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写真・左:中村哲さんはアフガニスタンの人々とともに用水路を完成させた。
写真・右:荒れ地を潤すマルワリード用水路。江戸時代の水利技術をもちいて建設された。
写真・左:旧友の解剖学者・養老孟司さんと。
写真・右:江戸文化研究者の第一人者・田中優子さんと。
戦火の続くアフガニスタンの復興を目指し、26年間の長きにわたり支援活動を続けてきた医師・中村哲さん。今年、彼が心血を注いだ全長25キロの用水路が完成した。このマルワリード用水路により潤される大地は3500ヘクタール。干ばつに苦しむ15万人を飢えから救うことができる。「明日の民主主義より今日のパン」。国民が満足に食べられるようになればテロはおのずと無くなるという、中村さんの信念の結晶である。実際、用水路の水により緑がよみがえった地域の治安が安定するなど、その成果が注目されている。国中に水が巡るようになることを構想している中村さん。武力を用いないで平和を回復させようという地道な活動は、アジアのノーベル賞と言われるマグサイサイ賞を受賞するなど、高く評価されている。
しかし中村さんは、いま大きな懸念を抱えている。自分たちがアフガニスタンを去った後に、この用水路を誰がどのように維持するかという問題だ。用水路は適切な維持管理がなされなければ、たちまち壊れ、流れが滞り、無用の長物と化してしまう。 試行錯誤の末、中村さんは、用水路の最下流の荒野にひとつの村を創ることを思い立った。新しい村に、用水路建設に携わったアフガニスタン人を入植させ、子々孫々の代まで水路のメインテナンスをしてもらうという。水路と運命を共にする現地の人々を残しておくことで、資金も期間も有限の外国人による支援の限界を超えようというのだ。
この夏、日本に一時帰国した中村さんは、積極的に各地を訪ね歩いた。アフガニスタンの現状を伝えるため全国で講演を行い、政府が新たに設置した支援対策室にも参加した。そんななか、江戸文化研究の第一人者・田中優子さんと出会い、用水路建設を可能にした江戸時代の水利技術や、共同体を維持する村落の知恵を巡り対話を重ねた。また、ともに昆虫採集が趣味で旧友の解剖学者・養老孟司さんとは、アフガニスタンとの関係を通して見えてくる日本のありようを語り合った。
アフガニスタンでの支援活動の集大成として取り組み始めた“あたらしい村”の建設を追いながら、26年間、平和回復に必要な海外支援とは何かを問い続けた中村さんの思索の旅を伝える。
その他多数の動画
http://www.youtube.com/user/LunaticEclipsAfghan3
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