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日本こそ拉致の共犯者だ! 元航空自衛隊空将・佐藤 守×『月刊日本』論説委員・山浦嘉久 (月刊日本)
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投稿者 大塩 日時 2012 年 2 月 26 日 16:21:21: .cSQld2Pk8LuA
 

日本こそ拉致の共犯者だ!(続・金正日は日本人だった!) 
元航空自衛隊空将・佐藤 守×『月刊日本』論説委員・山浦嘉久
http://gekkan-nippon.com/?p=3295
『月刊日本』2010年1月号


四方の海 みなはらから
―― 佐藤・山浦両氏の北朝鮮に対するアプローチ方法は、まず相手の論理を理解するというところから始まっている。インテリジェンス(intelligence)とはinter(間)+ legere(読む、集める)であり、「集め、読んだ情報の間を読みとく」という語源どおりのインテリジェンスと言える。
【佐藤】 軍事の基本は、相手が何を考えているかを知ること、つまり「敵を知り己を知ること」だ。自分が敵の司令官だったらどうするか、その立場に身を置いて考えることだ。碁でも将棋でも、上級者は相手の立場から戦局を眺めることができるのだが、それと同じことだ。
 したがって、北朝鮮問題を考える上での大事な視点は、わが国の国益と同時に、相手からわが国がどのように見えているかということだ。丁度、2010年は韓国併合から100年だが、この100年は朝鮮半島にとってどのような100年だったか。最初の36年は日本領だったのであり、残りの64年間、特に北朝鮮は日本から見捨てられたも同然の状態だった。いわば、64年間時間が止まっている状態なのだ。もちろん我々には我々の言い分もあるのだが、彼らがそのような認識をしているという視点を欠いて感情的な言葉の応酬をしていては、戦略以前の問題だ。
【山浦】 北朝鮮が大日本帝国を継承した国家、いわば日本が生み出した国であり、生みの母が子供を捨ててしまったようなものだと前回指摘した。その意味で、北朝鮮の日本へのまなざしは愛憎入り混じっている。捨てた母への怒りと恋慕というアンビバレントな感情が渦巻いているといえる。そこを理解してはじめて、国家戦略は生まれるのだ。
 北朝鮮の内在的論理を理解するということは、北朝鮮におもねるという意味ではまったくない。拉致問題やミサイル問題で感情的になるあまり、相手を理解するということを拒否しては、結局国益を誤ることになる。
 日本と朝鮮半島のこの100年の歴史を振り返ったとき、本誌読者は驚くかもしれないが、日本は北朝鮮に謝罪しなければならないのだ。それは、左翼が言うように「侵略・支配してごめんなさい」という意味ではなく、36年間、ともに戦ってくれたのに、64年間も放置してしまって申し訳ない、という、子供を捨ててしまった親としての謝罪なのだ。
 この「謝罪と補償」という言葉は、すっかり左翼の専売特許になり、同時に左翼活動家の飯のタネと化してしまっていたのだが、右翼民族派がこの言葉を左翼から取り返す必要がある。もっとも、便宜的に右翼左翼という言葉を使ったが、冷戦後の世界において、こうした区分けは無意味だ。日本の置かれた地政学的制約から、北朝鮮がいかに大事であるかを考えれば、北朝鮮と対立することは不利益しか生み出さないことは明らかだ。
 利益不利益だけで物事を考えるのは性に合わないので私流に言い直すと、「四方の海 みな同胞」ということだ。
【佐藤】 なにゆえに大日本帝国が朝鮮半島、そして満州に進出したかという歴史を考えればよい。あるいは、こう問うてもよい、「なにゆえに大日本帝国は金策という残置諜者を半島に残したのか」と。
 国家には領土、領海、領空という実効支配する領域のほかに、戦略限界線というものがある。自国の領域でなくとも、その安全安定が自国の存亡にかかわるがゆえに、責任を負うべき地域というものがあるのだ。たとえば、基本的なエネルギー源を石油に依存しているわが国にとって、石油の輸送ルートの安全は死活的に重要だ。ほとんどの石油は中東からインド洋を経て日本に至る。この石油海上輸送ルート、すなわちシーレーンが日本にとっての戦略的生命線であり戦略限界線ということだ。このシーレーン上にはホルムズ海峡、マラッカ海峡、台湾海峡というチョークポイントがあり、もちろんこれらは日本の領土ではないのだが、日本はこの地域の安全を確保する必要がある。
 では、わが国にとって大陸の戦略限界線はどこにあるのか。それは鴨緑江だ。鴨緑江までの安全安定が確保されなければ、日本は中国やロシアという大国と直接国境を接するという脅威を抱え込むことになる。それが日本の地政学的宿命だ。これを避けるために、いわば緩衝地帯として朝鮮半島が独立国家として存在していてもらう必要があった。金策が半島に残された理由はまさにここにある。昭和二十年八月十五日に終戦の詔勅が出され、日本人全員が項垂れていたとき、帝国陸軍は将来を見据え、やがてソ連の赤化革命勢力が日本に入り込むのを阻止すべく金策を置き、赤化防止の砦とせんとした。
―― 現代の日本には、そのような戦略的視点が欠けている。
【佐藤】 日本だけが欠けていて、対馬海峡さえ守ればいいとのんきに構えている。アメリカが世界の警察よろしく世界のあちこちに出かけていくのは、彼らは全地球レベルで戦略限界線をあちこちに引いているからだ。FBS(前進基地システム)つまり基地を戦略限界線まで進出させるという戦略、まさに、地政学の生みの親・マハンの発想通りに今でも動いているのだ。
【山浦】 戦略というのは、軍略と政略からなる。軍事なき政治はない。今は、「戦略」という言葉があまりにも安易に使われすぎている。政府与党は「国家戦略局」などという看板を掲げているが、戦略についてイロハのイの段階から認識が間違っているのだ。
 今佐藤さんよりご指摘のあったように、鴨緑江はわが国の戦略限界線、言い換えれば安全保障に必要な圏域だ。これが軍略的重要性であり、さらに政略的な面から言えば、北朝鮮というのは世界でもほとんど唯一、マネー経済に汚染されていない、そのためリーマン・ショックの影響を受けなかった国だ。地下資源は豊富であり、未だ開発されざるその国土は、世界の需要を喚起する可能性を秘めている。つまり、北朝鮮の国土開発に参入することで経済は劇的に向上しうる。
 だが、こうした実利的視点よりもさらに重大な点がある。それは、日本の持つ文明力を、日本が取り戻すということだ。
 世界政治を読み解くには、軍事、経済という数値化可能な切り口のほかに、文明力という数値では計り知れない切り口が不可欠だ。たとえばEUの動静を考えるときに、彼らの意識下に大ローマ帝国という文明意識が潜んでいることを無視しては、正しい分析はできない。彼らは「第三帝国」で大失敗をしているから「第四帝国」とは呼称しないだろうが、ローマ帝国の復活という視点でしか理解できないことは極めて多い。また、イスラエルの発想を理解するためには、彼らの選民意識、すなわち、唯一の神から選ばれた民族であるという文明意識を熟知する必要がある。
 文明という観点から軍事、経済、政治をも読み解くアプローチを私は文明地政学と呼んでいるが、今、世界の文明地政学的位相はユダヤ一神教(天啓宗教)的文明と八百万の神の国である日本文明(稲作文明)との相克状態にある。だが、肝心の日本が自らの文明を喪失している状態では、一方的にユダヤ一神教勢力に飲み込まれるだけだ。そしてユダヤ一神教文明も内部矛盾が噴出した結果、世界ハルマゲドン位相へと暴走しようとしており、日本もその道連れにされかねない。
 だから、今こそ我々日本人が、日本の文明とは何かに立ち戻る必要があるのだ。そのために、我々の先人たちは北朝鮮という国を残しておいてくれたのであり、このような僥倖がある事こそが日本の文明力というものだ。


日本こそ拉致の共犯者だ
―― とはいえ、対北外交で最大の難題は拉致問題だ。
【山浦】 佐藤さんは前回、金正日が「部下が英雄主義、妄動主義に走った」と釈明したことを、確かに本当に金正日が拉致を知らなかった可能性があると指摘された。もちろんその可能性はある。だが、私はもう一つの可能性を考えている。
 拉致問題を考える上では、常に二つの「なぜ」を考えなければならない。「なぜ、拉致を行ったのか」、「なぜ、小泉訪朝時に金正日は拉致を認めたのか」という二つの問いだ。
 前者の質問については、本誌で何度か書いているので、今回は後者から推論を進めてみよう。小泉訪朝時に五人の被害者が帰国したが、ここでの驚きは、拉致被害者リストにはなかった曽我ひとみさんが帰国したことだった。ここで問いをこう言い直す事もできる、「なぜ被害者リストになかった曽我ひとみさんをわざわざ公にして、帰国させたのか」。
 ご承知の通り、曽我ひとみさんの夫はアメリカ人のジェンキンス氏だ。ここにヒントがある。2000年ごろまで、米朝は急速に接近し、オルブライト国務長官も訪朝し、米朝国交正常化も間近と観測されていた。ところが9・11事件で急転直下、北朝鮮は「悪の枢軸」の一員とされ、それまでの交渉がすべてご破算になった。この米朝関係を背景に金正日が拉致を認めたこと、ジェンキンス氏を曽我さんと共に日本に返したことを考えて見ると、これは日本というよりもアメリカ向けのメッセージであったと考えることができるのだ。
 ここでもうひとつ、拉致という国家主権の侵害に対して、なぜ日本政府は長らく問題自体の存在を認めてこなかったのかという問いをたてよう。これは、優秀な警察機構、公安機構を有する日本国内において、なぜこれほど多量の拉致が発生しえたのか、と言い換えてもよい。
 もっとも納得のいく説明は、日本国家よりも強大な権力が、拉致を放置させた、というものになろう。拉致が最も多発したのは昭和40年代だが、これはベトナム戦争の頃だ。前回佐藤さんが指摘されたとおり、ベトナム戦争とは、大東亜戦争の延長上にある戦いだ。そして、ベトナム戦争でアメリカ兵を最も苦しめたのは、義勇兵として戦っていた北朝鮮兵士だとされる。
 太平洋戦争の傷跡未だ癒えぬ昭和40年代に大日本帝国の残像を、ベトナム、そして北朝鮮に見出したアメリカが、日本文明的なものを抹殺する必要を考えたと想像するのは難しくはない。その後の政治現象をたどると、拉致問題とは、北朝鮮と日本との間に楔を打ち込むために行われたものではなかったのかとの疑いが強まる。では、なぜ北朝鮮は拉致などという愚かなことをしたのか。
 2007年、ベルリンで米朝会談が行われていた頃、ドイツのフランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング紙が北朝鮮が偽造しているとされる「スーパー・ダラー」は、実は印刷機材から紙まで、すべてアメリカ製の本物で作られている、と報じた。同紙によると、異なるのはインクだけであり、インクも本物と同じものを使って作られたのが「ウルトラ・ダラー」だというのだ。
 仮にこれが事実であり、ドル印刷機材を北はアメリカから提供されていたとすると、それは何の見返りだったのか。
 たしかに、こうして浮かび上がってくる大きな絵は、推論に推論を重ねたものであり、確証や物的証拠などは存在しない。だが、「なぜ」という問いを突き詰めたとき、この問いへの最良の解は、以上のようなものにならざるを得ないのだ。
【佐藤】 国家レベルでの拉致の隠匿という指摘には、思い当たることもある。新潟に出入りしている万景峰だが、かつて港で出入国管理をしていた関係者から聞いた話だ。内偵で明らかに違法物資や現ナマをダンボールに積んで船に積み下ろしをしているのだが、実際にはなかなか取り締まりに踏み切ることができない。組織が上から止めてしまうというのだ。そして取締りの任に当たる幹部には高級ブランデーなどが届けられ、現場の人間たちは怒りに打ち震えていたということだ。そのダンボールに人間を積み込んだこともありうるのだ。
 拉致は国家的犯罪と言うが、それは北朝鮮のみならず、日本もそれを黙認した以上、共犯者ということになる。(以下略)


*本稿は編集部の許可を得て投稿しています。    

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コメント
 
01. 2012年2月26日 20:51:32 : 820rdLuvVo
ここに書いてある事は一見荒唐無稽に見えるだろうが
実は一端の真実でもある
確かにこう言う流れは昔あった
ただ、歴史の流れというのは一本の流れで全て説明出来る訳ではない
実際には数十本数百本の異なった流れがあり
それらが複雑に絡み合って実際の歴史を創った
だから歴史の流れを出来るだけ正確に理解しようと思うなら
一つの流れだけを見ないで
可能な限り多くの流れを研究して
それらが如何に絡み合って一つの歴史に成ったのかを
見極めなければいけない

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