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速報)2012年2月の地震予報(新妻 信明)
http://www.niitsuma-geolab.net/archives/884
図1. 1月28日,29日の丹沢山地の震源,およびフィリピン海プレートと北米プレート境界の地震活動(新妻,2008に基づく)。 衝突前に丹沢北方にあった海洋底が籐の木−愛川断層に沿って関東山地の下に沈み込むslabとなって存在し,その下に神縄断層に沿って伊豆半島北方にあった海洋底がslabとなって沈み込んでいる.今回の地震は,現在のフィリピン海プレート境界に当たる伊豆slab上面で起こっている。
年末年始の伊豆小円区の鳥島周辺のSlab内地震に関連し,フィリピン海プレート運動の活発化を1月の地震予報で述べたが,丹沢山地の下のフィリピン海プレートと北米プレートの境界の神縄断層付近で1月28日と1月29日に逆断層p型のM5.4とM4.7の地震が起こり(図1,図2)、伊豆弧と本州弧の衝突が起こった。
その翌日の1月30日に日向灘でM4.9の逆断層型地震が起こっている。また,1月30日に三河湾の下に沈み込む太平洋Slab内でも逆断層p型地震M4.5が起こっている。今後とも西南日本の地震活動には警戒を要する.2月6日にはフィリピン海プレート運動の主体を握るフィリピンでM6.8の逆断層型地震が起こり、フィリピン海プレート本体の活動が活発化したので、琉球や台湾の地震活動にも警戒を要する。
日本海溝域では、鳥島の地震と対応して1月3日に鹿島小円域の日本海溝近くのSlab内で逆断層型地震が起こっている.最上小円区では1月22日から27日に海溝外地震を含む調整移動の横ずれ断層nt型M4.5~5.0が、2011年7月10日に起こった同じ発震機構のM7.3震源(図2のoMyg)のすぐ南で起こり、2011年10月に正断層型海溝外地震を伴って沈み込んだSlabの過不足調整が行われた。
太平洋Slab上のマントル内地震の様相が2011年11月から変化したが、その変化が明瞭となり,三陸沖と茨城県沖・福島県沖の逆断層型地震の活動が相呼応するかのごとく起こっており、浜通の地震も盛んである。明治三陸津波地震後の3つ目の宮城県沖地震と宮城県北部地震の再来が心配されるが、1月29日にはこの1900年宮城県北部地震の震源の北東の深度80kmで横ずれ断層np型のM3.7の地震が起こっており(図3)、M7級の宮城県沖および宮城県北部の地震への警戒が必要である。
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