http://www.asyura2.com/11/kokusai6/msg/692.html
Tweet |
http://news.livedoor.com/article/detail/6753027/
アメリカの調査機関【ギャラップ社】は2012年7月10日、アメリカにおける各メディアや団体、組織に対する信頼性に関する調査結果を発表した。それによると調査母体においては、新聞に信頼をおいている人は25%でしかないことが分かった。テレビは21%でしかない。両者とも中長期的には信頼性が失われる方向で推移しており、しかも似たような動き方を示している(【発表リリース】)。
今調査(直近)は2012年6月7日から10日にかけて無作為抽出で選択されたアメリカ国内に住む18歳以上の1004人に対し、電話口頭インタビューにて行われている。使用言語は英語とスペイン語。回答結果は国勢調査の値に従いウェイトバックがかけられている。
今調査はほぼ1年に1度行われており、テレビニュースは1993年、新聞は1973年から調査項目に加わっている。新聞はかつて最大で51%もの信頼が寄せられていたが、直近調査結果ではその約半数の25%、テレビニュースは最大46%だったものが最新の値では半分以下の21%しか信頼されていない。
調査結果のデータそのもののぶれやその時々の時節(事件や景気動向、選挙など)で多少の上下変動はあるものの、概して双方とも下落傾向を示している。これは4マスのうち電波メディアの代表格テレビニュースと、紙メディア代表格である新聞、双方の信頼性が失われつつあることを意味している。
また双方とも21世紀初頭から明らかな下落傾向にあるのが分かる。これはインターネットメディアの普及に伴い、従来型メディアによる一方向の情報提供というスタイル以外の選択肢が与えられた結果、(既存メディアによる提供情報の検証機会が与えられ、)信頼性の稀薄化が起きたと考えれば、道理は通る。
やはりイレギュラーな動きはあるが、全般的には両者とも同じ動きを示している。双方とも同じ要因(インターネットなど情報取得ツールの多様化)で下落化が起きていると考えると、納得は行く。また別調査機関で行われた同様の調査でも同様の結果が出ており、双方の裏付けになる。
ちなみに属性別の、両メディアへの信頼の寄せ具合だが、男性より女性、高齢層より若年層、低学歴ほど高い傾向がある。
性別、学歴別は日本も似たようなもので理解はできる。特に高学歴者のテレビニュースへの拒絶感は目を見張るものがある。一方で世代別では若年層ほどテレビニュースや新聞に大きな信頼(とはいえ、それでもテレビニュースで28%、新聞で38%しかない)を寄せているあたり、日本と異なる事情が透けて見える。
このようにテレビニュースや新聞への信頼性が漸減、特に今世紀に入ってから大きく減っているのは、上記で何度か触れたように、インターネットなど新技術による選択肢の増加、そしてそれらによる検証機会の会得が主な原因と考えられる(下がる傾向を見せ始めたタイミングから考えれば、納得できる理由ではある)。
もっとも多メディア化、他メディアによる検証機会が読者・視聴者に得られた結果として、両メディアの信頼性に関連する面での質が下がる因果・相関関係的要因は考えにくい。相対的な観点での信頼性の減退か、あるいは「元々信頼にはさほど値しない質」であったものが暴露されただけなのかもしれない。
★「事実を伝えている」は25%のみ・アメリカでのニュースへの信頼性
http://www.garbagenews.net/archives/1830802.html
アメリカの調査機関【Pew Reserch Center】は2011年9月22日、ニュースメディアとその利用者の動向に関するレポート【Press Widely Criticized, But Trusted More than Other Sources of Information…Views of the News Media: 1985-2011】を発表した。そこには最新、及び中長期的に渡る、アメリカにおけるニュースメディアと利用者の関係、利用者のニュースに対する信頼の変移が多数示されている。今回はその中から、ニュース・発表への全般的な信頼性について取り上げてみることにする。
今調査は2011年7月20日〜24日にかけてアメリカ国内の18歳以上1501人を対象にしたもので、うち916人は固定電話経由・585人は携帯電話経由(そのうち254人は固定電話無し)で音声によって質問が行われている。用いられた言語は英語とスペイン語で、電話をかけた際に在住していたもっとも若い男性か女性に回答を依頼している。また調査の一部は2011年6月23〜26日、7月21日〜24日、8月4日〜7日にも行われているが、999人〜1005人を対象し、ほぼ同様の形式で行われている。さらに各調査では国勢調査など統計上の実態値(性別・年齢階層・人種・地域など)に合わせて、バランス調整による修正が行われている。
ニュース(メディア、報道)に対する信頼性だが、一般論・全般的な印象としては、「事実を誠実に伝えている」と考えている人は1/4に過ぎず、2/3は「しばしば不正確に伝えてしまっている」と答えている。ニュースに対する不信感は世界共通のようだ。
ところがこれが「自分がしばしば使っているニュースソース」となると、6割以上が「事実を伝えている」と答えている。エンターテインメントとして虚実の情報を楽しむのなら話は別だが、事実把握のために利用するのなら、信頼性の高いものを自然に選択するようになる。虚偽報道が多いソースまで目を通すほど、人は暇では無いし、財力に余裕も無い。自然に(少なくとも本人においては)取捨選択した上でのソースを利用しているわけで、「全般的にはあまり信頼できないが、自分が選んで使っているこのニュースなら、それなりに信頼できる」という流れの結果。
中立性という点でも似たような結果が出ている。ニュースを利用する側は、自分がそれなりに適切・妥当な取捨選択をしている自覚があるように見える。
とはいえ、中立性という観点では利用する側が選んだ対象でも「片方に肩入れしがち」という意見の方が多い。これはアメリカの報道機関の場合、政党の支持を明らかにすることが多く、それが「肩入れ」に反映されている。ただしその場合はあらかじめ宣言した上でのものなので、不公平・虚実の報道とは別物であることに注意しなければならない(中立性・公平性をうたいながら、その実特定勢力に大きな肩入れをする、詐欺やペテンのような話ではない)。
ニュースの発信元で見ると、もっとも信頼されているのは「地方(局など地方組織による)ニュース」。逆に信頼性が一番低いのは、選挙立候補者の事務所が発表したステートメント。ほぼ逆する値が出ている。
地方ニュースは発する側・受け取る側双方が密接に関係しており、直接役立つ情報を配することが多い。逆にいえば「役立たない、信頼性の低いニュース媒体はすぐに取捨選択の対象となる」という生存競争・自然淘汰が活発に行われているため、結果として信頼性を高めているともいえる。
公的機関の情報にあまり信頼が寄せられないのは、どこの国も似たような事情によるもの。むしろ興味深いのは、一般企業の発表の信頼性が意外に低い事。自然淘汰されうるという点では企業(の商品)も同じはずだが、それでもなお十分な信頼は得られていない。
「自分が選んだニュースソースは信頼する」。信頼できるものを優先的に選んでいるのだから、当然といえば当然の話だが、時としてニュース全体の視野を狭めることにもなりかねない。特に中立性の観点では(精査にすら値しないものはともあれ)逐次一歩引いた視点で眺めることが求められよう。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。