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http://japanese.ruvr.ru/2012_07_16/chuugoku-beikoku-shoutotsu/
ミャンマーは中国と米国との新しい対立の場所となる。ロシアの専門家らは、米国がミャンマーとの関係を改善したことで、そのような見方を示している。最近、バラク・オバマ大統領はミャンマーに対する制裁の一部解除を発表し、米国とのビジネスへの扉を開いた。
米国企業には、ミャンマーの石油ガス分野など重要な分野への投資が解禁されたほか、金融サービスを提供することができる。現在それらの分野では中国資本が圧倒的な地位を占めている。米国はミャンマーに対して1988年の軍事クーデター以降、厳しい制裁を科してきたが、その間に中国がすっかり立場を強化したのだ。オバマ大統領は制裁措置の緩和について、ミャンマーでのリベラル改革が始まり、民主主義への前進が見られているためだとしている。
ただ、ロシア科学アカデミー米国カナダ研究所のパーヴェル・ゾロタリョフ副所長は、制裁緩和の真の理由は別のところにある、と指摘している。
−まずは地域における米国の地政学的利害があります。それは中国との対立であり、軍事力を含めた中国の成長する力を封じ込めることです。全体としてこの地域で米国は、中国以外の国々との間で、いざという時に支持を得られるとか、少なくとも忠実な立場を期待できるような関係を築こうとしています。ベトナムおよびインドとの関係もそのような考えによるものです。ミャンマーとの関係も、その民主化云々の話ではなく、地政学的な立場によるものなのです。
どちらにせよ、米国に続いて西欧諸国、日本などがミャンマーとの関係改善に動いた。日本は西欧諸国よりも一歩早い動きを見せ、4月末には28年ぶりにミャンマーの大統領が東京を訪問した。テイン・セイン大統領には約40億ドルにのぼる負債の帳消しが約束されたほか、インフラ建設のための優遇条件での円借款が約束された。
ロシア科学アカデミー東洋学研究所のフェリクス・ユルロフ分析員は、日本が東南アジアにおける影響力のある大国として自らを位置づけており、ミャンマーにおいて中国に挑戦しようとしていると指摘している。
−ミャンマーにおける中国の影響力はとても強力で、いまでもそれは続いています。しかし最近、ミャンマーは国際的な孤立から抜け出し、様々なところから風が吹いています。中国だけでなく、日本からも欧米からも風が吹いています。ミャンマーはいまのところ非常に貧しい国です。ミャンマーは当然、東だけでなく、西にも目を向けています。要は選択しなくてはならないのですが、それは非常に困難な選択です。
中国の切り札は、ミャンマーを通ってベンガル湾に抜ける石油ガスパイプラインだ。また最近、中国国務院のメン・チャンチュン氏がミャンマーを訪問したことも重要だ。メン・チャンチュン氏は政府で治安関係を担当しているが、ミャンマーとの間で全面的な関係発展を確認し、今後とも中国を頼りにできることをアピールした。
「空を飛んでいるツルよりも、手の中にあるシジュウカラを与えよ」というロシアのことわざがあるが、ミャンマーにとっても、すでにある中国との関係が、将来的な欧米との協力から得られる利益よりも重要なのかもしれない。
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