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2012年7月 2日
[国際事務局発表ニュース]
国・地域:サウジアラビアトピック:変革を求める中東・北アフリカ
長い間、女性が運転することを禁じてきたサウジアラビア。逮捕や刑罰を受ける危険を顧みず、何十人かの女性たちが同国の道路で運転することを始めてから一年が経つ。世界中の人びとが、彼女たちの戦いを激励し続けている。
6月17日、新たな抗議運動が始まった。これをうけ、アムネスティ・インターナショナルはアブドゥラ王に書簡を送り、禁止を解くよう訴えた。
過去一年間にアムネスティのサポーター2万人以上が、サウジアラビアの女性たちを支援する活動を続け、運転の禁止を解くよう訴えてきた。2011年7月から、国際運転免許を持つ女性たちに、同国の道路で運転するよう呼びかけが続けられ、あえて運転した女性たちは逮捕され、厳しい刑罰を受けてきた。
「サウジアラビアは世界中の国々の何百万人のドライバーに燃料を供給する国でありながら、自国の人口の半分が運転することを禁止するというのは、非常に皮肉なことです」とアムネスティの中東・北アフリカ・プログラム部長のフィリップ・ルーサーは語った。
「アブドゥラ王はこれを機会に、男性と同じ特権を女性にも与えるべきであり、女性が単に運転席に座ったからと言って逮捕し刑罰を与えることをきっぱりやめるよう保証しなければなりません」
サウジアラビアで女性が運転する障害を撤廃することは、同王国が女性の日々の生活の中に課している深い差別と、厳しい制限をなくしていく重要な第一歩になるはずだ。結婚する、あるいは旅行する、就職する、高等教育を受けるなどの際、サウジアラビアの女性達は、事前に男性の保護者の許可を得なければならない。
「運転する女性達(Women2Drive)」キャンペーンなどの呼びかけで、去年の6月から、この抗議の運転運動に参加してきたサウジアラビア各地の女性活動家は、他国で得た国際免許を持っている場合のみこれに参加するよう求めれれていた。
逮捕された何人かの女性は、「二度と運転しない」という誓約書に署名することを強制された。数人が裁判にかけられ、そのうちのひとりは9月に鞭打ち10回の刑を宣告され、その後4月にこの刑罰は棄却された。
サウジアラビアの差別的運転禁止に挑戦したのはこれが初めてではない。1990年に、約40人の女性が隊列を組んで首都リヤドの道路を運転して回り、その当時、慣習として禁止されていたことに挑戦した。
しかし、禁止が緩和されるどころか、彼女らの抗議により、同国の宗教的最高権威がファトゥワ(イスラム法に基づく宣告)を出し、女性の運転を禁止した。それ以来、内務省は女性が公道を運転することを公式に禁止した。
男性と同様に運転する権利を女性にも与えることは、サウジアラビアの指導者が主導する最近の改革の流れに一致するものだとアムネスティは考える。2011年9月に、アブドゥラ国王は、2015年には地方選挙で投票する権利を女性に与え、シューラ諮問評議会にも指名されることができる、と表明している。
それ以来、シューラ諮問評議会は女性の運転問題が提起されれば協議すると発表し、禁止を解くことの賛成と反対の報告を提出するよう求めた。
「あまりにも長くに渡って、サウジアラビアは人生の非常に多くの局面で女性を二級市民として扱ってきています。女性の参画と人権尊重を擁護する真剣な国民的議論を通じて、平等を少しでも達成しようとする努力に、政府は報いるべきなのです」とフィリップ・ルーサーは語った。
「世界中で、活動家は客席に座り、サウジアラビアの女性ドライバーたちが勝利に向かって運転する姿を応援しています」
http://www.amnesty.or.jp/news/2012/0702_3228.html
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