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◆6月3日
シリアのホウラで結局108人が殺された事件で、欧米社会は、シリア政府をその下手人として非難してきたが、ここにきてシリア政府軍ではなく別の武装組織の仕業らしい、という話になってきた。そしてこんどは、欧米側は政府軍ではないが「親政府のグループ」がやったのだ、と言い出しているようだ。
ところでシリア紛争では、アメリカのクリントン国務長官も、アルカイダ系組織がシリア内で活動していることを知っているのだから、そのような組織の犯行と見る視点があってもよさそうであるがそうは見ない、ないしは見ないふりをしている。2月27日号で、以下のような記事を紹介した。
●アルカイダがシリア反体制派に潜入、生物化学兵器流出に懸念
http://www.cnn.co.jp/world/30005654.html
【2月18日 CNN】
反政府デモの武力弾圧が続くシリア情勢で、クラッパー米国家情報長官は18日までに、イラクのアルカイダ系組織の工作員がシリアの反体制派内に浸透を図っているとし、騒乱がさらに悪化した場合、同国内にある生物化学兵器が流出することに懸念を抱いていると述べた。
それに欧米側が言うように親政府組織がやったと言うならば、なぜその親政府組織が政府軍を襲撃するのか(5月27日号)? 欧米側の言っていることは支離滅裂である。しかもホウラで虐殺された家庭は親政府の家庭ばかりである。事態は明白である。いずれにせよ、欧米側が、大砲や戦車砲の薬きょうを発見したと言って、それだから政府軍の非道な弾圧だと言ったことが、嘘であった、ということが明らかになったことが重要である。このように欧米側のシリアをめぐる謀略では欧米側の嘘が次々と露呈(BBCのイラクの写真流用・至近距離での小火器や刃物による殺害を戦車砲による殺戮としたなど)されてきているのである。
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●欧米のシリアについての話の矛盾が露呈した
http://www.informationclearinghouse.info/article31449.htm
国連はシリアのホウラで殺された108人はシリア軍の大砲や戦車砲によるものではなく、至近距離で殺害されたものと認めた。
【5月29日 By Tony Cartalucci】
APによれば国連は「先週シリアのホウラで殺害された108人の殆どの者たちは、至近距離から撃たれたもので、それらの者たちの中には女性、子供、家族全員が自宅で撃ち殺されているケースがある」と述べた、という。国連はまたシリア軍ではなく武装組織がこの殺戮の下手人であると語った。この国連のレポートでは、「目撃者」の証言として、この武装組織は「シャビハという親政府系のごろつきたち」だと主張しているが、シリア政府はこの武装組織は、外国に支援された武装テロリストたちであると主張している。
これは最初に米、英、仏その他のNATOメンバー国が悪逆非道だとシリア政府を非難しシリアの外交官を追放した根拠とした内容とはっきりとしたコントラストを示している。イギリスのバート外相は、「32人の子供を含む92人を殺害したシリア政府についての信頼できる報告に接して驚いている。国連監視団団長はこの数字と、更に戦車砲が使用されたことをを確認している。これがそうならば、これは全く100%の野蛮そのものであり、我々はこれを最大限強い言葉で非難する者である」と語ったことにも表れている。
バート外相は明らかに「信頼できる」報告に接してはいなかった。今やねつ造された報告内容であることが分かった彼らの初期の非難内容を取り消そうともしていない。反対に欧米側が行ってきたことは、出てくるそれぞれの新しい事実を歪曲することであった。その間シリア政府とロシアはホウラで起きたことを客観的に確かめようと努力していたのである。
この例は自社の初期のレポートと矛盾する内容を掲げたガーディアン紙に見られる。最初、彼らは反政府側に認められ準備された、見るからにオーダーメードの「目撃者」の証言を掲げ、ロシアが安保理に提出した最新の証拠の論駁に使用したのだ。
当時は、ロシアだけが、政府あるいは反政府側の両者のどちらも非難しうるような十分な証拠は存在しないとみており、「非難は客観的になされるべきである」と主張していたのである。「国際法と規定」を通して自分たちの世界的な介入を正当化しようとしている欧米側は、「非難が客観的になされる」まえに、必死になってシリア政府を審理し、有罪にし、処刑しようとしているようである。
■ウォール街とロンドンは戦争と政変のため悲劇を産み出しているのか
BBCは、自分たちが受け取った「殆ど」の話は、やったのはシリア軍ないしは親政府側の民兵である、と目撃者が考えていたことを示唆していた、と認めたが、それはつまり、そう考えない目撃者たちもいたことを示していることになる。
ホウラの流血事件を利用するためのチャンスが狭まるにつれ、欧米側メディアは、意見を変え始め、前言を撤回し、自分たち自身の嘘とプロパガンダに縛られ始めている。BBCは何年も前のイラクの写真をホウラの見出し写真に使用して失敗した。その間にも、新聞やテレビは上がってくる新しい事実と解説内容に整合性を持たせねばならなかった。
シリア軍が「自由シリア軍(FSA)」という武装民兵組織とホウラ付近で戦っていたことは分かっている。シリア軍は要塞化された反乱側の拠点に対して大砲と戦車砲を遠方から撃っていた。このやり取りがしばらく続いた後、武装民兵組織は家屋に侵入しナイフや小火器で住民を殺害しだしたのだ。このFSAと反政府側はこの武装組織は親政府系だと主張しているが、シリア政府はこの武装組織は外国の支援を受けているアルカイダ系テロリストであると主張している。はっきりしたことは、いずれにしても、この殺戮の下手人は、シリア軍ではない、ということである。
グローブ・アンド・メール紙の社説では、反乱側が今回の殺戮事件に関与しているというロシアの見方は、「笑わせる」と言っている。しかしながら、それは事実と違うだけでなく、近代の第四世代の戦争の完全な理解からもかけ離れているものである。ベネズエラからタイに至るまで、欧米側が支援する反乱グループが騒乱を引き起こし、それを利用して政府の要人を狙い撃ちし、次いで政府を非難し、紛争を拡大し、大衆の批判を増大せしめることで、政権の打倒に持っていこうとしてきた歴史がある。・・・(略)
■シリアでの推移
自由シリア軍は定期的に政府軍と戦闘をしてきたが、今は通信機器、武器、資金そして物流面での支援を欧米、湾岸諸国から受けている。2011年「身元不明の武装勢力」が反政府デモの最中に乱射事件を起こしている。彼らは「屋上の狙撃手」と言われシリア軍とデモ隊の両方に発砲していた。
ホウラのケースはこういったもののもっと大がかりなものと思われる。シリア政府が主張するように自由シリア軍でも政府軍でもない武装組織が関与していると思われるのである。これは自由シリア軍、政府軍、住民に誰がこの殺戮事件を犯したのかという戸惑いを抱かせた。
さまざまな指摘されるべきことの中でも、米、英、仏、イスラエル、ムスリム同胞団が根拠もないままシリア政府を非難し、一緒になって軍事介入の必要性を叫んでいるのは、政治的な動機からである。そしてそのことが、この殺戮事件の背後に誰がいるのかを最もはっきりとした証拠になっている。 誰の得になるのか? NATOと中東の代理人国家である。
ホウラでの政府軍と自由シリア軍との長引く戦闘で第三勢力が殺戮事件を作り上げることで、明らかに利益を得た可能性がある。殆ど実証がないのに、シリア政府が非難されるべきとし、制裁措置が当然であると断罪するのは、無責任の極みである。グローブ・アンド・メール紙がロシアのことを「非難は客観的になされるべきである」と言っていることで非難しているが、今のところ、それが最も道理にかなった態度である。欧米側が今不信に思われていることで嘆いても、非難すべきは自分自身であり、また全くこれと同じやり方で暗殺グループを使ってきたその長い歴史である。
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