http://www.asyura2.com/11/kokusai6/msg/633.html
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http://green.ap.teacup.com/pekepon/792.html
■ シリアの虐殺報道の食い違い ■
シリアではアサド政権と反政府軍との戦いが激化しています。
ホウラという街で政府軍によって子供49人を含む108人が
アサド政権を支持する民兵に殺害された報道されています。
これを受け、欧米諸国がシリアの大使館員を追放する事態に発展しています。
「各国が協調してシリア外交官を追放、フーラの虐殺を受け」(APF 2012.05.30)
http://www.afpbb.com/article/politics/2880985/9018884
一方、シリア政府の調査団は、
ホウラの住民の虐殺は当初報道され爆撃によるものでは無く、
至近距離からの射殺である。
これは、反政府勢力に加担しない住人を、
反政府側が虐殺したものであると、調査結果を発表しています。
「シリア虐殺は「軍事介入狙う反体制派の犯行」、政権側が発表」 (ロイター 2012.05.31)
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE85000J20120601
■ アサド政権側の発表は信用されない ■
日本でもNHKや民放がこの虐殺の報道をしている様ですが(TV無いので見ていません)
アサド政権が、政府側による虐殺を否定すれば否定する程、
世界の人々は、アサド政権を疑うという悪循環に陥ります。
これは、イラク戦争の時に、
核開発疑惑を否定したフセイン政権の陥った状況に似ています。
報道は公正を装いながらも何等かのバイアスが掛かります。
報道の受けて側も、普段の洗脳報道により
偏った見方に陥りがちです。
アサド政権が真実を報道したとしても、
それによって世界の情勢に変化をもたらす事は出来ません。
■ ほころびは、BBCの大チョンボから明らかになる ■
ところが、BBCが大チョンボを犯してしまいました。
なんと、シリアの虐殺の写真として、
イラク戦争時の写真を報道してしまったらしいのです。
http://file.rockway.blog.shinobi.jp/BBC-fake-photo-1024x629.jpg
これは海外では大分話題になっている様です。
BBCはアサドを陥れようとして、
華麗にオウンゴールを決めてしまったみたいです。
しかし、世界は「アサドは独裁者で悪者」と思い込んでいますから、
BBCの報道を無視するでしょう。
■ 何故イランやシリアが狙われるのか? ■
では何故、この時期にシリアなのでしょう?
三つの可能性が考えられます。
1) 原油価格維持の為に中東危機が必要
世界経済の先行き不審から原油価格が値下がりしています。
これは、石油利権からすれば面白くありません。
そこで、中東危機を演出して、原油価格のつり上げを図る。
そもそも中東に原油はドルで決済されるので、
大量のドルを入手したサウジアラビアを始めとする産油国は、
そのドルを米国債で運用します。
ドル防衛の為にも、原油価格の暴落は避けなければなりません。
イランもシリアも背後には中露が控えています。
いくら危機を煽っても、実際の危機には発展しないという
保険が掛けられているとも言えます。
中露が拒否権を発動すれば、国連決議という大義が得られません。
2) イスラエル周辺の安定を脅かす事が目的
これは逆説的な見解になりますが、
エジプト、リビア、シリアというイスラエルと敵対する独裁政権は
実は、中東の安定に大きく寄与してきした。
独裁政権はイスラム原理主義勢力のアルカイダなどと敵対していたので、
イスラエルは、ある意味安心していられたのです。
確かにイランやシリアはヒズボラはハマスなどイスラム過激派を支援しています。
しかし、彼らとイスラエルの戦闘がイスラエルの脅威になる事はありません。
彼らはせいぜい、ロケット砲を撃ち込む程度で、
戦車や戦闘機は持っていないのです。
しかしハマスやヒズボラがチョッカイを出す事で、
イスラエル国内は反アラブで結束します。
そして、いつでも10倍返しで、
民間人も含むイスラム過激派をフルボッコにするのは
イスラエルの方です。
話が逸れましたが、リビア、エジプトの民主化?がもたらしたものは
イスラエル周辺の不安定化です。
エジプトの選挙では、イスラム原理主義の台頭が確実です。
リビアは部族毎の対立が激しくなっています。
国民の支持を集める為に、イスラエルにチョッカイを出すという蛮勇に
政権基盤が安定しない暫定政府が走らないとも限りません。
シリアはゴラン高原の一部をイスラエルに占領されています。
国民はイスラエルに反感を抱いていますが、
アサド政権下では、ゴラン高原の情勢は安定していました。
しかし、内戦が勃発してからは、
ゴラン高原国境からパレスチナ人がイスラエル領内に
侵入する事件も起きています。
結局、反イスラエルの独裁政権の崩壊は、
イスラエルに危機になれど、メリットはあまり見当たりません。
イスラエルの政府は表面的には好戦的ですが、
モサドもイラン開戦に消極的な情報を流していますし、
アメリカもイスラエルと心中するつもりは無いようです。
3) 米中対立を煽る
イランもシリアも中露と関係の深い国です。
イランやシリアへの圧力は、中露への圧力とも言えます。
これで戦争でもはじまれば、
中露は旧西側諸国と距離を取るでしょう。
ここらへんはTPPとの問題も絡んで複雑です。
アメリカの考える、環太平洋経済圏に、
中国が含まれるのか、そうでないかは
中東情勢の成り行きにも影響を受けます。
仲たがいするにも尤もらしい理由が必要です。
そして、それはお互いの利権のガチのぶつかり合いよりは、
婉曲的な利権対立の方が好ましいのです。
要は、米VS中露の戦争は必要無いが、
対立が必要な場倍、イランやシリアは丁度良い原因になります。
4) 経済危機から世界の目を逸らす
これは副次的作用かもしれませんが、
中東の緊張がエスカレートすれば、
世界の目が金融危機から中東に移ります。
そろそろ世界経済も第二の崩壊段階に突入しそうです。
TVや新聞はユーロ危機ばかり報道しますが、
本当にヤバイのは、USA・・・。
いずれも、憶測の域を出ないのですが、
将来的にはアメリカは中東から撤退してゆくでしょう。
その前ぶれとしての、現在の中東の危機だと私は解釈しています。
中東の政治情勢は複雑です。
皆さん、報道の裏を色々と邪推しては如何でしょうか?
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