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海底から地震のメカニズム解明や予知に迫る
ストリーマーケーブルを海に投入する作業も溝田あゆみさんの仕事。ケーブルの長さは全長6,000m、その中に444個の受振器が装着されています。
マルチチャンネル反射法
探査システム(MCS)と
海底地震計を用いた屈折法地震探査
調査船がえい航するエアガンから圧縮空気を放出して、人工的な地震波を発射し、その反射波をストリーマーケーブルや海底地震計で捉えます。反射波の強弱などから海底下の構造を調べます。CTスキャンで人体の中を調べるのと同じ仕組みです。
海面に繰り出されるストリーマーケーブルの総延長は約6,000mにも及びます。調査船はケーブルをえい航し、一定の速度を維持しながら500kmも航走します。
6Kの潜航深度が6,500mと決められたのは、地震に関する調査の必要性から。JAMSTECにとって巨大地震に備える調査・研究は最重要テーマの一つです。
世界初の試みとして、東南海地震の想定震源域にあたる紀伊半島の熊野灘で「海底地震・津波観測監視ネットワークシステム」が進められています。高精度の地震計、津波計を集中的に配置、海底ケーブルでつなぐシステムで、リアルタイムな情報を即時に集め、早期の地震・津波検知を目指します。得られたデータは地震発生のメカニズム解明、予測などの研究に役立つと期待されています。
また、10年ほど前からマルチチャンネル反射法探査システム(MCS)によって、海底下の構造を継続的に調査しています。エアガンと呼ばれる音源から人工的な地震波を発し、海底下の地層からの反射波をストリーマーケーブルで受信する方法で、得られたデータを解析することで、海底下10数kmまでの地殻構造を詳細に把握することができるのです。この調査で過去の海溝型巨大地震に関連したと推測される分岐断層が発見されるなど、数々の成果をあげています。
04年に日本海洋事業に入社した溝田あゆみさんはMCS解析チームリーダーとして、同社が運航・管理する深海調査研究船「かいれい」に乗船、調査にあたっています。ストリーマーケーブルから送られてくる膨大なデータを元に断面図をおこす作業は「根気の要る作業」です。近くを船舶が航行した際に発生するノイズ(エラー)も入り、データの真贋の見極めも大事です。しかし「こうした地道な作業が地震発生メカニズムの解明につながると思うと、やりがいも大きいですね」
また04年に発生したスマトラ島沖地震の緊急調査にも参加、海底の巨大な亀裂や地盤の崩落の現場を目の当たりにしました。また政府の「大陸棚画定調査」の一環として伊豆・小笠原海域のMCS調査、07年の新潟県中越沖地震に由来する柏崎沖における地殻構造探査など、タイムリーで社会的に意義の大きく、注目を集める調査に従事、この仕事の醍醐味を感じています。
ところで、映画『日本沈没』ではヒロインは東京消防庁の消防救助機動部隊(ハイパーレスキュー)でした。従来、男性の聖域とされてきた職場。溝田さんもまた、男性中心の海の世界に飛び込んだ女性です。
「いえ、入社するときから、女性だから…という意識はあまりありませんでした。実際の仕事でもとくにハンディは感じませんし、皆さんもいい意味で普通に接してくれます。昔は船に女性用トイレとかもなかったようですが、最近の船にはきちんと備わっていますし。これからますます女性も増えるのではないでしょうか」
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