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図:地震波の伝わり方 (地震波の伝わる速さ: 地層1 < 地層2 < 地層3)
地震波の縦波は、地震波の中で最も速く伝わることからラテン語で「最初の」という意味を表す"primae"(英語の"primary"の語源)の頭文字をとって、P波と呼ばれています。
また、横波はP波の次に速く伝わることから、ラテン語で「2番目の」という意味の"secundae"(英語の"secondary"の語源)の頭文字をとってS波と呼ばれています。
縦波は疎密波とも呼ばれ、媒質(波を伝える物質。例えば、音の場合は空気)の体積の変化が移動して伝わるので、媒質は液体や気体でもよく、実際、P波も液体や気体でも通過します(地鳴り・海震などがある)。それに対して、横波のS波は固体しか通過できません。
なぜかというと、横波は媒質の形の変化(ねじれ)によって伝わるので、液体や気体のようにもともと形のないものは媒質にはなり得ないのです。
P波やS波の速さは媒質の岩石によって異なりますが、一般的に地中深くほど速くなります。
波動は遅く伝わる方に曲がる性質があるので、地震波は地表に近づくにつれて地面に垂直な上向きに曲がり、地表には、ほぼ真下から伝わってくることになります。そのため、P波は地表では主に縦揺れに、S波は主に横揺れになります。
地震波には、このようにいろいろな性質があるので、地中を通ってきた地震波を調べることで、地中の様子を調べることができます。実際に、油田の調査のために、火薬を爆発させるなどの方法で人工的に地震を起こすことも行われています(人工地震・爆破地震学)。
初期微動
P波がある地点に到達してから、S波が同じ地点に到達するまでの時間に起こる小刻みな揺れを、初期微動といいます(ちなみに、S波が到達したあとの揺れは主要動とよばれます)。また、初期微動が続く時間の長さを、S-P時間または初期微動継続時間といいます。
地震が起きたとき、地震波のS波(横波)とP波(縦波)は同時に発生しますが、P波はS波より約1.7倍速いので(地殻を伝わっている場合)、震源からの距離が遠くなるにつれて、S-P時間大きくなります。そのため、複数の地点でP波の到達した時間とS波の到達した時間の差を計測することにより、震源の位置を特定することができます。
地震波のアニメーションを見る(要 Macromedia Flash Player 5)
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