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海底観測網の整備加速 正確な津波警報実現へ
2012/02/16
IZA http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/disaster/546027/
東日本大震災では実際の津波の高さより大幅に低い津波警報が発表され、住民避難が遅れて被害が拡大した。正確な予測に必要な観測網が海域になかったためだ。この反省から国は、海溝型巨大地震が起きる太平洋側の海底で地震・津波観測網の整備を急ぎ、高精度で迅速な「緊急津波速報」(仮称)を平成27年度に実現したい考えだ。
「現在の津波警報は、海溝型巨大地震に対し大きな課題を抱えている」。東京大地震研究所の篠原雅尚教授は、こう指摘する。
気象庁の津波警報は、全国約1400地点の地震計のデータで地震の規模と震源を解析し、これを基に津波の高さや到達地域を予想している。だが地震計の大半は陸上にあり、海域の地震は地震波の到達に時間がかかる上、データも誤差が生じやすい。
地震の規模を示すマグニチュード(M)も、気象庁の解析方法は迅速な半面、M8以上の場合は精度が落ち、過小評価してしまう問題がある。M9・0の大震災では当初、M7・9と解析され、地震発生約3分後の津波警報・第1報の津波高は宮城県で6メートル、岩手・福島両県で3メートルと、実際より大幅に低かった。
■海底を直接観測
このため文部科学省は24年度から、日本海溝周辺で地震・津波観測網の整備に着手する。北海道から千葉県の沖合に総延長約5100キロの海底ケーブルを敷設。地震計と津波を検知する水圧計を備えた観測点を数珠つなぎに154カ所に設け、30〜60キロの格子状に観測網を構築する。
大震災の震源域の端に位置し、誘発地震の懸念が大きい千葉県沖と青森・岩手県沖から整備を開始。27年度に全域で本格運用をスタートさせ、気象庁の緊急津波速報に活用する計画だ。
海底での直接観測で地震の早期検知や規模、震源の詳細な解析が可能になる。また、水圧計は津波を直接かつ連続的に観測できるため、発生を即座にキャッチし、到達する地域や時間、高さも正確に予測できる。
整備事業を受託した防災科学技術研究所の試算によると、沖合200キロで海溝型地震が発生した場合、地震の検知は最大約30秒、津波の検知は検潮所での観測より同十数分、それぞれ早まるという。
防災科研の海底地震・津波観測準備室長、金沢敏彦氏は「従来と比べはるかに高精度なデータが得られ、津波警報の正確さも飛躍的に向上するだろう」と話す。
また、本格運用開始までの“つなぎ役”として気象庁は今秋、三陸沖300〜400キロの日本海溝東側にブイ式の海底水圧計を3基設置する。大きな津波を伴うアウターライズ(海溝外縁部)型地震の発生に備えるためだ。
水圧計の観測データを音波で海面に浮かぶブイに送信、通信衛星経由で地上に伝送する。気象庁は「精度はそれほど高くないが、津波を直ちに知ることが可能で、警報に役立つ」と話す。
海溝型の巨大地震は、静岡県以西の太平洋沖に伸びる南海トラフでも東海・東南海・南海地震が想定されている。対策を急ぐ文科省は、震源域で整備してきた海底観測網「DONET」(ドゥーネット)の本格運用の開始時期を、5年繰り上げて27年度とすることを決めた。
■太平洋岸全域に展開
昨年8月に東南海の震源域で部分運用を開始したが、残る南海の震源域を中心に整備を加速。総延長約600キロの海底ケーブルを敷設し、計51カ所に地震計と水圧計を設置する。
整備を進める海洋研究開発機構の金田義行地震津波・防災研究プロジェクトリーダーは「津波予測だけでなく、地殻変動を観測することで地震の発生予測にもつながるため、早期完成の必要があった」と背景を説明する。
日本海溝と南海トラフの海底観測網が完成すれば、太平洋岸の海溝型地震の想定域をほぼすべてカバーすることになる。列島を襲う巨大津波の監視と防災に大きな威力を発揮しそうだ。(以上転載)
(以下関連映像)
●地下で異変?福島原発で直下型地震の危険
20120216モーニングバードより。
福島大地原発が強い直下型地震に襲われる可能性が高まっていると、東北大学の教授がきのう発表した。4号機の使用済み燃料プールが崩壊する可能性もあると言われている。
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