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本音のコラム 大規模農業のコスト 竹田茂夫 東京新聞
東京新聞2012年7月26日(一部加筆)
昨年、米国の二十三の農業州でCAFO(大規模畜産経営=Concentrated Animal Feeding Operation)の秘密撮影を禁止する法案が州議会に上程された。
その実態がすさまじいからだ。
千頭以上の牛や豚が身動きのとれないほど狭い所に押し込められ、牛は自ら草をはむ代わりに穀物が与えられ、糞尿はその場に垂れ流しだ゜
病気の予防や成長促進のために、大量の抗生物質が飼料や水に投与される。
十五年ほど前までは動物の死骸が牛の高蛋白飼料として日常的に使われていた。
トウモロコシや大豆なへ至る米国のシステムは大きな壁にぶっかっている。
まず、生産・加工・流通で石油・天然ガスをがぶ飲みする。
温暖化ガスの発生源ともなり、地下水汚染のような環境負荷もある。
さらにその農産物を食べる人間の健康への影響も深刻だ。
MRSA(抗生物質に耐性を持つ菌)などの問題でようやく米国の食品医薬品局は重い腰を上げつつある。つまり、このシステムは持続可能ではないのだ。
他方、安い食料は格差社会では必要不可欠だ。米国はアグリビジネスヘ膨大な補助金を与えているが、その本当の役割はここにある(※)。
日本の政財界が消費税増税とセットでTPP(環太平洋連携協定)を推進するのも、
(消費税増税によって格差社会が促進され、貧困層に対して)安価な輸入食料を必要とするからだ。
(法政大教授)
※金持ちへの優遇を決してやめない、貪欲な米国 金ぴか時代と格差社会〜米国大統領の光と陰 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/35329
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