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10 イエズス会から枝分かれした秘密桔社「イルミナティ」
「イルミナティ」(光明結社、または啓明会と訳される)は、欧米では有名な秘密結社で、我が国でも、ここ十年来、ある程度その内容が紹介されるようになっている。イルミナティの創立(一七七六年五月一日)者は、ドイツ・バパリアに生まれたユダヤ人で、イエズス会士であり大学教授でもあったアダム・ヴァイスハウプトとされている。しかし、イルミナティの真の創始者は、あのイグナティウス・ド・ロョラであるという。イエズス会が創立される十四年前に、ロヨラは、イルミナティの会をつくったためにスペイン当局に逮捕されているというのだから、この説は確かなものであろう。
ヴァイスハウプトがたてたイルミナティの網領には、・私有財産の廃止、・国家の廃止、・すべての宗教の絶滅、・家族の廃止、がうたわれていた。これが間もなく、ババリア政府の知るところとなり、同政府はこのイルミナティを禁止した(一七八○年)ため、ヴァイスハウプトは地下秘密活動に転じ、フランス系フリーメーソンに加わり、その主導権を握って、かのフランス革命を演出したと
されている。やがてアメリカにもイルミナティの手が伸ぴ、それ以後、マルクスに共産党宣言を書かせるなど、世界史を闇のなかで動かしてきたとされるのだ。このイルミナティをイエズス会から分派させた影の力が、ユダヤ地下世界政府であった、と考えることはできないか。この仮定は十分にありうる話である。「家族の廃止」−これは、容易ならぬ目標(綱領)だ。もちろん、これはキリスト教会の教理とキリスト教的道徳を破壊するという意味で、徹底して反キリスト教的である。私有財産についても、まったく同じことがいえる。しかし、これをユダヤの側から読むとどうなるだろうか。ユダヤ(「タルムード』)は、ユダヤ・イスラエルの民のみが人間であり、ゴイム(豚=ユダヤ以外の異民族)は、ユダヤの奴隷、家畜である(べきである)と教えている。この『タルムード』に準拠すれば、私有財産の廃止とは、ゴイムの私有財産を廃止して、ユダヤの所有とすることを意味しよう。家族の廃止も、ゴイムの家族を解体すること以外のなにものでもない。また、それはユダヤ教以外のすべての宗教を廃止することとなる。若きイエズス会士ヴァイスハウプトのその陰に、ユダヤ地下世界政府がみてとれるのである。つまり、イルミナティは、より先鋭化した現代のイエズス会なのだ。
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