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去る日曜日、モスクワ市ドゥーマと市庁舎前に小規模のLGBTグループが集まり、レインボーフラッグと同性愛に対する偏見の撲滅を訴えるプラカードを掲げ、デモンストレーションを行った。
しかし、彼らはただちにモスクワ警察によって拘束され、公共の場での集会を規定した法を犯した容疑で起訴された。拘束された者のほとんどは起訴されることなく、間もなく解放された。
その一方、同じ時刻に市庁舎前にいた同性愛反対グループは、無許可であるものの、1時間以上のデモが許され、LGBTの活動家に身体的攻撃を加えようとした数名を除き、他は誰も拘束されることはなかった。
この一連の騒動を受け、アムネスティ・インターナショナルはモスクワ当局に対し、「LGBTの活動や表現の自由を奪うことは、決して許されるべきではない」と批判した。
「この2つのグループに異なる対応を取ったことで、モスクワ当局が同性愛者に対する差別を認めたということは明らかで、許しがたいことです。集会の自由はすべての人びとに保障されるべきであり、モスクワ警察は性的指向や性自認の違いを理由に権利を侵害することはできません」と、アムネスティのヨーロッパ・中央アジアプログラム事務局長ジョン・ダルハウセンは当局を批判した。
プライドイベントの主催者、ニコライ・アレクセィエフは、レインボーフラッグを手に道に出た途端、警察に拘束された。また、ジャーナリストのエレナ・コスティウチェンコは、レインボーフラッグを広げようとしていた際、何者かによって旗を破られそうになり、その際に手首をひねって痛めた。
そして、「活動は、私たちLGBTの人権を守ることであり、さらなる人びとが我々に賛同してくれています。これらの活動がLGBTの権利を認知すること、そして私たちとの対話の基盤となることだろう」と述べた活動家ユーリ・ガヴリコフは、ジャーナリストとのインタビューの後、小さなレインボーフラッグを掲げようと市庁舎近くの道に一人で立っていた際、拘束された。
欧州人権裁判所は2010年、ロシアが表現や集会の自由の権利を侵し、性的指向に対する差別をしていると批判した。裁判所は、ロシアは過去5年間に渡り、今回の日曜集会のリーダーでもあったニコライ・アレクセィエフの権利を侵害してきたと述べた。
それにもかかわらず、モスクワ市はプライドイベントを妨害し続け、ロシアと国際人権規約を破り続けた。さらにロシア第2の都市であるセント・ピーターズバーグは、「ホモセクシャルや同性間の性交、レズビアンのプロパガンダ」を撲滅するための禁止令を出した。
これを受け、LGBTのグループがセント・ピーターズバーグ市裁判所に法律撤廃を求めたところ、5月25日、この禁止令はロシア国家の法律に沿っているものとし、裁判所は訴えを退けた。
アムネスティのダルハウセン局長は、「セント・ピーターズバーグとその他の都市は、そのような法律を直ちに撤廃するべきであり、そのような法律は同性愛険悪を明らかに助長するものです」と訴えた。
アムネスティ国際配信ニュース
2012年6月11日
http://www.amnesty.or.jp/news/2012/0613_3140.html
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