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「9・11」から「3・11」への転換点
日米取材で見たGEイメルト氏と緒方貞子氏の10年
酒井 耕一
GE 東日本大震災 緒方貞子 バフェット 復興 イメルト
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4月4日、米GE(ゼネラル・エレクトリック)のジェフ・イメルト会長兼CEO(最高経営責任者)は、東京・霞が関にある経済産業省のロビーに立っていた。
日立製作所の中西宏明社長と一緒に、海江田万里経済産業大臣を訪問し、福島第一原発の安定化などの対応について説明した。
会談を終えたイメルト氏は、庁舎1階で、大勢の記者とカメラマンに囲まれた。「全力で対策に当たる」と説明するイメルト氏。記者からは原子炉の製造者としての「責任」を問う質問も飛ぶ。しかし、イメルト氏は「長く原発を運営してきている」との発言に留まり、「関係企業で協力して厳しい時期を乗り越える」と強調した。
「日本の震災ついて心を痛めている」と繰り返すイメルト氏。ただ被災の見舞いだけでは終わらない。当事者として原発への対応は待ったなしだ。
そのイメルト氏の姿を見ていて、約10年前の記者会見を思い出した。
9・11の直前にCEOに就任したイメルト氏
2001年の9月11日のテロから数週間後、イメルト氏はニューヨーク市のホテルで、記者らの質問に答えた。
イメルト氏は同年9月7日に会長兼CEOに就任したばかり。だがその4日後に「9・11」が起こり、米国は混乱に陥った。イメルト氏は「テロ当日はシアトルで顧客を訪問していた」と切り出し、企業再建を通して、米国を復興させると力を込めて話した。
実は、イメルト氏は2000年にトップに就くはずだった。ところが前任のジャック・ウエルチ氏が退任直前で、米機械メーカーのハネウエルの買収を決める。合併準備のためにウエルチ氏は任期を延長するが、結局は独占禁止法により合併は白紙になる。
イメルト新会長を迎えたのは、大型合併の白紙化と、テロという厳しい状況だった。ハネウエルを逃して製造分野でGEの強さを高めることもできず、テロにより得意の金融・保険事業もダメージを受ける。
危機の中でリーダーシップを求められたイメルト氏は「GE創り直し」とも言える経営改革に突き進む。先ず環境対策やその分野の製品強化。「エコマジネーション(環境と想像力をあわせた造語)」をうたい文句に、航空エンジンや制御機器、家電製品など次々と省エネ化、高効率化を進めてGE製品を改善した。
次に「ディカップリング(分離)」と「リバース・イノベーション(逆・技術革新」いう言葉を用いて、新興国開拓を強力に打ち出す。これは収益源を米国などの先進国市場に頼らず、成長著しい新興国に見出すこと。米国経済が低迷しても、“分離”された中国やブラジル、インド、アフリカなどの新興国で水道や電力といったインフラ事業を進めた。
GEのインドの研究所で開発した医療機器を米国で売るという逆転の発想で、「先進国で開発して、途上国に売る」という従来の開発・販売手法の常識を打ち破った。
さらにイメルト氏は、事業再編にも乗り出す。米放送局NBCなどを抱えるメディア事業を売却。一時はGEの全収益の40%を稼いでいた金融事業も大幅に縮小した。
イメルト氏は、GEを米国中心の会社からグローバル企業にすることに活路を見出した。特に日本をよく訪問して、医療事業について戦略を練った。高性能の医療機器は世界の誰にとっても役立つ商品。病気を見つけやすい検査機の開発から個人の医療データの保存まで、先端技術を持ち、かつ高齢化社会を迎える日本から答えを導こうとした。日本の中小企業と話したり、宮城県と提携したりして方向性を探っていた。
こうしてイメルト氏の就任から10年で、大げさに言えばGEは「金融・メディア」から「医療・環境」の会社へと変貌を遂げたのだ。
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