オルソンさんのかけたものと推定していると脚注57.は書いていました。

なお、次のページは、グリフィンの新著 "9/11 Contradictions: An Open Letter to Congress and the Press" の第8章に基づいてグリフィンが書いたものです。"Ted Olson's Report of Phone Calls from Barbara Olson on 9/11: Three Official Denials",by David Ray Griffin, Global Research,April 1, 2008 。森田氏はこの新著を参照したと書いています。森田氏のページの2枚のカット写真(8514.jpg と DRG.jpg)のファイル名はこちらのページと共通ですから、森田氏は書いていませんが、おそらくこのページも参照したのでしょう。実は、連邦地裁バージニア東支部の資料はこのページで発見しました。つまり森田氏もレニー=メイさんの電話の存在を知っていたはずです。また、77便に座席の機内電話が設置されていなかったという話は上で紹介した、"pilotsfor911truth.org" の説明と基本的に同じで、「注8」に根拠の説明があります。日本語に訳したものが、"9/11のバーバラ・オルソンからの電話というテッド・オルソン報告と、それに対する3つの公式な否定",マスコミに載らない海外記事,2008年4月 2日 (水) (ブラウザによっては表示に異常に時間がかかります)。公的機関がするはずもない「3つの公式な否定(Three Official Denials)」という言葉を使っていますが、わかり易くいうとすれば、「公式見解の矛盾」となるはずです。文書のタイトルはグリフィンの「こけおどし的」な態度をよく表しています。「3つの公式な否定」とは、アメリカン航空が座席の機内電話は使えなかったと説明したこと、FBIがバーバラさんが発信したとわかっている通話が接続されなかったという記録を提示したこと、「ペンタゴンの歴史家」が「乗客全員とパイロットを含む全乗務員が、武装したハイジャッカーによって飛行機の後部に集められた。」というバーバラさんのメッセージを採用していないことです。前2つは既に説明のとおりですが、3つ目はいかにも馬鹿げた話です。アルフレッド=ゴールドバーグ(Alfred Goldberg)氏ほかが書いた Pentagon 9/11 という書籍が国防省の歴史編纂室から出版されています。国防省で行われた、出版の会見で著者の一人である国防省の歴史編纂室の歴史家のダイアナ=T=パトニーさんは、「(建物に衝突した)それはアメリカン航空77便であったことに何の疑いも持っていません」と語っています。これまでに「公式見解」の中で「乗客全員とパイロットを含む全乗務員が、武装したハイジャッカーによって飛行機の後部に集められた。」という話が採用されたことはありません。9.11委員会報告では、バーバラさんは「飛行機がハイジャックされたという『操縦士』による機内放送があった」と伝えたと書かれています。これは機体後部の彼女のそばに操縦士がいなかったということです。また「機長がすべきことについて彼女は機長に何を伝えたらよいか夫にたずねた」と書かれていますが、これは必ずしも操縦士が後部にいたという根拠にはなりません。ポール=トンプソンのタイムライン(前掲)は、『ボストングローブ』2001年11月23日付けの記事をソースとして、「ほかの(新聞記事などの)説明では、彼女は一人の操縦士のそばにいたとされ、さらにもう一つの説明では2人の操縦士のそばにいたとされる。」と書いています。『ボストングローブ』には、「(テッド氏が)ある機会に話した通話内容では、彼女は両方の操縦士たちはそこにいると彼(テッド氏)に伝えている」("In one version of the conversation, she told him both pilots were there." )と確かに書いてあります。しかし、"CNN LARRY KING LIVE" (2001年9月14日)では、番組司会者のラリー=キング氏の「操縦士は彼女と一緒に機体後部にいたのですか」という質問にたいしてテッド氏は「わからない」と答えています。『ボストングローブ』は記者が解釈を加えた書き方ですが、CNN のほうはメッセージを聞いたテッド氏の直接の言葉です。そして、9.11委員会報告では、「誰かが刺されたとか、あるいは爆弾にによる脅しやカラシスプレーの使用については直接の証言はなかったが、ファーストクラスキャビンでその両方が起きた。」とほかの3機と同じことが起きたであろうと書いているのです。つまり機長は操縦室または操縦室の付近で殺害されていたと想定しているのです。この例では、グリフィンは、ありもしない「公式見解(操縦士は機体後部にいたという)」を捏造して、従来の「公式見解(操縦室か付近で既に殺害されていた)」と同じ内容の「公式見解(操縦室か付近で既に殺害されていた)」を持ち出して批判しようというマヌケをやってしまったのです。しかもかなりのスペースを使って、体格の良い機長が貧弱なハイジャッカーにのされるはずがないという馬鹿な説明で補強しようとしたのです。

森田氏の意見ついて指摘すると:

相手の使った電話の種類についてはテッド氏の想像に過ぎない。
通話記録の氏名不詳がバーバラ=オルソンさんのものではないという保証はない。そしてともかく機内から発信されていた。
機内電話は事実上使えないという指摘は納得できるものです(ただし設置されていなかったというのはウソ)。
しかし、バーバラさんと同じに客室にいた客室乗務員のレニー=メイさんからのメッセージをご両親が「電話」で受けているので、テッド氏が電話を受けたとしても不思議はありません。
ゆえに、FBIがテッド氏の証言を否定しているとはいえません。
何の不思議がありますか。森田氏あるいはグリフィンはレニー=メイさんの電話をなぜ隠したのでしょうか。そして、なぜ "Unknown Caller" を、"not Barbara Olson" と勝手に解釈できたのでしょうか?

「グリフィン博士はこの問題での明らかな矛盾をあらたに提示」してはいません。ちょっとしたトリックを使って騙そうとしただけです。物理学者とか神学者だとか肩書きはいろいろですが、彼らの陰謀説というのはこの程度のちゃちなトリックの組み合わせで成り立っているのだと思います。そしてこんなことに手を染めるのは、過去にいかに高名な神学者であろうと、高名な色物物理学者であろうと、現実世界で枯れ木に花を咲かせようとする「はなさかじいさん」にすぎません。

77便はワシントンから離陸して、途中で旋回してワシントンに戻りペンタゴンに激突したことになっているのですが、その根拠がワシントンに向かう機内のテッド・オルソンの妻からの電話だったからです。
なんてことは、ありません。これも「ウソ」に近い「トリック」です。事件当日の77便の飛行ルートについてはレーダーの記録が残っていました。またダレスの管制官がレーダーで見ていました。そして、ほかにも77便がハイジャックされた後にペンタゴンに突入した根拠はいくらでもあります。搭乗者の遺体、目撃証言、機体の破片など・・・。家族や友人が手がかりを提出していない5人の身元確認のできない人物の存在。その5人のうちの一人、アリゾナで飛行機の訓練を受けたハニ=ハンジュルは77便に搭乗前にダレスで監視カメラに撮影されていました。そして、ほかの3機もハイジャックされていました。総計19人の犯人が一つのグループに属していたこともわかっています。

なお、テッド(セオドア)=オルソン氏は、「法務次官」ではなく「訟務長官」(solicitor general)です。イギリスにおいては法務大臣とは別の役職の法務長官(attorney general)を補佐する役職が「法務次官」(Solicitor General)です。アメリカの話ですから、普通は、テッド=オルソン氏は訟務長官と訳されています。もちろん米司法長官(attorney general)の補佐役でもありません。 英和辞典の "≪英≫" とか "≪米≫"ってどういう意味だと思いますか、森田さん?

アメリカ合衆国訟務長官 - Wikipedia

「物理的に」の意味
『SPA!』の記事は、

『電話があった』というオールソン氏の立証不可能な主張が、77便がハイジャックされたということの"根拠"となっています。ところが、これが物理的に不可能だと判明しました
と説明しています。このページでグリフィンのトリックを説明しましたが、「物理的に」という言葉を使う必要があったでしょうか? つづいて、「当時の技術で1万m上空から携帯電話をかけることは不可能」と説明していますから、実は「技術的に」ということです。しかし、森田氏は

ザカリアス・ムサウイの裁判で、FBIは4機のハイジャック機からのすべての電話通話の報告書を提出しました。その中で、アメリカン航空77便のバーバラ・オルソンに関してはただ1回の通話だけ存在し、しかもそれは「不通」であったことを明らかにしました。
これは、全く関係ないといわけではありませんが、物理的な問題や技術的な問題というよりは、主に文献的な証拠の判断の問題です(グリフィンの判断は間違っていますが)。しかし、『SPA!』は物理的という言葉を使っています。何の意味があるのでしょうか? 実は意味などないと思います。単なるこけおどしです。そして、例えば、世界貿易センタービルの爆破解体説のスティーブン=E=ジョーンズ博士は、本来工学的な問題について、ビル倒壊についてのNISTなどの説明は「物理的に」ありえないと説明しています。これも、実は意味のない言葉だと思います。明解国語辞典第5版(三省堂、1997年)によれば「物理的」とは:

個々の物体がそれぞれの時点において空間の一部分を現実に占有し、静止あるいは運動しているという基本原理に基づいて物を考えかつ見ることを表す。(「精神的・心理的・論理的」と対比して用いられることも多く、「空間的・時間的・物体としての」と言いかえられる場合が大部分)
『SPA!』の用法も、ジョーンズ博士の用法も、明解国語辞典の説明の用法ではないようです。つまり、一般的には使えない場合です。ゆえに、「こけおどし」と言えるのです。

(2008/04/20)


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