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明らかな前兆 3・11後 銚子沖などでM8のひずみを観測 [信じていいのか?この地震学者の予知と警告]
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2012/2/6 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
山岡耕春(53) 名古屋大教授
名古屋大の地震火山・防災研究センター長を務める山岡は、政府の予知関連の委員も数多く兼務する。その山岡が国会議員を批判する。
「東日本大震災は1000年に一度の惨事と言って、議論している議員がいる。だから、復興費用も長い時間をかけて埋めていく。でも、日本では確実に50、60年に1回はどこかが大震災に見舞われるのです。東北の復興をしている間に次が来る。国会議員は地球物理学を知ってほしい」
この“次”がどこなのか。山岡は大震災直後、ヒヤヒヤの連続だったという。あちこちで地震活動が活発化し、いうなれば、列島は一触即発の状態になったからだ。山岡だけでなく地震学者は肝を冷やしていた。首都直下型もあり得る。原発に2次被害も考えられる。山岡は原子力安全・保安委に危機を伝えたというが、もちろん、政府に“次”に備える余裕はなかった。
その山岡が注目しているのが、国土地理院が全国1300カ所で測っているGPSデータだ。それによると、昨年の3〜10月にかけて、三陸沖は3メートル、銚子沖は1メートルくらい東に動いたという。
◆”その時”85万棟全壊、想像を超えるガレキの山に
「日本列島はふつう、プレートに乗って、全体的に西に動いています。それが東に動くということはプレート境界上ですべりが起こっているということです。計算すると、M8以上のすべりになった。ゆっくり動いているので被害が出ていないだけで、瞬間的に動けば大地震になる。地震活動は震災直後より収まってきているとはいえ、絶対に安心できないのです」
こう言う山岡はさらに、2枚の図を出した。上の図は1997年から2004年にかけてM3から8・5の地震がどこで起きたかを示したものだ。丸の大きさがMの大きさを示し、色は震源の深さを示している。やっぱり、東京、千葉、茨城が異様に多いが、これを断面図にしたのが下の図だ。
「これを見ると、東海地域で起きている地震は浅い場所で2層なのに対し、関東の下では150キロの深さまで満遍なく起きているのがわかるでしょう。関東の下は複雑にプレートが重なり合っているからです」
上から順番にユーラシアプレート、フィリピン海プレート、太平洋プレートで、どこでも地震が起こり得る。加えて、銚子沖などの不気味な動きなのである。
山岡によると、「東日本大震災以後、東海地域については変化がない」という。それだけに首都直撃地震がクローズアップされるのである。
「内閣府はM7・3の東京湾北部地震を想定、建物全壊消失85万棟、死者1万1000人、負傷者21万人とはじいていますが、ガレキも侮れません。中野、三軒茶屋、広尾、四谷を結ぶ広大なエリア(4・5キロ四方)に高さ10メートルでガレキを積み上げると想像してください。それくらいの量が出るのです。東日本大震災は津波でガレキが出ましたが、首都直下型は建物崩壊で出る。備えが必要です」
関東地域の過去の地震パターンを見ると、2000年以降、活動期に入ったとみられている。安心できるデータはあまりない。(敬称略)
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