http://www.asyura2.com/11/kanri20/msg/767.html
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管理人さんへ 街カフェTVの藤島です。
私が阿修羅投稿規定に違反したと言うことで政治板への投稿を禁じられ、最近は全ての投稿を自粛していますが。阿修羅政治板読者に知らせたいことが沢山あります。もうそろそろ投稿制限解除をお願いしたいのですが、下のような記事なら、政治板への投稿が可能でしょうか?お答え下さい。
なお、今後の投稿には、クリック誘導やカンパ要請違反になる部分は削除して、阿修羅のルールを遵守して投稿します。
よろしく、ご判断下さい。
なお、管理人さん以外の方の誹謗・中傷コメントはご遠慮下さい。
*** 本文 ***
民自公野合3党合意に基づく実質大連立政権/ACTAウィキリークス公電 〜 CNM市民ネットメディアグループ・藤島利久
http://kochi53.blog.ocn.ne.jp/blog/2012/08/post_c932.html
近いうちに解散
中長期的には原発0
ACTA=偽造品の取引の防止に関する協定
(模倣品・海賊版拡散防止条約)
民自公野合3党合意に基づく実質大連立政権によって国民を欺く政治が横行している。表面に羊の皮を被せて中身に狂犬病に犯された猛犬を隠すような方策を取る。。。まるで、CIAか米軍諜報機関に指導を受けているような冷徹で計算し尽くされた「手続き」で物事を思惑どおりに運ぶ。
曰く、『近いうちに解散する。』『中長期的には原発0が望ましい。』。。。ACTA(模造品・海賊版拡散防止条約)正式名「偽造品の取引の防止に関する協定」に至っては条文に秘められた思惑を一切隠している。
その特徴は、意図して国民に具体的内容が解り辛い言葉を選び、マスコミを使って耳触りの良い表現で拡散することだ。外国との条約提携に際しては、殆んどアメリカ政府の言いなり。。。これらは官僚手法そのものであり、今の日本は正に官僚支配体制の完成形だと言える。
野田総理は「決断する政治」を標榜するが、その実質は、官僚の言いなり、アメリカ政府・米軍の言いなりになることを好む、既存体制を維持するという「楽な方を選ぶ政治」なのだ。
この指摘は、小沢一郎党首(国民の生活が第一)が常々言い続けて来たことでもある。
権力支配社会の存命を願い、官僚達に洗脳されて死人のように脳機能を停止させ、奴隷の如くアメリカ政府・米軍に従う「民自公野合3党=実質的大連立政権」で国民不在の政治が繰り返されている。
何とも嘆かわしい有様で67回目の終戦記念日を迎える事になった。
日々坦々さん(飛鳥麻憲氏)が言うように、日本が無条件降伏して占領された事実と向き合わず、戦争が終わった記念日として曖昧に「終戦」を捉えて来たことは、今日の無残な日本政治を育て上げた大きな要因と言えるだろう。
日々坦々【8月15日を「終戦記念日」として誤魔化し「無条件降伏」という厳しい現実から目をそらしてきた日本と直視したドイツの大きな違い】
日本の戦後政治はアメリカ支配で始まった。その終わりは来ていない。今日我々日本国民は、「戦後アメリカ支配政治」の完成形を見せつけられていると言える。
日本は終戦と同時にアメリカと闘う事を終え、アメリカに従うことを余儀なくされたのだ。その支配は終わっていない。。。当然と言えば当然のことであるにも拘わらず、多くの日本人が「見せかけの自主独立」を疑っていないことは、マスコミによる洗脳効果であり、重大な問題である。
日本人が完全に自立した思考を持たない限り、アメリカ政府と、その手先になった官僚社会、産業界、マスコミによる支配と搾取からは逃れられない。
本来、日本は、もっと、はるかに豊かで幸せに暮らす事が出来る国である。
その真の姿を追い求めたい。。。
*********
以下、「無名の一知財政策ウォッチャーの独言」というサイトにACTAに関して貴重な提言と資料があったので抜粋します。。。ご参照下さい。
要するに、このサイトの主は、
欧州議会は主として、@ACTAの交渉が極めて不透明に行われ広く国民的な議論が全くなされて来なかったことA結果として、ACTAの条文が曖昧となっており、表現の自由やプライバシー、個人情報保護の権利などを害するような各国法制をもたらす危険があることB特に、非商業的規模の個人による著作権侵害に対する刑事訴追や、ISPなどによる通信の監視・ISPの著作権警察化をもたらす危険性が高いこと。。。これらを問題としてACTAを否決しています。
欧州議会の否決を受けてACTAは世界的には実質死んだに等しく、日本が今急いでACTAを批准する意味は何もありません。
。。。 ということを述べられています。
http://fr-toen.cocolog-nifty.com/blog/2012/08/post-1f17.html
また、同サイトには、ACTAに関連するウィキリークスの公電も公開されていたので添付する。
【第251回:ウィキリークスで公開された模倣品・海賊版拡散防止条約(ACTA)関連アメリカ公電】
http://fr-toen.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/post-71b0.html
ウィキリークスの一連のアメリカ公電リークで海賊版対策条約(ACTA)関連のものが公開されないかと思っていたが、最近ようやく少し関連するものが出て来た(laquadrature.netの記事、ars technicaの記事、「ウィキリークス・ウォッチ・ジャパン」のブログ記事、「電子書籍、ヴォーカロイド、そしてコンピュータ将棋」のブログ記事参照)。今回は、ACTAの検討経緯を知る上で第一級資料と言って良い、その関連公電の内容を一通り紹介したいと思う。
他の点についても言いたいことがない訳ではないが、主に知財関連の公電(大体KIPRというタグが付けられているようである)から、海賊版対策条約(ACTA)に関する記述のある10通の公電の関連部分を、以下に時系列順に訳出する。(いつも通り翻訳は拙訳。赤字強調は全て私が付けたもの。より正確には直接リンク先の原文を当たってみることをお勧めする。)
海賊版対策条約(ACTA)に関する記述のある10通の公電の関連部分を、以下に時系列順に訳出する。(いつも通り翻訳は拙訳。赤字強調は全て私が付けたもの。より正確には直接リンク先の原文を当たってみることをお勧めする。)
(1)2006年6月28日の東京発公電:
主題:日本は海賊版対策条約(ACTA)の提案を支持
1.要約:似た考えを持つ選ばれた国々の間で高水準のスタンダードの海賊版対策条約を模索することにより、模倣品と海賊版の拡散を抑止する世界的枠組みを推進するという日本の目指す目標に対するアメリカ通商代表部の修正提案を、日本の外務官僚は、異論なく支持すると表明。日本側は、アメリカがこの条約に正確には何を入れようとし、どのようなスタンダードをアメリカが必須と考えているのかについてより学びたいという。
(背景)
2.スタンフォード・マッコイ米通商代表部知財執行主席交渉官が、6月13・14日に、日本外務省と経産省と知財本部の官僚と会談。他の国々が参加したがるような、知財執行の「ゴールド・スタンダード」を似た考えを持つ少数の国の間で確立することを目的としている、この多国間のTRIPSプラスのACTAに関するアメリカ通商代表部のコンセプトについて、両会談でマッコイが説明。これは、そこでは高水準のスタンダードを確立することが難しいだろうG8やOECDのような国際グループとは何ら関係のない、独立の条約であるべきとマッコイは強調。マッコイは、最近交渉した自由貿易協定(FTA)の一部としてなど(執行に関する要素を別としても)高水準のスタンダードの知的財産権に関する協定の交渉の経験をアメリカは多く有していると指摘。この条約の考えられるパートナーは、オーストラリア、シンガポール、韓国、ニュージーランド、スイス、モロッコ、ヨルダン、EU諸国、メキシコ、カナダ。中国に対するあり得る知的財産に関するWTO提訴についてのマッコイと同じ職員らとの議論については別途報告。
(日本政府は、海賊版対策条約の修正提案を歓迎)
3.日本の官僚たちは、アメリカ通商代表部の提案した海賊版対策条約を支持し、異論なく感激していた。彼らは驚いていたが、強力なカウンターの提案でアメリカが答えたことについて喜んでいた。(日本の官僚たちによると、今までのところ、フランスだけが彼らの先の海賊版対策条約のアイデアについて喜んで答えてきたという。)彼らは提案をさらに研究し、ワシントンの日本大使館を通じて質問を送ると約束。毛利忠敦外務省国際貿易課主席課長補佐は、小泉首相が条約を提唱したG8の中でこの件を提起し続けることを日本政府は望んでいたが、何故それが独立の条約でなければならないのかということに関するアメリカの主張を聞き入れる意志があると発言。日本の官僚たちは、OECD職員の専門知識を生かし海賊版対策条約の起草・交渉についてその手を借りたいと考えていたが、アメリカ通商代表部にはこの分野における十分な専門知識があり、OECDや他の国際機関を巻き込む必要はないというマッコイの明言に納得した模様。
4.日本の外務省、経産省と知財本部の官僚たちは皆、アメリカ政府が提案条約についてどのようなスタンダードと中核コンセプトを必須と考えているかについてより知りたいという。荒井知財事務局長は、条約の条文案又は少なくとも最近アメリカが交渉したFTAの知財セクションのコピーを提供してくれるようアメリカ通商代表部に要請。マッコイは、主要事項に関する相互理解への到達のための日米間のさらなる検討に合意。マッコイは、日本がこの条約に関して、アメリカをそのパートナーとして、引き続きリーダーシップを取り続ける必要があり、日本の官僚らは外交的下働きを多くしなければならないだろうと指摘。
5.日本の官僚の何人かは、条約交渉のスケジュールを気にしていた。荒井知財事務局長は、条約交渉に1年、その発効までもう1年という日米目標を提案。荒井は、交渉国が条約に何が含まれるべきかということに関するお互いの議論に足を取られて立ち往生したら、これは状況を改善させることなく海賊たちを愉快がらせるだけであり、恥になるだろうと注意。この理由のため、彼は、アメリカ政府で既に何がしかのコンセンサスがあるTRIPSプラスのスタンダードについて集中的に検討するべきと助言。荒井はまた、アメリカとEUが、地理的表示のような脇の問題で紛糾しないことを望んだ。
(コメント)
6.日本の官僚たちは、アメリカの良く練られたカウンターの提案を受け取ったことについて心から喜び驚いているようだったが、どのように先に進むかについて不確かなようだった。明らかに日本政府の官僚たちは、条約の起草についてOECDの専門家の手を借りることを期待しており、提案の他国との共有について日本がアメリカとともにリードすることをアメリカは期待すると数度指摘されることとなった。
7.この公電は、スタンフォード・マッコイ米通商代表部知財執行主席交渉官のクリアを受けた。日本の経産・外務官僚らは、似た考えを持つ選ばれた国々の間で高水準のスタンダードの海賊版対策条約を模索することにより、模倣品と海賊版の拡散を抑止する世界的枠組みを促進するという日本の目指す目標に対するアメリカ通商代表部の修正提案を、何の反対もなく支持すると表明。日本側は、アメリカがこの条約に正確には何を入れようとし、どのようなスタンダードをアメリカが必須と考えているのかについてより学びたいという。
(2)2006年7月20日の東京発公電:
主題:日本の小泉首相のアドバイザーが知財に関する両国間の議題を提案
1.要約:荒井寿光知的財産戦略推進本部事務局長は、7月14日、経済担当公使の別れの挨拶の際に、知財に関する両国間の協力のための野心的な議題を提示。次回の日米首脳会合で知的財産権についての協力に関する共同声明を出し、年末までに海賊版対策条約を妥結し、特許の相互承認制を確立することを提案。彼は、日米が知的財産権について中国に統一メッセージを発することを希望。小泉首相の知財問題に関する主なアドバイザーである荒井は、次の日本の主な首相候補はともに知的財産権の強力な保護を支持していると断言。
(中略)
(海賊版対策条約)
5.荒井は、似た考えを持つ国々の間で海賊版対策条約(ACTA)の条文について合意に達することはそれほど難しくないと信じており、年末までに議論を終えることを目標とすべきという。日本にはこのような条約に対する強力な支持があり、荒井は、与野党の議員の中から、安岡興治(自民党)、甘利明(自民党)、弁理士でもある菅直人(民主党)らの名を強力な知財保護の支持者としてあげた。
6.荒井は、我々は可能な限り速く動くべきであって、この条約の内容は中国やロシアやブラジルのような第三国の知財問題に向けられるべきで、似た考えを持つ国々の間で対立する利害の交渉をするべきでないことに留意すべきと強調。この新たな条約は、中国やロシアのような国々の市場経済の状態を測る尺度となるだろう。
(後略)
(3)2006年10月5日東京発:
主題:日本の知財官僚たちは、「ゴールド・スタンダード」条約に肯定的他
1.要約:日本の政府と産業界は、9月21−22日のクリス・ムーア米次官補との東京会合で、海賊版対策条約(ACTA)に対する強力な支持を表明、ただし、アメリカの交渉官によって提案された知財執行の「ゴールド・スタンダード」の全ての事項に合わせて日本の国内法を改正することについては非楽観的。日本政府の官僚たちは、例えそのような法改正が可能だとしても、国内の合意に達するにはそのお役所仕事のために時間がかかり、ACTAを大幅に遅らせるだろうという。(中略)
(ACTAに対する強力な政治的サポート)
2.田辺よしお外務省審議官(訳注:当時外務省の審議官をしていた田辺靖雄氏?)は、ムーア次官補に、ACTAの共同条文案が1月程度で用意できることを期待していると告げた。日本の官僚らは皆、安倍晋三新首相は、前官房長官として、知財関連事項に関して興味を持ち十分な情報を受けており、提案されている条約について支持していたと強調。安倍は多くの内閣官房の知的財産権に関する会議を多く主宰していたという。しかし、法的な問題は残る。
3.荒井寿光内閣知財本部事務局長は、職権取り締まり・非親告罪化、法定賠償と判決ガイドラインに関する法改正に日本政府としてコミットするのは非常に難しいと注意。荒井は個人的にはこれらの全ての措置を支持していたが、日本のお役所仕事の中でこれらの改正を試みるのは非常に時間と手間がかかるという。もしアメリカがこれらの法改正にこだわるようなら、実際に遅れが生じるだろうと彼は考えていた。判決ガイドラインについては、判決を個々の裁判官に委ねている日本国憲法に違反するとして法務省が理念的に反対している。職権取り締まり・非親告罪化に関しては、商標については認められているが、日本政府内の議論において、著作権侵害の非親告罪化は、著作権法を見ている文化庁によって10年、20年越し否定され続けている。職権取り締まり・非親告罪化の当局として主導権を握っている文化庁か関税局かにいつ圧力がかけられたかについては、荒井は知らなかった。
4.以前と同じく、海賊版と模倣品がせわしく稼ぎをあげている中で、その対策に責任を持つ我々の間の条約の立ち往生で時間を浪費すべきでないと荒井は主張。もしアメリカと日本がほぼ他の全てのことについて合意したなら、残り5%でプロセスを止めるべきではないという。知財保護のために必要な最も高い最も必須のスタンダードはどのようなものかという点で国の間に多少違いがあることが制約になると荒井は付加。例えば、欧州は地理的表示について何かを得ようとするだろう。知財先進国が合意できる最も必須のスタンダードのコンセンサスに基づいて速やかに動くスケジュールを設定することがより重要と荒井は主張。彼は、知財保護は動く目標であって、全ての問題を一気に片付けることはできないのだから、新しい知財問題が毎年持ち上がって来ていると認めるより広い戦略の採用を彼は推奨。
5.ムーア次官補は、ACTAにより新しい世界水準を規定することが決定的に重要なことであり、アメリカもその法律を改善しその執行を強化して来たと説明。必要な場合は法改正を行い、この問題について参加する機会を得られることについて議会も歓迎していると彼は追加。ムーアは、早急だが、効果的で高水準のスタンダードの条約を前進させることについてアメリカは熱心であると強調。似た考えの他の国々にともに働きかけて行く上で、その知財執行法制の改善を日本が真剣に考えることは必須であると彼は発言。
6.それは難しく時間もかかるため、ゴールド・スタンダードのためのアメリカ政府提案と合わせるために国内法を変えなければならないことを日本政府は好まないと田辺は簡単に述べ、日本外務省はこの問題についてよりソフトなアプローチを取るという。それは日本政府内でと利害関係者との間での長い検討を要すると彼は考えていた。アメリカ側でも知財保護執行の有効性の問題に集中することを田辺はアメリカ側に促した。相馬弘尚外務省知的財産室長は、8省庁を集めた先週の日本政府内会合で、国内法改正の余地もあり、皆その可能性を排除しなかったと発言。
(ACTAに関するG8と他の国へのアプローチ)
7.外務省の相馬は、日本政府が最初にこのことを提唱した場であり、日本政府はなおG8の参加国を含めてACTAの議論を進めたいと思っていると発言。さらに、発展途上国を含めた各国にとってのイノベーションとクリエイティビティが発達する雰囲気を作る必要性を強調し、日本政府は知財をG8における議題として押し続けたいと思っているという。経産省の中富は、それに対し、最近のロシア訪問においてACTAの議論をしたが進展はなかったと発言。G8でACTAを提起することは非常に難しいと彼は同意、不可能でないにしても、ロシアのために反対は避けがたいだろうという。
8.欧州をACTAに参加させることについて多少微妙な見解があった。外務省の相馬は、EUに細々とアプローチする前に各加盟国に集中するのが最善であるという点でムーア次官補に同意。経産省の豊田正和通商政策局長と中富道隆審議官はともに、どうあれEUにおいてこの問題について権限を持っている欧州委員会は遅くではなく早くACTAの議論に参加させなければならないとムーアに告げた。さもなければ、欧州が降りるような問題となるだろうと。ただし中富は、例えば欧州委員会がACTAの全議論を、ムーアがアメリカにとって出発点とならないとする、地理的表示と結びつけに来るかも知れないことから、まず各加盟国にアプローチすることについてのアメリカの利害に理解を示した。注意深いマネジメントが必要とされる点で両者は一致。
9.日本政府は、最初の交渉国候補には、フランス、イギリス、ドイツ、オーストラリア、ニュージーランドとシンガポールが考えられると見ている。日本政府は、イタリアとカナダを第2にアプローチされるべきグループと見ているが、ムーア次官補は、カナダとの潜在的困難性を説明し、最初の候補としてヨルダンやモロッコのような発展途上国も入れることを押した。これらの国々は、アメリカとのFTAで高い水準の知財スタンダードを受け入れた。
(中略)
18.この公電はムーア次官補のクリアを受けた。日本の政府と産業界は、9月21−22日のクリス・ムーア次官補との東京会合で、海賊版対策条約(ACTA)に対する強力な支持を表明、ただし、アメリカの交渉官によって提案された知財執行の「ゴールド・スタンダード」の全ての事項に合わせて日本の国内法を改正することについては非楽観的。日本政府の官僚たちは、例えそのような法改正が可能だとしても、国内の合意に達するにはそのお役所仕事のために時間がかかり、ACTAを大幅に遅らせるだろうという。(後略)
(4)2006年12月1日ローマ発:
主題:海賊版対策条約(ACTA):イタリア
(要約)
1.イタリア政府は、ACTAをさらに議論することに関心を寄せているが、(WTOやEUのような)既存の多国間組織や条約の枠組みでイタリアは動くこととしていると強調し、これらの条約以外の条約への参加には念入りな評価が必要という。イタリアは、ワシントンでのACTA準備会合への参加に関心を寄せている。
2.経済担当公使が、11月17日、スピネッティ伊外務省経済担当部長とジャンニ次官に、経済開発省でACTAについて提起。ECMINは、ACTAは似た考えを持つ国々にとって知的財産権(IPR)対策を劇的に前進させるツールとして使えるものであり、世界知的所有権機関(WIPO)や世界協力開発機構(OECD)や欧州連合(EU)あるいはG8で高水準のスタンダードの国々がぶつかるだろう政治的困難をほぼ避けられると概要を述べた。
3.スピネッティとジャンニは大体経済担当公使に同意し、ACTA提案に興味を示し、ACTAの提案する目標にイタリアも同意すると示唆。スピネッティとジャンニはともに、イタリアはACTAの検討作業に参加すべきとも示唆し、スピネッティは、イタリアはワシントンで始まる会合に参加できるだろうとも示唆。しかしながら、スピネッティとジャンニは、WIPOやEUのような多国間組織とG8へのコミットメントを強調し、イタリア政府はこれらの枠組みの外に踏み出すことには慎重でなければならないと強調。
4.スピネッティは、「この条約は国際的な知財保護に関するWIPOの主導的役割を減じる恐れがある」というWIPOのACTAに対する懸念を聞いたと経済担当公使に告げた。
5.そして、経済担当参事官は、11月22日、内閣次官エンリコ・レッタのチーフ・スタッフであるファブリチオ・パガーニと面会。パガーニは、イタリアにおいてG8の知財問題に関する実務レベルの統括をしており、ACTAのイタリア政府担当者である。最近のモスクワでのG8の実務レベル知財会合でクリストファー・ムーア次官補と既にACTAについて議論したと経済担当参事官に告げた。現在イタリア政府は既存の多国間組織に強くコミットしており、もし欧州委員会も交渉テーブルに着いていてくれればよりやり易いだろうと付加。それでも、イタリアは強い興味を提案に持っており、ワシントンの準備会合に参加できるだろうとパガーニは発言。そう言って、パガーニはイタリア政府が関心を持っている次のような事項について概略を述べた。交渉における欧州委員会の役割:パガーニは、欧州委員会が知財に関する排他的権限を持っていないと考えており、欧州委員会もテーブルに着けることはEU加盟国にとって交渉を何かしら容易にするだろうと考えていた。知財執行が弱い国々のための役割:知財制度が弱い国々(例えば、中国やロシア)を含めないことは合理的と彼は理解したが、パガーニは、イタリアはさらにこれらの国々の排除について議論したいと思っていることを示唆。ドイツのG8知財への注力:ドイツがG8議長国として知財保護を最優先事項に強く押している中で、ACTAを追求するのは政治的に微妙な問題となり得るともパガーニは懸念を表明。
6.しかし、経済担当参事官が、上のことが全て考慮されたら、イタリアは実際にACTA交渉に参加できるかと直接訊ねたところ、彼は、もしそれがイタリア自身の利益になるならイタリアはそうするだろうと回答。
(5)2007年2月12日ローマ発:
主題:海賊版対策条約(ACTA):イタリアの懸念
1.要請公電。4.参照。
2.ファブリチオ・マッツァ伊外務省知的財産課長が、海賊版対策条約(ACTA)の提案に関し大使館に接触。2つのソース(1つはアメリカ通商代表部、もう1つはブラッセルの(不明))が、日米共同ACTA提案をアメリカ政府がブラッセルの欧州委員会に提示したと彼に伝えてきたという。EUを含めて合意に達するのはかなり難しいだろうと思い、また、欧州委員会ではなく直接各加盟国と交渉する方が好ましいとアメリカ政府は考えていると理解していたため、マッツァは混乱し、関心を寄せている。
(コメント)
3.ACTAについて非常に大きな関心がイタリア政府にある。本国が本国大使館にアメリカの政府見解を可能な限りの範囲で通知することを要請する。
(要請)
4.次の事項の要請:ACTA提案に関する現状の説明、それは欧州委員会に既に示されているのか、ACTA交渉における欧州委員会の役割がEU各国の参加に与える影響に関するアメリカ政府の見解の説明。
(6)2007年9月6日リスボン発:
(前略)
(海賊版対策条約(ACTA))
5.ドンネリー(米通商代表補)は、海賊版対策条約(ACTA)のことを持ち出し、EU各国は直接ACTA交渉に当たるべきとのイタリア政府の見解に言及。貿易だけではなく、知的財産権、税関、法律と執行、そして司法に絡む複雑な問題に他ならず、EU加盟国の権限の議論に巻き込まれたくないとするワシントンの希望を彼は強調。エスカリア(ポルトガル首相の経済アドバイザー)は、ポルトガル政府も議論に気づき、この問題での欧州委員会の主導をリスボンが喜んでいるという。マシエイラ(ポルトガル外務省欧州担当審議官)も同意し、議論の進展に従い、EU各国はその対話に入れられるべきと強調。ルシオ(ポルトガル経済省経済活動担当審議官)は、ACTAのカバーする領域は非常に重要であり、透明な形で取り組むべきで、この事の可視化を支援すると強調。
(後略)
(7)2007年12月メキシコ発:
(前略)
(要約とコメント)
1.(中略)メキシコの知財官僚たちは、海賊版対策条約(ACTA)交渉参加への意志と、国際的な保険機構において知財の弱体化を図ろうとするブラジルの圧力への対抗を強調し、その国際舞台における役割の増大を喧伝することに熱心だった。(中略)
(国内の様子)
8.(中略)2007年、メキシコは知財執行強化のための海賊版対策条約交渉への参加に同意。(後略)
(8)2008年11月5日ローマ発:
(前略)
1.要約:ファブリチオ・マッツァ外務省知的財産課長は、(中略)ACTA交渉で2008年末までに条文案ができることはないだろうと予測。
(中略)
(ACTA交渉により時間をかけるよう求めるEU諸国)
8.マッツァは、年末までに海賊版対策条約(ACTA)の条文案ができるとは予想していない。合意条文案のできるのは最短で2009年の夏か終わりだろうという。彼の見解によると、条約交渉における欧州委員会の関与への反対、交渉の機密レベルに対する不満、条約からの地理的表示の除外などから、交渉により時間をかけることを欧州諸国は求めようとしている。
9.EU加盟国は刑事執行に関係する事項を欧州委員会が交渉することに反対していると、マッツァは発言。この点は順に回されるEU議長国によって交渉されるより、この分野においてはEU加盟国の権限による方が適切であると彼は見ていた。イギリスとスカンジナビア諸国がこの点における欧州委員会の関与に特に激しく反対しているが、イタリアも反対しているという。
10.このACTA交渉における機密レベルは、通常の非安全保障条約より高いレベルに設定されている。マッツァによると、この機密レベルでは、EU加盟国は知財の利害関係者と議会と必要な議論を進めることもできない。次のACTA会合の前に、この点が再検討されなければならないと彼は発言。
11.マッツァによると、欧州諸国はACTAを事実上の「TRIPSプラス」と見ているが、ACTAはまだTRIPSに含まれている地理的表示を含んでいない。このTRIPSのアップグレードは、アメリカの主要問題の海賊版と模倣品は含まれているが、欧州の主要問題の地理的表示を無視していると欧州代表が指摘するのは「時間の問題」だという。この除外は、交渉を決裂させるものではないだろうが、遅らせるだろうと彼は示唆。
(後略)
(9)2009年11月24日ストックホルム発:
主題:スウェーデンのACTA交渉と知財に関する懸念
1.要約:スウェーデンのメディアとブロガーらは、進行中のACTA(海賊版対策条約)交渉について、3ストライクポリシーが求められるとの報道を受け、他の多くの国々で見られたのと同様の秘密性とインターネット章についての懸念を表明。今年の前半、スウェーデン法務省がEUのために交渉していたことから、これは政府の国内批判につながった。メディア報道から、スウェーデン政府は、スウェーデンの国内法改正を必要とするようなACTAの規定にはスウェーデンは同意しないと公式に言う羽目になった。一方、The Pirate Bayサイトは、トラッカーを削除せよという差し止め判決を受け、スウェーデンからサーバーを移している。同一のトラッカーがそのすぐ後に別のサイトに現れた。IPRED(知的財産執行指令)による法改正が、法的に可能な限り早く記録を破棄する傾向をインターネット・サービス・プロバイダーに与えたことで、スウェーデンで犯罪の訴追・解決が難しくなっているという批判に耳を傾け始めているという。(中略)
(ACTA)
2.スウェーデンがEU議長国である間、EUのACTA交渉代表をしていたステファン・ヨハンソンにポストが接触。秘密性の問題がスウェーデンにおける交渉を取り巻く雰囲気に大ダメージを与えたと彼は我々に告げた。全野党が、議会で、政府は知財の執行を強化しようとしていると迫って来た。これらのグループにとって、ACTA文書の公開拒否は、交渉の背後にある政治的意図について憶測を逞しくする素晴らしい政治的ツールとなった。もしこのことが世界知的所有権機関(WIPO)内で交渉されたらと批判者は言う、WIPO事務局は最初の条文案を公開しただろうと。
3.ヨハンソンの意見では、交渉にまつわる秘密性により、全プロセスの正当性に疑念をもたらす結果となった。このことと、アメリカ提案のインターネット章の口頭提案を要約した欧州委員会のリーク文書が合わさり、法務大臣マグヌス・グラナーがスウェーデン政府は現在のスウェーデン法の変更を必要とするようなACTAの条項に同意することはないと今月頭に確約して、吹き荒れる批判をなだめる羽目になった。
4.ヨハンソンは彼の意見として、交渉グループ中に、最終的な案に影響を与えられる余地がある内にACTAの交渉条文案を公開すべきという立場に対する強い支持があると発言。彼はさらに、交渉の過程で同じような意見の共有がEUにできない内に、アメリカ政府がアメリカの産業界と緊密に意見交換していることについての欧州委員会の懸念を告げた。
5.EU各国の代表が、アメリカ提案のインターネット章についてさらに議論し、その立場を進めて調整するため11月25−26日に集まる。もちろん、議長国がスペインへ回る来たる2010年1月以降ヨハンソンがEU名代として交渉することはない。しかしながら、年の後半になるかも知れないが、2010年の間に交渉が妥結されることを期待するとヨハンソンは我々に告げた。我々は交渉すべき主な事項から言語の問題を切り離し、どこから始めるべきかについてすぐにはっきりさせる必要があると彼は発言。今まで、中核事項を切り離すことで交渉の効率化を図って来なかったという。
(後略)
(10)2010年2月16日マドリッド発:
(前略)
18.ウィルソン米通商代表部補は、メキシコのグアダラハラでの最近の海賊版対策条約(ACTA)会合でスペインの官僚らが非常に積極的で親切な役割を果たしたことを賞賛。スペインのリーダーシップのおかげで、交渉官らは条約の刑事関連章で進展を見ることができた。ボネット(スペイン貿易長官)は、欧州議会がACTAについてその透明性の欠如を批判し、疑念を抱いていると言及。
(後略)
訳していて腹が立って来るが、案の定、これらの公電から浮かび上がって来るのは、荒井寿光知財本部事務局長(当時)を筆頭として、知財本部や外務省や経産省の日本の官僚たちのデタラメな暴走ぶりである。恐らく関連公電はこれで全てではないだろうが、これだけでも、初っ端から、何の考えもなく諸手をあげてアメリカの提案に賛同していたり、大した腹案も持たないままスケジュールだけを気にして条文案作成をアメリカに任せていたり、それでいて世界に規制強化を主導的に押し付ける汚れ役はお前らでやれと言われても分からず喜んでいたり、著作権侵害の非親告罪化や法定賠償などの法改正圧力がかけられると一応少し慎重な意見も示すものの法改正の余地もあると勝手に言ったり、アメリカの外交官の前で省庁間の方針の不統一をそのまま口にするなど、彼らが外交としては完全にアウトのデタラメをやりたい放題やっていたと知れる。
既に役所を辞めてしまっている者もいるだろうが、これらの公電に出て来る官僚たちの名前は全て覚えておいた方が良い。文化庁と経産省で報告書がまとめられ、国会への法案提出が想定されている著作権法と不正競争防止法でのアクセスコントロール回避規制強化など、今日本が訳も分からずロクでもない法改正をやる羽目になっているのは、こいつらの責任と言って良いのである。アメリカの外交官に対して恥がどうとか言っていたようだが、こいつらこそ日本の恥であると私は断言して憚らない。そう簡単に官僚のタチが変わるとも思えず、この体たらくでは、日本の官僚たちは世界の外交官にてんでバカにされ続けることだろう。
またさらに関連公電が出て来るようなら、その都度、ここでも翻訳・紹介したいと思っているが、知財問題に限らず、このウィキリークスのリーク公電はアメリカ政府の動向を知る上で第一級資料と言って良い。ウィキリークスの真価はこのような政策的なリーク情報の公開にあるのであって、その政治的意味は大きく、このようなインターネットを通じた情報共有システムの政治的重要性は今後も増して行くだろう。それにつけても、ウィキリークスについてそのシステムの重要性を理解せず面白おかしくゴシップ的に書き立てるのが日本の報道の主流と見えるのは個人的にはかなり残念である。
(2月10日の追記:一番上に参考記事へのリンクを追加し、少し文章に手を入れた。)
(2月10日夜の追記:誤記の訂正をし、少し文章に手を入れた。)
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