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庇護希望者を、無期限に収容所に隔離するオーストラリア政府の政策は、罪もない人びとに心傷を負わせ、彼らの精神衛生に悪影響を与えている。僻地にある収容施設数ヵ所を訪問したアムネスティ・インターナショナルは、このように述べた。
アムネスティは今月、オーストラリア南海岸沿岸にあるクリスマス島や本土の3つの収容施設で、13日間の調査活動を行った。その結果、難民政策には不備があり、人権上の義務が果されていないことが、明らかになった。
「話を聞いた庇護希望者の多くは、この制度で精神衛生を害しています。オーストラリア政府は、早急にこの政策を変えなくてはなりません。これは、法律上の問題であることはもちろんですが、道義上の問題でもあるのです」と、アムネスティ難民担当スポークスマンのグラハム・トム博士は述べた。
「私たちが訪問したすべての施設で、長引く収容や先が見えない状況の中、罪のない人びとの心が傷つけられていることは明白でした。彼らは今も、塀の中で解放される日を待ち続けているのです」
クリスマス島や、本土北部の新設ウイックマン・ポイント収容所を含む収容施設のいくつかは、まるで刑務所のようである。難民を収容し、庇護する施設としての姿は、そこにはない。クリスマス島の収容所には厳重な警備のもと、犯罪とは無縁の人びと数百名が収容されているが、その環境はとくに劣悪だ。
クリスマス島とオーストラリア北西部にあるカーティン収容所の過酷で孤立した環境により、治療などの基本的な対応や、支援団体への連絡や接触が困難となっている。
「物理的な環境改善の取り組みは見られるものの、私たちは長期の収容で精神的に追い詰められ、苦しめられています」と、庇護希望者は繰り返しアムネスティに訴えた。
「収容後わずか数ヵ月の男性が話す母国でのトラウマ経験と、収容3年の男性がその期間に受けたトラウマとの間には、大きな違いが見られました」と、グラハム・トムは語った。
すべての施設で睡眠薬の使用が蔓延しており、日々をやり過ごすために多くが薬に頼っているという。
一人のイタリア人男性は、次のように語った。「この国に来た時、いたって健康でした。しかし今、病に悩まされ、睡眠薬を飲んでいて、健康を損なっています」
アムネスティはオーストラリア政府に対し、僻地の収容施設を直ちに閉鎖し、収容の上限を30日に定め、最初の健診とセキュリティーチェック後は、すぐに「コミュニティ」において手続きを行うように要請している。
政府は、長期収容者、家族連れ、親がいない子どもらのコミュニティでの手続きを優先的に進めるべきだ。
※オーストラリアでは、正規の滞在資格を持たない人びとを対象として、収容よりも拘束の少ない状況で手続きを進める、コミュニティ・ディテンション(community detention)を2005年に導入した。保護者のいない子どもをはじめとする、とくに脆弱な人びとを対象として運用されている。
アムネスティ発表国際ニュース
2012年2月21日
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=1055
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