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米国では集団窃盗『フラッシュ・ロブ』がミーム(流行)化し、問題になっている。地元警察は、監視カメラの映像をニュースメディアに公表するという方法で対処しているが、動画をオンラインで公開する限り、ミーム化は防げないはずだ。
米国では現在、「フラッシュ・モブ」型の略奪「フラッシュ・ロブ」(flash rob[=盗む])が問題になっている。[フラッシュ・モブ(flash mob)とは、インターネットを介して不特定多数の人間が公共の場に集合し、目的を達成するとすぐ解散するイベント。2003年にニューヨークで初めて行われた(日本語版記事)後、世界的な流行になった。2004年には32カ国の76都市で『グローバル・フラッシュ・モブ』も行われた(日本語版記事)]
フラッシュ・ロブの流行は、今年4月にワシントンDCで始まった。デュポンサークルにある高級ジーンズ店に20人近くがなだれ込み、店にあった20,000ドル相当の商品をあっという間に持ち去ったのだ。
それ以降、この犯罪は各地に広まり、ダラス、ラスベガス、オタワ、ペンシルベニア州アッパーダービーなどで同様の事件が報告されている。ただし、窃盗対象は少し格下げされ、ほとんどの窃盗行為がコンビニで起きている。
最近では、メリーランド州シルバースプリングにあるセブンイレブンで11月19日(米国時間)の夜に発生した。若者たちが店になだれ込み、商品を勝手につかんで、次々に再び店を出て行ったのだ(冒頭の動画)。
驚くことに、全米小売業協会が8月に行った調査では、対象となった企業の実に10%がフラッシュ・モブ型の窃盗行為に遭ったと報告している。
これらの犯罪の多くで犯人は捕まっておらず、若者たちの身元や、どのようにして集まったのかなどの真相はあまり分かっていない。アッパーダービーでは、ショッピングモールで40人ほどのティーンエイジャーが『シアーズ』を襲った後、警察が15人の逮捕に成功した。警察によると、犯行は「当日にソーシャル・ネットワーキング・サイトで」計画されたと供述しているという。
一方、メリーランド州ジャーマンタウンでは、現地にあるセブンイレブンを襲った同規模のフラッシュ・ロブについて、警察は、地元で開かれるカウンティ・フェア(地元のお祭り)で集まったときに計画が立てられたと結論付けている。
これらの窃盗行為のほとんどにアフリカ系米国人のティーンエイジャーが含まれていることから、保守的な人々の中には、アフリカ系による反乱の脅威を表すものと見る意見もある。8月には『Christian Science Monitor』が、右派の人々が抱く恐怖に関する記事で、「Flash Robs’: Are They The Race Riots of the Internet Age?」(フラッシュ・ロブ:ネット時代の人種暴動か?)と問いかけている。
また、個的な社会病理というより、全体的な社会的機能不全を示すものだという意見もある。
しかし、都市の犯罪が全体的に増加しているわけではない。都市の犯罪は実際には、(経済状況が悪化しているにもかかわらず)低下し続けている。
フィラデルフィアでは今年の夏に暴力的なフラッシュ・ロブも発生した[若者の夜間外出禁止令も発令されたと報告されている]が、こうした一部の行為を除いて、フラッシュ・ロブのほとんどは非暴力的なものだ。若者たちは店員から現金を力ずくで奪おうとするよりも、数ドルの商品を店の棚からつかみとる方を好んでいる。
彼らは犯罪というより「ミーム(流行)」に参加しているのだ。友達から聞いたり、『YouTube』で動画を見たりして、自分も参加するチャンスを狙ってきたのだろう。実際、こうしたフラッシュ・ロブの動画では、店に入ってくる若者たちが非常にうれしそうに見えるのが印象的だ。オタワで撮影された以下の動画で、若者たちが店舗から走り出るときの様子を見てほしい。
以下のラスベガスの動画でも、店に入って来るときのうれしそうな顔を見ることができる。
こうしたことは、警察の捜査方針が不適切ではないかと思わせるものだ。地元警察は、監視カメラの映像をニュースメディアに公表するという方法で対処している。市民によって犯人の身元が明らかになる可能性を期待してのことだ。だが、動画は(例えば警察と地元の学校職員などだけに)非公開で回覧し、ニュースメディアには出さない方が賢明ではないだろうか。動画をオンラインで公開する限り、ミーム化は防げないはずだ。
TEXT BY Bill Wasik
TRANSLATION BY ガリレオ -平井眞弓
http://wired.jp/2011/12/01/米国で広まる集団窃盗『フラッシュ・ロブ』/
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