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首都直下“大地震”高層ビル&マンションからの“生還”マニュアル
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120203/dms1202031815017-n1.htm
2012.02.03 夕刊フジ
4年以内にマグニチュード(M)7級の首都圏直下型地震が70%の確率で起きる−。東京大学地震研究所の衝撃的な予測の波紋が収まらない。首都圏では超高層ビルやタワー型マンションが林立し、多くのサラリーマンたちが働き、生活する。ここをM7が襲えば、東日本大震災で味わったあの恐怖、揺れがゆっくり長く続く「長周期地震動」に襲われる。そのときわれわれはどうすればいいのか。
昨年3月11日午後2時46分、宮城県沖を震源とするM9の地震が発生。東北地方は最大震度7の猛烈な揺れに襲われた。
同じ頃、首都圏の超高層ビルの中にいた人々は恐怖におののいていた。
東京は震度5強。都内でも屈指の高さを誇る地上54階建て(約238メートル)の高層ビル、六本木ヒルズ森タワーにいた男性会社員は当時の様子をこう振り返る。
「その時はちょうど戦場カメラマンの渡部陽一さんの取材イベントが行われていました。下から突き上げるような強烈な揺れの後、右に左にビル全体がゆっくり大きく揺れるのを感じました。あの時は生きた心地がしなかった」
首都圏には超高層ビル(80メートル以上)が約630棟あるとされ、超高層マンション(20階建て以上)は、不動産経済研究所によると、657棟(18万6206戸。1976〜2010年の累計)もある。
こうした高層建築群を震え上がらせたあの揺れの正体が、「長周期地震動」だ。
「地震で発生する、2〜20秒の周期でゆっくり長く揺れる震動のことです。震源地に近い場所で感じる小刻みに揺れる『短周期』のような激しさはありませんが、(震源地から)数百キロ離れた地域にも影響を及ぼします」(気象庁関係者)
前出の森タワーを管理する森ビルによると、この時、揺れは片側に最大25センチ左右あわせて50センチを計測していた。それでも「高い耐震基準を設けており、オイルダンパーなどの制振装置によって揺れを最大限軽減できた」(同ビル広報)という。
「新宿区の高層ビルでは、最大1メートルの揺れが10分あまりも続いた。OA機器が倒れたり、スプリンクラーが誤作動して水浸しになるなどの被害が出たビルもありました」(先の気象庁関係者)
東京のシンボルのひとつ、都庁も左右に1メートル程度しなり、震源域から約700キロメートル離れた大阪府の咲洲庁舎(大阪市住之江区、旧ワールドトレードセンタービルディング)は天井が崩落するなどの被害を受けた。
東京理科大の調査によると、関東にある超高層マンションの高層階の約6割でタンス、冷蔵庫、食器棚が倒れ、移動したりし、テレビや電子レンジが落下したりしたという。
大手デベロッパーの幹部は「首都圏で巨大地震が起きたら、マンション内にいる人のうち、家具の転倒などで負傷する人は万単位になるのでは」と警戒する。
「長周期地震動」が注目を浴び始めたのは2003年9月の十勝沖地震のころからで、同地震では、震源域から約250キロ離れた北海道苫小牧市の石油タンクが揺れ、火災が発生した。
「『長周期地震動』の揺れの影響は広範囲に及び、減衰しにくいという特徴があります」
こう説明するのは、建造物の耐震性などを研究する防災科学技術研究所「兵庫耐震工学研究センター」の阿部健一・運営監理室長だ。
阿部氏によると、「長周期」の揺れは断層のズレが長いほど出やすく、ビルの高さや地盤にも影響を受けやすいという。
「日本の都市部の多くは、河川の堆積平野の上に立っている。関東平野、濃尾平野、大阪平野はその条件に当てはまる。東京・名古屋・大阪はいずれも警戒が必要です」(阿部氏)
実際に「長周期地震動」に見舞われたら、どう行動すればいいのか。
「高層階で揺れに巻き込まれると、嵐の船室にいるような状態に陥ります。重いOA機器や家具は転倒の危険があり、(窓ガラスが割れたり)古いビルは天井が落ちてくる場合もある。下敷きにならないよう固定された頑丈な机の下に潜って危険を避けましょう」(同)。脱出しようとしてエレベーターを利用すると震動による緊急停止で長時間閉じ込められる恐れがあるため、絶対に乗ってはいけない。
「3・11」と今後、想定される巨大地震を踏まえ、約1万1000人が従事する都庁では、いまこんな対策を講じている。
「(庁内にいる職員、関係者に)移動や落下物で負傷しないために堅い物の下、例えば机の下に入り、頭を防御してもらうように訴えている。庁舎は『長周期地震動』でも壊れない前提でつくられているので、慌てず落ち着いて行動してもらうことも繰り返し説明している。今後、応急救護場も設置する計画です」(総務部庁内管理担当)
都内の超高層建築物に対しては「(家具、コピーなどを器具で固定し)堅い物の転倒を防ぐよう広報を通じて各市区町村に伝え、啓蒙を進めている」(総合防災部)。
生き延びるためには、落ち着いて行動することが肝要だ。
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