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【モスクワ大前仁】ロシアのプーチン前政権の強権体制を批判した女性記者アンナ・ポリトコフスカヤさん(当時48歳)が殺された事件が、7日で発生から5年を迎えた。連邦捜査委員会は7日、何者かに依頼され殺害を計画したとされるチェチェン人の男、ロム・アリ・ガイトゥカエフ容疑者をはじめ実行犯など計6人を近く起訴する方針を発表したが、殺害目的は依然として不明のまま。事件の真相は闇に葬られるとの悲観論も広がっている。
ポリトコフスカヤさんは、政府に批判的な論調で知られるノーバヤ・ガゼータ紙のベテラン記者だった。06年10月、モスクワ市内で頭部などを撃たれて死亡。捜査委員会は現場の見張り役などをしたとして男4人を殺人ほう助容疑で逮捕。09年2月、地区裁判所は全員に無罪を言い渡したが、最高裁は同じ年の6月、一転して審理の差し戻しを命じた。
捜査委員会は捜査を再開し、旧ソ連のモルドバで別件で逮捕されていたガイトゥカエフ容疑者が、何者かに依頼され犯行を計画した可能性を追及。今年5月、まずガイトゥカエフ容疑者から殺害を依頼されたと見られる実行犯のチェチェン人の男を逮捕。8月には、見張り役などを現場で取りまとめた疑いで事件当時現役のモスクワ警察幹部も逮捕した。さらに9月末、モルドバからガイトゥカエフ容疑者を移送。この3人に加え、地区裁判所で無罪となった4人のうち3人が見張り役などで殺害に関与したと認定した。
ガイトゥカエフ容疑者は06年7月ごろ、何者かから報酬と引き換えに殺害の依頼を受けたとされるが、黒幕は判明していない。
ロシアの人権団体「メモリアル」のオルロフ理事長は「このまま殺害を依頼した者が特定されない恐れもある」と指摘。ポリトコフスカヤさんが政府の諜報(ちょうほう)活動などを批判し、多くの「敵」がいたことも、事件解明を困難にしているという。
また、来年5月にはプーチン首相の大統領復帰が確実視されており、ノーバヤ・ガゼータ紙の幹部は、捜査がこれ以上進まなくなる可能性を指摘した。
ソ連崩壊後のロシアでは報道関係者への「暴力」が後を絶たず、米民間団体「ジャーナリスト保護委員会」の調べによると、00年から昨年まで、少なくとも22人の報道関係者が殺害された。
http://mainichi.jp/select/world/news/20111008k0000e030054000c.html
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