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平和ボケの産物の大友涼介です。
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【核心】「プーチン再登板 どうなる北方領土交渉」2012/03/18(東京新聞)
<引用開始→
ロシア大統領に当選した実力者プーチン首相が再登板する新政権で、日ロ関係は仕切り直しとなる。最大の関心は、袋小路に陥った北方領土交渉の行方だ。とりわけプーチン氏が今月初旬、一部海外メディアとの会見で、日本との交渉再開に意欲を示した発言が波紋を広げている。プーチン氏の真意や北方領土問題の展望について主張が鋭く対立する二人の専門家に聞いた。(聞き手・常盤伸記者)
■共存への機会逃すな
・期待派・・・京都産業大学世界問題研究所長 東郷和彦氏(67)
記者:プーチン発言をどうみるか。
東郷氏:この十年間、日本側は対ロ外交で無為無策で、最近はメドベージェフ大統領の国後島訪問など屈辱的状況に追い込まれても打つ手がなかった。しかしプーチン氏は日本側が全然汗をかかないのに十年前まで時計の針を戻してきた。容認できない点もあるが、それらは、交渉の流れを「森」とすれば、『枝』に過ぎない」
記者:領土交渉は袋小路に陥っている。
東郷氏:ゴルバチョフ時代以来、二十五年間の交渉で、日本側はロシアとの決定的な交渉の機会を三回も逃す敗北を繰り返してきた。プーチン氏は二〇〇一年のイルクーツク合意に戻る意思があり、機会を逃さず、真剣に交渉すべきだ」
記者:なぜ再び日本に接近するのか。
東郷氏:プーチン氏は今後六年間で安定した強いロシアをつくるために日本を使えると思ったからだ。天然ガスの安定的な供給のチャンスがあり、課題である付加価値経済への転換で日本の技術が欲しい。領土問題という刺を抜き、東アジアにおけるロシアの政治的地位を安定させる狙いもある。
記者:交渉の見通しは。
東郷氏:プーチン氏の真意は日ソ共同宣言(一九五六年)で引渡しを明記したし歯舞、色丹の二島プラスアルファだろうが、譲歩の幅は小さくなり、日本はソ連崩壊直後に取れたものも取れない。四島一括は有り得ない。厳しい交渉になるだろう。国後、択捉に関し発想の転換が必要だ。
記者:具体的には。
東郷氏:手掛かりとして共同統治がある。九八年には、中間条約を結び共同統治を定める案がロシアから提案された。急速に島のロシア化が進んでおり、日本人が入り日ロが共存する枠組みをつくる発想だ。
記者:ロシア側はそうした案を受け入れるか。
東郷氏:今となってはわからないが、日本はそれを手掛かりに現時点での最大限をとり、『引き分け』に持ち込むしかない。日本人が入らない島が残れば完敗になる。
■主権問題 じっくり
・慎重派・・・青山学院大学教授 袴田茂樹氏(68)
記者:プーチン発言で注目すべき点は。
袴田氏:最も問題なのは、日ソ共同宣言だけを根拠に歯舞、色丹の二島引渡しで最終決着との従来方針を貫いていることだ。北方四島すべての帰属を交渉し平和条約を結ぶとした東京宣言(一九九三年)を事実上拒否し、国後島、択捉島は交渉の対象外だ、と述べているのに等しい。
記者:一部で期待が高まっている。
袴田氏:甘い見方だ。一見、前向きだが実は強硬論だ。プーチン氏は、日ソ共同宣言では二島引渡しも無条件ではなく、引渡し後の主権の帰属先も明記していないと指摘し、ゼロ回党の可能性まで示唆する。あるロシア外務省高官は、この点に注目しない日本側のナイーブな反応に驚いていた。
記者:自発的に領土問題に言及した理由は。
袴田氏:石油・ガスの輸出で欧米や中国と問題を抱えるロシアが最も関心を持つのは日本との経済協力だ。日本は原発事故で天然ガスの需要が高まり、ロシアにとっては経済多角化のために日本の技術が必要だ。領土問題というニンジンをぶら下げ期待を抱かせて、経済協力のプロジェクトを獲得する狙いがあろう。
記者:二島プラスアルファという見方がある。
袴田氏:『共同宣言』だけを基礎にした発想だ。歯舞・色丹は(北方四島全体の)面積でわずか7%プラスアルファで、国後を加えた三島にもなるわけがない。しかも『アルファ』は島とは限らない。
記者:交渉は袋小路だ。
袴田氏:そもそもプーチン氏が『共同宣言』の有効性を認めたのは、日本の一部から二島決着を容認すると誤解を与えるアプローチがなされたからだ。日本側の四島交渉方針は不変だが、プーチン氏は裏切られたと感じ、今も尾を引いている」
記者:打開策はあるか。
袴田氏:国家主権の問題だけに焦るべきではない。四島の帰属問題でロシアが日本と同じ交渉の土俵に乗ることが大事だ。国後、択捉の交渉に真剣な姿勢を示さなければ、日本人の対ロ感情はもっと悪化すると説得すべきだ。
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*** ロシア首相会見骨子 ***
・日本との領土問題を双方に受け入れ可能な形で最終的に解決したい
・北方四島返還を求める日本の立場は日ソ共同宣言を超えている
・共同宣言に従えば平和条約締結後はいかなる領土要求も残らない
・領土問題では引き分けのような妥協が必要
*** 北方領土交渉の主な経緯(肩書きは当時)***
・1956年10月(日ソ共同宣言)
国交回復。「平和条約締結後に歯舞群島、色丹島を引き渡す」と明記
・1960年1月(対日覚書)
ソ連が歯舞、色丹返還は日本からの外国軍隊撤退が条件と一方的に宣言
・2001年3月(イルクーツク声明)
森喜朗首相訪ロ。プーチン大統領と日ソ共同宣言を「交渉の出発点を設定した基本的な法的文書」と確認
・2003年1月(日ロ行動計画)
小泉純一郎首相が訪ロし署名
・2010年11月
メドベージェフ大統領が北方領土を訪問
←引用終了>
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