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今すぐ噴火「ない」 M5級続発の富士山
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012020102000190.html
東京新聞 2012年2月1日 夕刊
一月二十八日と二十九日、山梨県東部でマグニチュード(M)5前後の地震が四回相次いだ。富士山から北東に約三十キロの場所だ。首都圏直下地震が四年以内に70%の確率で起こるとの予測が出たばかりでもあり、「今度は富士山の噴火?」と不安がよぎる。その危険性はあるのか、専門家に聞いた。
■準備
富士山は江戸時代から噴火していない。前回は一七〇七年。南海トラフで発生した宝永地震(推定M8・6)の約一カ月半後だ。富士山では他にも大地震と前後した噴火例が指摘される。
東大地震研究所の中田節也教授は「噴火準備ができたところへ地震がくれば、引き金となる可能性はある」と話す。
今回の一連の地震の影響はどうか。
富士山頂の地下十〜二十キロでは普段から、マグマと関連すると考えられる低周波地震が起きている。防災科学技術研究所の鵜川元雄総括研究官によると、今回の地震後に低周波地震に目立った変化はない。山腹の膨張や収縮を検知する傾斜計にも特別な変化は見られない。
今回の地震エネルギーはもともと群発地震の起きる場所で、火山とは直接関係がなさそうだ。M8クラスの地震の千分の一以下。すぐ影響が出る規模ではなかったようだ。
■直撃
「むしろ心配したのは昨年三月十五日に起きたM6・4の地震」と鵜川さんは話す。
大震災と原発事故の直後で話題にならなかったが、震源は富士山のすぐ南。「マグマだまりが地下十〜二十キロとすれば、すぐ真上か南南西」。まさに直撃だった。
注意深く見守ったが、年間百回あまり発生している低周波地震は増加せず、M6・4の余震もほぼ収まった。「これだけ揺さぶられて噴火しないのは、まだ準備ができていないからかも」と中田教授。
準備はいつ整うのか。富士山は過去の噴火の規則性がよく分からず長期的な予測は極めて難しい。火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長は「一連の地震は富士山周辺のプレートや地殻活動の活発化を示すのではないか。これから富士山を含め伊豆諸島の火山活動が活発になる可能性はある」と指摘。「今すぐは何もなくても、一年後どうなっているか分からない」
■多様
噴火は事前に分かるのか。地震に比べて予知の可能性は高いとされる。マグマが上昇し始めれば地震が増えて山が膨らみ、地震計や傾斜計、衛星利用測位システム(GPS)で検知できると期待できるからだ。
宝永の噴火では二週間前から地鳴りが聞こえたという。もし同様の噴火なら現在の観測網でさらに早くとらえられるだろう。だが、富士山の過去の噴火パターンは多様で、次も同じとは限らない。
鵜川さんは「マグマは人の歩く速さぐらいで上昇する。もし休まず最速で上ってくれば三時間ほどで噴き出す計算になる」という。
二〇〇〇年には低周波地震が一時的に活発化。国は大急ぎで専門家の委員会を開き、〇二年に富士山のハザードマップの原案を作った。その経緯をもう一度思い出す時期かもしれない。
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