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知っておくだけで全然違います!M8 M9大地震そのとき最悪の場所にいても「生き延びる」方法を教えます
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31664
2012年02月02日(木) 週刊現代 :現代ビジネス
地下鉄に水が入ってきたら、高層ビルのエレベーターに閉じ込められたら、モノレールが海の上で止まったら・・・・・・ほか
近い将来、首都圏を襲うM8M9大地震。そのとき、どんな場所で揺れに襲われるかは誰にも選べない。「ここでだけは地震に遭いたくない」と思うような状況で被災したら、どうすればよいのか。
●水の少ないうちに上を目指す
■地下鉄に水が入ってきたら
首都圏大地震の際、地下鉄では、ゼロメートル地帯にある地表の換気口などから津波の水が浸入する可能性があることは、これまでも取り上げてきた。
だが、換気口以外にも地下鉄に水が入る可能性のある経路は複数ある。
実は、3・11の際には、東京メトロ飯田橋駅につながる地下道に水が流れ出すという事態が発生していた。現場は東西線と南北線・有楽町線の改札間を結ぶ地下通路と商業施設「ラムラ」の入るビル、飯田橋セントラルプラザの接続口だ。同ビル管理部によると、
「このあたりでは四谷方面から来ている水路が地下を通っているので、基本的に水気があるのです。原因は特定できていないのですが、地震の影響でその水路からの水が溢れ出た可能性が一番高いと思われます」。
首都圏の地下鉄は、皇居の堀や道路の下に隠れている河川、水路の下を通っている。大震災時に、これらの場所で大規模な水漏れが起こる可能性は否定できない。
危険なポイントはほかにもある。都市防災の専門家でまちづくり計画研究所所長の渡辺実氏は指摘する。
「地下鉄が地上に出る場所から水が入る可能性があります。特にそれがゼロメートル地帯や河川のそばにある所は危険性が高いでしょう。たとえば東西線の東陽町駅近くの地上車庫への出入り口や、南砂町駅の東にある荒川中川橋梁に向かう出入り口。満潮時などにこの近くの堤防が崩れれば、津波が来なくても地下鉄に簡単に水が入ってしまう。川の近くのトンネル内には防水扉が設けられていますが、水を100%遮断できるわけではありません」
政府の中央防災会議は台風や集中豪雨による荒川の決壊を想定して、地下鉄の浸水シミュレーションを行っている。それを参考に本誌が作成したのが次ページの図だ。グラフは各路線の線路の標高を表している。
もし荒川の堤防の一部が地震で崩れ、南砂町・東陽町付近から東西線が浸水したらどうなるのか、シミュレーションしてみよう。まずトンネルが深くなる木場駅近辺に水が溜まり始める。東陽町駅が水没する頃には、ほぼ同じ深さにある門前仲町駅が浸水。さらに東西線の下を走る大江戸線に水が浸入する。
ここから水はより低い月島駅方面に流れて行き、有楽町線へと進んで、豊洲・辰巳駅方面まで水が到達する可能性も考えられる。
では、もし自分の乗った地下鉄の車両が、浸水の始まったトンネルの駅と駅の間で止まってしまったら、どうすればよいのか。
拡大画像表示
http://gendai.ismedia.jp/mwimgs/3/d/-/img_3d6b6ebcf5b5a5158c6cc8cac33330f4269688.jpg
災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏は「あるレベルまで水かさが増せば、駅に到達することは困難になります。ただ、そうなるまでには相当の時間があるはず」という。
万が一、乗務員の指示誘導が受けられない最悪の状況で浸水が始まったら、水かさが増す前に線路に降り、とにかく高い方向目指して逃げることだ。図からもわかるとおり、トンネル内にはエリアによって、かなりの高低差がある。低い駅から高い駅に1駅移動するだけで被害を免れる可能性は高くなる。いつも自分が利用している駅周辺の高低差を確認しておくだけでも、助かる確率はグンと上がるはずだ。
高低差のチェックには、内閣府ホームページの防災情報のページにある「大規模水害対策に関する専門調査会」内の「地下鉄等の浸水シミュレーション」なども参考になるだろう。
ちなみに地下鉄トンネル内には「避難口はない」(東京メトロ広報部)ため、地下から脱出するには、とにかく駅を目指すしかない。トンネル内には、足元の壁面に最寄り駅の方向と距離を書いたプレートが貼られている。最寄り駅が近い場合は、水量の少ないうちに急いでそちらを目指し、駅から地上に出るとよい。
駅に着いても安心してはいけない。地上までは階段か、停電で止まったエスカレーターを歩いて登る必要があるが、多くの人が殺到すると、将棋倒しが起こり、圧死者が出る恐れもある。特にエスカレーターは、階段に比べて一段の段差が高いため転倒する可能性が増す。階段を使ったほうが安全度は高いだろう。
■モノレールが海の上で止まったら
東京モノレール広報は、
「震度5強以上の場合は緊急停止し、作業員が車両とレールを点検します。それで異常がなければ、次の駅まで徐行します」
と話しており、3・11でもこうした対応が取られた。だが、これは設備に大きな損傷がなかったためにできたことだ。震災の約1ヵ月前、2月4日に品川変電所でボヤ騒ぎがあった際には約2時間にわたって送電を回復できず、乗客が車内に閉じ込められる事態が起きている。首都圏が大地震に見舞われれば、さらに長時間の閉じ込めを覚悟しなければならない。
車体がレールから吊り下げられた懸垂式の千葉モノレールでは、先頭の運転席前部にある扉から布製スロープを下ろして脱出する方法も用意されている。
一方、車体がレールの上を跨ぐ跨座式の東京モノレールの場合は、隣の線路が使えれば、別の車両を横付けして橋渡しして乗り移る。もしそれが無理ならば、駅係員が人力で動かす手押し工作車が来るのを待って、車両の前後端にある扉から数人ずつが乗り移り、最寄り駅に移動するか、地上から消防のはしご車などで救助してもらうしかない。
だが、東京モノレールは複数の運河の上を通っている。もし海の上で車両が停止すれば、地上からの救助も期待できない。モノレールで被災すれば持久戦になることは避けられないのだ。まずは慌てず、じっと座って体力を温存することが重要だ。前出の和田氏も、自分でできることは少ないという。
「夏場にモノレールに乗るならば、熱中症対策もかねて、ふだんからペットボトルを持ち歩く習慣をつけておくとよいでしょう」
●スカイツリーから出てはいけない
■東京スカイツリーの展望台にいたら
全長634mの超高層建造物、東京スカイツリー。第1展望台は350m、第2展望台は450mもの高さに設けられている。
最新の免震・制震システムが導入され、3・11でも大きな損傷はなかったが、スカイツリーのような超高層建築物では通常の地震の揺れに加えて、ゆっくりとした大きな揺れが長く続く長周期地震動の影響を受ける可能性もある。構造物そのものは大丈夫でも、中で備品が滑って人に激突したり、窓ガラスを割る可能性がないとは言えない。緊急地震速報を受けたら、まずは窓などのそばから離れ、なるべく建物の中心に近い場所にある手すりなどを掴んで揺れに対処しよう。
エレベーターが止まっているので、下に降りるなら非常階段を使うしかない。だが第2展望台から地上までの段数は2523段。お年寄りや子どもはもちろん、大人でもいっきに降りるのは厳しい。
しかも、第1展望台の定員は2000人、第2展望台は900人で大勢の人が非常階段に押し寄せれば、将棋倒しが起こり、死者が出る恐れも十分にある。
どうにか地上に達したとしても、周辺は東京都の首都直下型地震の被害想定で火災被害が心配される木造密集地域だ。降りたはいいが下は火の海、という可能性もある。
建物自体は丈夫なので、焦って脱出するよりも、余震に注意しながら展望台に留まって状況を見極めるのが生き延びる道だろう。
■高層ビルのエレベーターに閉じ込められたら
地震を感知すると、エレベーターは自動的に最寄り階に停止し、扉が開く。だが万が一、その制御がうまくいかず、中に閉じ込められたら、救助が来るまでじっと待機する以外ない。ただし、こんなケースもある。
「エレベーターには、運行中にいたずらなどで扉が開かれた場合に、緊急停止するプログラムが組み込まれています。地震で停止したとき、ドアがずれて少し開いた状態であれば、それをこじ開けるのではなく、一度閉じてやると、箱が動き出す可能性があるのです。
それでもダメなら長期戦。階数パネルにある非常電話ボタンを押し続けてください。体力温存のため床に座り、声を張り上げずに扉を叩いて救助を呼ぶこと。
意外と役立つのがコンビニのレジ袋。閉じ込められている間の排泄物入れに使えます」(前出・渡辺氏)
■水上バスに乗っていたら
海上で地震に遭遇したらどうすればよいか。浜松町に近い日の出桟橋を主な起点に、浅草やお台場、豊洲などを結ぶ複数の水上バス路線を運航している東京都観光汽船によると、3・11の際、船ではほとんど揺れを感じなかったという。
「運航を中止して、お客さまを日の出桟橋に降ろしましたが、どなたも地震に気づいていませんでした。航路はおよそ30分程度なので、15分以内には地上に降りていただけます」
東京港内で水上バスに乗っていたら、津波が来る前に陸上に上がることができる。まちがっても緊急地震速報に慌てて、海に飛び込んだりしてはならない。陸に上がったら、なるべく早く高い建物に避難しよう。
■トイレや風呂に閉じ込められたら
日常生活の中で、もっとも無防備になるのが自宅のトイレや風呂に入っているときだろう。もしそこで地震に遭ったらどうしたらよいのか。前出の渡辺氏はこう解説する。
●トイレの水を流してはいけない
「実は、トイレや風呂は『壁率』が高く、比較的安全な空間です。壁率は部屋の耐震性の目安で、壁の長さや材質の強度をもとに計算されます。
たとえば窓のないトイレならドア以外の三方が壁なので、必然的に壁率は高くなります。近くにいて地震が起きたら飛び込んだほうがよいくらいです」
ところが、そこには出口が限られた空間ならではの問題が潜んでいる。建物が歪んでドアが開かなくなったり、家具などが倒れてドアを塞ぎ、長時間、閉じ込められることがあるのだ。
実際、2010年には廊下に置いてあったコタツが倒れて扉が開かなくなり、一人暮らしの女性が3日間もトイレに閉じ込められる事故が起きている。
万一、トイレから出られなくなったらどうするか。
「室内のドアはそれほど強固な作りではないので、あきらめずに体当たりしたり蹴ったりすれば開く可能性はあります。どうしても開かなければ助けを待つしかない。その際、大事なのは水を流さないことです。タンクには8~10Lの水があり、救出されるまで命をつなぐために必要となります。これは水の確保が難しい高層マンションで被災した場合にも同様で、いざというときの飲料水の備蓄として使えるよう、トイレタンクは常に清浄にしておくとよいでしょう」(前出・渡辺氏)
トイレや風呂ではなるべくカギをかけないこと、揺れを感じたらすぐドアを開け放つことも大事な心得だ。
一方、自宅の風呂ではなく、温泉や銭湯などの公共浴場で被災したらどうなるのか。さすがに素っ裸で飛び出すわけにはいかないだろうが、施設の備えはどうなっているのか。
「バスタオルは脱衣場に常時大量に置いてありますから、それで体を覆って避難していただきます」(大江戸温泉物語株式会社)
「非常時に備えて浴室近くにガウン状の服とスリッパを大量に用意しています。これを羽織っていただき、安全な場所まで誘導します」(ラクーアを運営する株式会社東京ドーム)
施設によって対策はまちまちだが、恥ずかしがっている場合ではない。割り切って係員の指示に従おう。
■手術を受けていたら
自分では何ともしがたいが、絶体絶命と思えるのが手術中の被災。せめて病院にどんな備えがあるのか、知っておいて損はない。緊急地震速報の運用開始前から、医療現場での活用法を研究してきた国立病院機構災害医療センターの堀内義仁災害対策システム研究室長に解説してもらおう。
「緊急地震速報が鳴ると、執刀医は手術を中断してメスなどを置き、手術部をガーゼで覆い、患者が転落しないよう支えます。看護師たちは器具台や手術のライトを遠ざけ、麻酔医は呼吸器が動いて患者さんの気道に挿入している管が抜けないように、一時的に呼吸器のチューブを管から外し、頭部を支えます」
これらは『緊急地震速報対応簡易行動マニュアル』としてまとめられ、全国にある国立病院機構の病院や災害拠点病院、大学病院に配布された。
だが堀内氏によると「こうした運用はまさにこれからの課題」で、このマニュアルをもとに、手術中に地震が起きたという想定で訓練しているところは少数ではないかという。
東京医科大学病院で医療の安全管理室長を務める相馬孝博中央手術部長はこう語ってくれた。
●病院は安全か?
「当院では緊急地震速報は危機管理センターに入り、手術室に直接入るようにはなっていません。そこから連絡がきたとき、手術を中断するか否かはケース・バイ・ケースです。
たとえば胃がんの手術なら、お腹を開いてすぐ地震が起これば閉じますが、胃を取り出す直前までいっていたら一通り手術が済むまで続行しなければならない。執刀中、ドクターは集中しきっているので、3・11の際にも『なぜ患者さんの体がずれていくんだ?』と地震に気づかなかった人もいました。
設備面では、停電後1分以内に自動的に切り替わる自家発電装置があり、数日はもちます。また院内の各所に酸素を供給する中央配管というパイプが張り巡らされていますが、建物の中でもっとも丈夫に作られているものだそうです」
相馬氏は3・11以降、外科医なら誰でも執刀中に地震になったらどうするかを考えるようになっただろうと話す。
私たちにできることは、手術の前、ドクターに手術中、地震が起きたらどうなるのか尋ねてみること。病院の対応を教えてもらえるだけでなく、ドクターへの注意喚起にもなるだろう。
■動物園で猛獣の檻の前にいたら
楽しく、心なごませる空間のはずの動物園も、大地震に遭えば、たちまち獣たちに囲まれた不安な空間に様変わりしてしまう。サバイバルするには、どうしたらよいのか。上野動物園教育普及係に話を聞いた。
「動物を囲う檻やコンクリート壁はビルより強固に造られており、倒壊して動物が逃げ出すことは考えにくい。ただ、地震で樹木が倒れ、それを伝って動物が逃げ出すことはありうるので、その場合の訓練を2年に一度はやっています」
実際、阪神・淡路大震災で被災した神戸市の王子動物園でも、施設はかなり古かったにもかかわらず、大きな破損で動物が逃げ出す事態にはなっていない。
地震の際に暴れるような動物はいないのだろうか。
「たとえばゾウは足裏で低周波振動を感じることができるので、3・11の際には本震が来る前からかなり騒ぎましたし、トラやライオンなどの肉食獣も興奮して走り回っていました。
万が一、動物が檻から出たら、お客さまには安全と思われる1ヵ所に集まっていただき、動物は人から離れた安全な場所に誘導してから麻酔銃で眠らせ、檻に帰します」(同前)
一方、動物たちが放し飼い状態になっているサファリパークではどうなのか。
「地震が発生したら、各エリアに必ず2台いるレンジャー車両がお客様をゲートの外に誘導し、駐車場に避難していただきます」(富士サファリパーク広報)
大地震となれば動物たちも混乱する。もし猛獣たちのそばにいて地震が起きたら、パニックを起こして車から飛び出したりせず、静かに待つことが肝心だ。
迫り来る首都圏大地震。危機に陥ったとき、ここにあげたちょっとした知識を知っておくだけで、生き延びるチャンスを掴むことができるのだ。
「週刊現代」2012年2月4日号より
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