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米国ジョージア州当局は21日、死刑囚トロイ・デイビスを処刑した。アムネスティ・インターナショナルはこれを非難する。
1991年に死刑判決を受けた死刑囚トロイ・デイビス(42)は21日、彼の有罪判決が非常に疑わしいものであるにもかかわらず、ジャクソンにあるジョージア州立刑務所で、薬物注射により処刑された。
同日、イラン当局は、著名なアスリートを殺害した罪で、17歳の少年を処刑した。国際法は、未成年者の処刑を禁じている。また中国当局は、麻薬を密輸したとして、パキスタン国籍の人物を処刑した。麻薬の密輸は、国際法上の「きわめて重大な罪」にはあたらない。
「世界の人権にとって、暗澹たる日となりました。これらの国々は、死刑囚を死刑に処すことにより、死刑廃止へと向かう世界的な風潮から遠ざかりつつあります」と、アムネスティ米州部副部長のグアダルーぺ・マレンゴは述べた。
「死刑制度を存置する国々はしばしば、『自国における死刑の適用は国際人権法にかなったものである』と主張し、自らの立場を擁護してきました。しかし、昨日の彼らの行いは、彼らの主張と明らかに矛盾しています」
アムネスティの活動家はこれまで、死刑制度に反対する大規模なキャンペーンを行ってきた。ここ数日では、トロイ・デイビスの減刑を求める100万筆近い署名を集め、ジョージア州当局に届けた。また、世界300ヵ所余りで抗議集会を開催した。
トロイ・デイビスは、ジョージア州サバナで警察官マーク・アレン・マクフェイルを殺害した容疑で、1991年に死刑判決を受けた。トロイ・デイビスの事件は、おもに目撃者の証言に基づいている
1991年の彼の裁判以降、9人の重要な目撃証人のうち7人が、その証言を撤回するか、変更している。警察の圧力があったとの申し立てもある。
アリレザ・モッラ・ソルターニは21日の朝、イランの町キャラジにて、群集の前で首吊りにより処刑された。彼は未成年だった。
彼は8月、著名なアスリートであるルホッラ・ダダシ(Ruhollah Dadashi)を6月17日に、口論の末に殺害したとして、死刑判決を受けた。地元メディアによると、17歳である彼は、暗がりの中でダダシに襲われてパニックになり、自らの身を守るためにダダシを刺したという。
ザヒード・フセイン・シャー(Zahid Husain Shah)は21日、中国で薬物注射により処刑された。彼は2008年、麻薬の密輸で逮捕された。
同日、テキサス州のハンツヴィルで、ローレンス・ブリュワーが処刑された。彼は、1998年にジェームズ・バード・ジュニアを殺害したとして、死刑判決を受けていた。
アムネスティは、例外なくあらゆるケースにおいて、死刑に反対している。
「死刑は、暴力の文化のしるしです。決して解決にはなりません」とアムネスティのグアダルーぺ・マレンゴは述べた。
「本日行われた、この痛ましい死刑執行は、アムネスティのメンバーやその他の活動家たちの、死刑制度と闘う気持ちを、いっそう強くすることでしょう」
米国、中国、イランに加え、アムネスティはベラルーシにおける死刑制度の撤廃に、重点的に取り組んでいる。
アムネスティは、ベラルーシに拠点を置く人権NGO『Viasna,』と協力し、死刑を停止するとともに、すべての死刑囚を減刑することを、同国の大統領アレクサンドル・ルカシェンコに呼びかけている。
同国が1991年に独立して以来、実に400人もの人びとが死刑に処されてきたとみられている。
ベラルーシ当局は、死刑を1年間停止した後、2010年に2人の男性を処刑し、3人に死刑判決を下した。また正式に確認されてはいないものの、2011年6月14〜19日の間に、さらに2人が処刑されたようだ。
ベラルーシは、欧州および旧ソ連諸国の中で、最後の死刑存置国であり、死刑を行い続けている唯一の国でもある。
「米国、中国、イラン、そしてベラルーシは、今こそ認識すべきです。彼らがどれだけ世界から孤立しているか、ということを」
▼関連ニュースリリース
米国 : 死刑囚トロイ・デイビスの恩赦が却下される
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=1002
米国 : トロイ・デイビスの処刑が迫っている
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=1001
▼関連アクション
ジョージア州はトロイ・デイビスを殺害した
http://www.amnesty.or.jp/modules/wfsection/article.php?articleid=4205
アムネスティ発表国際ニュース
2011年9月21日
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=1003
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