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「NHKは必要だが民放は要らない」という声をよく聞く震災報道。作家・五感生活研究所の山下柚実氏が
メディアの語源からテレビ報道の在り方を問う。
被災現場でどれだけメディア、とりわけテレビ局は現場の方たちの力になれているのでしょうか。
被災者たちの今だ多くが、「連絡がとれない」「安否確認ができない」と不安の声を挙げています。
しかしたとえば、ある民放番組では、アナウンサーが被災現場に入って、亡くなった家族のことを
被災者から聞き出しては泣かせる、といった現場レポートをしていました。
今回の激甚災害の過酷さを、視聴者はすでに直感的に理解しています。
これ以上、余分な強調や増幅はいりません。被災者に水をむけて泣かせようというのは、
テレビ局自身のための演出行為に見えてしまいます。
その一方で、やはり民放ですが、被災者にボードを渡してメッセージを書いてもらい、
それを映しながらマイクで言いたいことを話してもらう、という番組もありました。
いわば、テレビが、被災者同士をつなぐ「広域伝言板」に徹しています。
「メディア」の語源は「ミディアム」=「間に入る」「媒介」という意味です。
まさしく「媒介」役を果たしていました。電話などの通信網が寸断されている今こそ、
原点に立ち返るなら、自ずとメディアの果たすべき役割が見えてくる気がします。
http://www.news-postseven.com/archives/20110322_15626.html
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