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記者の目:大躍進 橋下知事の首長政党=福田隆(毎日jp)◇責任政党として具体論を語れ
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投稿者 赤かぶ 日時 2011 年 4 月 29 日 16:34:49: igsppGRN/E9PQ
記者の目:大躍進 橋下知事の首長政党=福田隆
http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20110429k0000m070154000c.html
毎日新聞 2011年4月29日 0時14分
統一地方選の大阪府議選と大阪・堺両市議選で、橋下徹・大阪府知事が代表を務める「大阪維新の会」が大躍進した。3議会の合計議席は告示前の48から103に倍増し、府議会では過半数を制した。橋下府政を2年間取材してきた私には、世論調査で支持率が下落傾向だったこともあり、圧勝は予想外だった。「大阪都構想」を掲げての選挙だったが、もとより、議会選は単一テーマでの賛否を単純に問うものではない。府民に都構想の中身が浸透しているとはいえず、丁寧に議論を深めてほしい。
◇“イエスマン集団”から自立を
知事は大阪市と堺市を解体して特別区に再編し公選区長を置く構想を描く。「維新」はその実現のため各議会で多数派形成を目指す首長政党だ。
◇関心高くない「大阪都構想」
選挙戦最終日の9日、ショッキングな場面に遭遇した。橋下知事は最後の演説会場として、母校の大阪市東淀川区内の市立中学校を訪れた。維新は同区に府議選1人、市議選3人を立てていた。しかし約400の席に聴衆は約150人とガラガラ。かすれた声で「(都構想のような)むちゃな事でもやる、という気持ちになったのはこの学校を出たからかな」と橋下節を披露しても、会場の空気は暖まらない。終了後、記者団に「選挙戦が9日間しかないなんてバカげている。全然議論が深まらない」と焦りさえ見せた。
翌10日。投票率は前回統一選とさほど変わらず、橋下人気も今回は不発か、と思われた。しかし、維新票はグングン伸び、東淀川区でも、府議選で現職を破って当選し、市議選でも2議席を獲得した。
有権者の間では、実は都構想への関心は薄く、「子どもを大切にする施策を進めてくれそう」「既存政党はダメ。これくらい馬力のある人物に任せてみたい」などの声が多い。1月の毎日新聞・毎日放送合同世論調査で、都構想への賛否は29%対25%と伯仲している。知事3年間の実績と、1年間の維新代表としての挑戦が重なり、政治家・橋下徹が府民の期待の受け皿として定着したのだ。
今思えば、東日本大震災直後の対応の巧みさが勝因の一つだったのかもしれない。選挙運動自粛ムードの中、震災発生から1週間後、橋下氏は街頭演説を再開。歓声はわずかで、ほとんどが黙って演説を聞いていた。つまらないことを言えば容赦なくヤジが飛ぶような緊張感が漂っていたが、知事は真骨頂を見せた。
まず「今、選挙なんてやってる場合じゃない。でも、選挙があると決まった以上、きちんと訴えさせてください」と入り、「被災地支援は府としてきちんとやっている。被災者が大阪に避難して来た時は、皆さんのご協力をお願いします」と府民の支援意欲をくすぐる。このフレーズを3分ごとに繰り返した。都構想も「東日本を支えるには、強い大阪都が必要だ」と震災と絡めた。演説が終わると静かな拍手が一斉にわき、有権者の心をつかんだな、と感じた。
それでも、橋下維新の躍進に不安を覚える。
選挙期間中、私は多くの維新候補者の演説を聞いたが、「大阪都が必要」というだけで、候補者各自が考える「私の都構想」はほとんど聞かれなかった。自民党離脱後も1月初めまで自身の写真入りの自民ポスターを張っていたある現職候補には、節操のなさにあきれた。選挙戦初日、橋下氏との合同街頭演説中は必死の表情でマイクを握っていたのに、知事が去るなり、大勢の通行人に背を向けてスタッフと談笑していた新人候補の姿には、怒りすら感じた。
もちろん、維新の中にも自分で道を切り開いた立派な候補はいる。それでも、大半は知事に頼り切りでは、との思いがぬぐえない。
◇責任政党として具体論を語れ
知事は選挙後、「他会派に協議の場に着いてもらうため、都構想はいったん白紙に戻す」と発言。維新の全体会合では「これからは知事と議員として対等の関係だ」と述べ、各議員に自立を促した。だが、11月にも行われる大阪市長選に自らくら替え出馬し、知事選には懇意の著名人を立てる可能性を公言する。対話姿勢をちらつかせながら、選挙で一気に府・市を制覇し、都構想の実現に突き進もうという橋下流の政治戦術だ。
風を読むのが上手な橋下知事は「何か新しいことをしてくれそう」という漠然とした府民の期待を吸い上げて維新を圧勝に導いた。しかし、都構想について府民の間で論議が盛り上がっているわけではない。まさに府下最大の政治勢力となった維新は、責任ある地方政党として、将来の都市像を巡る具体的な議論を主導していく重責を負った。橋下“イエスマン集団”は許されない。(大阪社会部)
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