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地震情報日誌
2005.05.26(朝日新聞2005.03.09)
地球深部探査線「ちきゅう」、まもなく完成
巨大地震の巣、掘削へ
まず東南海 カギ握る水の役割
人類未到のマントル掘削をめざす海洋研究開発機構の探査船「ちきゅう」 (5万7500j)が7月に完成する。最初の大仕事は、紀伊半島沖で「巨大地震の巣」を掘る国際調査。震源域の地下にある水の様子を探り、プレート境界型地震の発生メカニズムに迫る。 (山本智之)
計画では、07年9月から紀伊半島沖の熊野灘で掘削を始め、深さ1〜6`の穴を計8カ所で掘る=図。ここは南海トラフ沿いの東南海地震の震源域。30年以内にマグニチュード8級の巨大地震が60%程度の確率で起きると予測されている。
「巨大地震発生には地下の岩石に含まれる水分が影響している。『地震を招く水』の正体を突き止めたい」
木村学・東京大教授(構造地質学)は、掘削調査の狙いをこう語る。
南海トラフ沿いでは、フィリピン海プレートが沈み込んでひずみがたまり、陸側のユーラシアプレートが跳ね上がって大地震が起きる。しかしプレート同士の摩擦力や地震の引き金などのメカニズムはよく分からない。
海底から掘り出した円柱状のコアを
運び入れる船内の部屋。長さ1.5b
に切断した上で、各種の分析を行う
=長崎市の三菱重工長崎造船所で
そこで注目されるのが「水」仮説だ。プレート境界域の岩石のうち、水分を多く含んだ場所は周辺の岩石よりも壊れやすい。このもろさが、巨大地震発生の引き金になるという考えだ。いったん岩石の破壊が始まると、水は潤滑油のような働きをするとの見方もある。
震源域から岩石を掘り出し、@水の含有量G岩石中にどんな状態で水が存在するかH水に含まれる元素の同位体比、などを調べれば、仮説を検証できる。
「紀伊半島沖の場合、地震帯の中心は海底下6〜30`にある」と末廣潔・同機構理事(地震学)はいう。しかし従来の科学掘削船が掘れるのはせいぜい海底下2`まで。この技術的限界を克服するため「ちきゅう」は、泥水を循環させて掘る最新の「ライザー掘削」技術を導入した。
海底下7`をめざす
海底からのガス噴出などを抑える装置も搭載し、海底下7`まで掘り進むことができる。これ海底から掘り出した円柱状のコアを運び入れる船内の部屋。長さ1.5bに切断した上で、各種の分析を行う=長崎市の三菱重工長崎造船所でで紀伊半島沖の地震帯の最も浅い部分に届く。
岩石を掘り出したあとの穴には、地震計やひずみ計を設置し、リアルタイムで地殻の変動を観測する。海底ケーブルを経由して地上局にデータを集める構想だ。地震発生へ向けて、海底下でどんな変化が起きているのか、刻々と追う。
京都大防災研究所のモリ・ジェームズ・ジロウ教授(地震学)は「スマトラ沖大地震をはじめ世界各地のプレート境界で起こる巨大地震に共通のメカニズムが明らかになるだろう」と期待する。
ちきゆう」は、海に浮かぶ実験室でもある。円柱状に掘り出した岩石のコアは、船に搭載したCTズキヤンを使い、破壊せず忙内部の構造を探ることができる。平朝彦・同機構地球深部探透せンター長は「プレート境界の様子を直接探ることで、新しい地震学の基礎を築けるだろう」という。
地球深部探査船「ちきゆう」 総工費は緬600億円。全長210bで、船上に高さ約110bの掘削やぐらをもっ。三菱重工業の長崎造船所(長崎市)で最終調整中。日米を中心とする15カ国でつくる統合国際深海掘削計画(IODP)の一環で、マントル物質を採取して地球の内部構造を明らかにする。地震メカニズムのほか、生命の起源にかかわるとされる地下生物圏や、過去の気候変動の痕跡を研究する。
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