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大地震 みなさん、準備は出来ていますか 「この1年の間に来る」と話す地震学者たち
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31784
2012年02月15日(水) 週刊現代 :現代ビジネス
大地の揺れは今も治まらない。東京直下型地震が警戒される中、地震は富士山近くなど、関東以西でも起こり始めた。本当に危ない場所はどこなのか。危機の真っ只中にあるのは、首都だけではない。
■M8クラスの可能性大
首都圏、そして東北地方を中心に、地震が治まっていく気配が見えない。
気象庁が観測している1月26日~2月1日までの1週間の地震発生状況を見ても、関東・東北は特に地震が多発している。
「3・11」の震源域付近が相変わらず揺れ続けているのはもちろんだが、茨城県沖~千葉県銚子沖、さらにその内陸部と、首都・東京に近い場所で地震が頻発しているのは、不気味としか言いようがない。
「東京直下でM7級の大地震がもうすぐ起きる」
東京大学地震研究所が公表したデータが、首都圏を震撼させている。「4年以内に70%」という数字は、まもなくほぼ確実に大地震が起きることを意味する。
また、これまで本誌が繰り返し報じてきたように、東京直下型同様、房総沖付近を震源とするM8クラスの巨大地震にも、依然として警戒が必要だ。一向に減らないその周囲の地震が、警報の代わりだと見る必要があるだろう。
だが、今回の取材で、実は「危険な場所」は何も東京近郊だけに限らないことが判明した。首都直下型地震は、4年どころか、1年以内、もしかすると明日にも起こるかもしれない。そして、そうした1年以内に地震が起きてもおかしくない場所≠ヘ、東京以外にもあるというのだ。
「3・11」の東日本大震災について、その発生の可能性を「2005年±5年」「M8・5クラス」などと予測していたことで知られる、琉球大学名誉教授の木村政昭氏はこう語る。
「今後、危険なのは三陸の沖合で起こるアウターライズ型≠フ地震です。これはM8クラスになる可能性があり、3・11クラスの津波が再び押し寄せる可能性も否定できません」
アウターライズ地震とは、3・11の巨大地震と、日本海溝を挟んだちょうど反対側(東側)で起きる地震のこと。実は、独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)の調査でも、3・11の後に三陸沖の海底における岩盤(太平洋プレート)の力関係が変化したことが観測されている。その結果、M8クラスの地震が起きる可能性が高まっているというのだ。
もともと三陸沖では、いったん津波を伴う巨大地震が起きると、しばらく後に、再び同じような地震・津波に見舞われる、というサイクルが繰り返されてきた。この2度目≠フ津波を起こすのがアウターライズ地震というわけだが、その警戒感は今、最大限に高まりつつある。
一方、東日本の内陸部、「新潟など中越地方が危ない」と警告するのは、立命館大学歴史都市防災研究センターの高橋学教授(地理学専攻・環境考古学)だ。
「東日本大震災が起きたのは、宮城沖の北米プレート上ですが、本州を挟んで同じプレートの西側、つまり新潟方面に向け、震度1クラスの微小な地震が起きている痕跡があります。これは、新潟付近で地震が起きる際に見られるパターンの一つなのです」
周知のように、震度7を記録して68人の死者を出した2004年の新潟県中越地震(M6・8)など、中越地方もまた、たびたび地震災害に見舞われる場所だ。この地方では、日本海側の沖合を震源とする地震が2007年にも起きており(新潟県中越沖地震、M6・8)、後に起きた東日本大震災との関連性も指摘されている。
「いまこの地方で大地震が起きると、危惧されるのはここが豪雪地帯だということです。中越地方は、今からおよそ6000万年前から200万年前ごろまでに、海の底にあった地層が陸になった場所で、非常に地滑りを起こしやすい。真冬のこの時期に地震が来たら、雪の重みと相まって家屋が潰れるなどの被害が予想されると同時に、大規模な地滑り、雪崩が起きる可能性があるのです」(前出・高橋氏)
■東海南海連動型の大地震
'04年の地震では、やはり大規模な土砂崩れやがけ崩れが発生し、岩に潰された自動車から親子を救出するため、東京消防庁のハイパーレスキュー隊が出動した。幸いにも人的被害は出なかったが、激しい揺れにより、上越新幹線「とき」が、脱線する事故が起きている。
死者68人とはいえ、山間部の人口がまばらな地域が被害の中心でも、その規模の激甚災害≠セったのだ。「震度7」が都市部を直撃することになれば、被害はより拡大するだろう。
また、東日本に比べ、落ち着いているように見えるそれ以外の地域が心配ないかと言えば、決してそんなことはない。
「首都直下のM7」を警告した東京大学地震研究所に所属する、都司嘉宣准教授はこう語る。
「3・11の後、いわゆる東海地震が起きる可能性が高まっていると考えています。そしてそれが、1707年の『宝永地震』のように、連動型の巨大地震になることもあり得ます」
宝永地震は、M8超級(M8・5以上?)と推測されている、日本の歴史上、最大級の地震だということは、本誌でも何度か紹介した。現在の静岡県駿河湾沖から、紀伊半島沖、さらに四国沖までの広大な地域が震源域になったとされており、M9クラスだったという研究報告もある巨大地震だ。
「私は、従来のように東海地震と東南海地震(東海地震の西側が震源域とされる)を別々のものとは考えていません。この二つを併せたものを東海地震≠ニ考えており、その発生の可能性が高まっているように感じています。
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869年に東北地方太平洋沖で起きた『貞観地震』の後、887年に東海地震と南海地震が連動した、やはり最大級の『仁和地震』が起きています。これらに関連性があったのかどうか、断定はできませんが、気になるところです」
東海地震、あるいは東海南海連動型地震が起きた場合、都司氏が危惧しているのは、津波である。東海地震に関して言えば、1498年に起きた「明応地震」では、静岡県の伊豆半島に18~20m、同県中部の焼津市付近で7m、西部の天竜川付近には10mクラスの津波が押し寄せたという。
「注意が必要なのは、『東海地震単独だと津波は小さい』『南海地震と連動すると津波が大きい』というわけではないということです。明応の地震は単独型の東海地震でしたが、同じタイプの1854年『安政東海地震』の3~4倍の津波が押し寄せています。単独だったら大丈夫とか、そういうことは決してありません」
また、東海地震や南海地震は、東日本大震災と同じく、海溝付近を震源とするプレート境界型の地震だが、「揺れ」にも注意と備えが必要だという。
「東海地震の場合、『安政型』を想定すれば、静岡県の平野部では震度6強クラスの地震になると思います。また南海地震であれば、大阪で震度5強~震度6弱くらい。一番激しく揺れるのは、震源域に近い高知県の四万十市付近と思われ、確実に震度7になります。高知市内でも震度6強~震度7を記録する場所があるでしょうし、紀伊半島でも、三重県あたりでは、やはり震度7に達しそうです」(都司氏)
■富士山の動きに警戒を
太平洋に面した高知県・徳島県では、高知大学の岡村眞教授らの調査により、約2000年前に波高50m級の超弩級津波が押し寄せた痕跡が発見されている。東日本大震災同様、次の地震が1000年に一度≠フ規模になり、その超津波が再び来襲する可能性もあり得るということだ。
また、その規模の地震と津波が起きた場合、比較的、津波に対しては安全と思われがちな瀬戸内海沿岸や、大阪湾にも大津波が押し寄せる可能性が指摘されている。関西大学の河田惠昭教授らの研究では、M9クラスの地震が起きた場合、大阪にも5・5mの津波が押し寄せる危険があるという。
「いま危ないのは東京直下型だけ」などという安易な思い込みは、地震大国ニッポンで暮らしている以上、命取りになりかねない。
そして、1月28日に山梨県東部で震度5弱の地震が起きるなど、近くで地震活動が活発化し、注目が集まっている富士山についても触れなければならない。
火山研究が専門の千葉大学大学院理学研究科の津久井雅志准教授はこう話す。
「山梨で起きた地震は、これまで頻繁に起きてきた地震と同じタイプで、特別なものではない、と発表されていますが、やはり富士山に近い位置で起きている以上、警戒が必要です。
貞観地震や宝永地震など、大地震の前後に富士山は活動を活発化させてきましたが、ひとたび噴火すれば、長いと数年間も続くことがあります。数年前、内閣府が宝永噴火と同じ規模の噴火が起こった場合の被害総額を試算した結果は、約2兆5000億円という巨額なものでした。
もし本当に富士山が噴火する場合は、マグマが地下の深い場所から浅い場所に移動してくる時に起こす微小地震が感知されるようになります。その動きは、事前に捉えることができると思います」
われわれは、東日本大震災の強大なエネルギーが、日本列島の様相を一変させてしまったことを、肝に銘じておかなければならない。次に地殻の歪みが解放されるのはどこなのか、この日本に住んでいる限りは誤差≠フ範囲内に過ぎない。
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