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大反響もっと具体的に、もっと詳しく 大地震から命と家族を守る これが正しい判断 (週刊現代) 
http://www.asyura2.com/11/jisin17/msg/745.html
投稿者 赤かぶ 日時 2012 年 1 月 27 日 07:20:12: igsppGRN/E9PQ
 

大反響もっと具体的に、もっと詳しく 大地震から命と家族を守る これが正しい判断
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/31625
2012年01月27日(金) 週刊現代 :現代ビジネス


 その電車から降りるべきか? 家の外に出るべきか?みんなと一緒にいるべきか? 高速道路は出口まで走り続けるべきか?---大地震でいちばん怖いのは「殺到」「パニック」。地震でなく、地震後に死ぬ。知識があれば、あなたは助かる

■火を消しに行かない

 不気味な予兆を見せる首都圏大地震。自宅で、通勤電車で、会社で—その際、自分と家族の命を守るにはどうしたらいいのか。

「私は、阪神・淡路大震災のときには大阪市北消防署の署長でした。この地域では震度5強の揺れを観測しています。ところが地震が起きて、みんなすぐに家から飛び出してきたものの、そのままじいっと立っている人がたくさんいた。東日本大震災の聞き取り調査でも、自宅から出ても空や海を眺めていた人が多かったのです。津波から身を守るための、次の行動がなかなかできないんですね」

 と語るのは大阪市で消防署長などを歴任した防災アドバイザーの森田武氏だ。これについて災害時の心理に詳しい新潟青陵大学の碓井真史教授はこう解説する。

「大きな不安や恐怖に直面すると、人間は『退行』という現象を起こします。幼児のように感情的・暴力的になり、判断力が大幅に低下して何をしたらいいかわからなくなるのです。

 災害時には普段考えていないこと、やったことのない行動はまずとれない。一見『バカバカしい』と思える基本的な知識をもっていることが命を救うのです」

 ではまず、多くの人が長い時間を過ごす自宅で大地震に見舞われたら、どうすべきか考えてみよう。

 揺れ始めた直後、「家を飛び出す」のと、「屋内にとどまる」のはどちらがよいか。災害社会学が専門の中森広道日本大学教授は「外に出てはいけない」と力説する。

「阪神・淡路大震災や新潟県中越地震などで建物自体が潰れたケースが報道され、外のほうが安全というイメージが広がったのですが、むやみに外に飛び出すほうがずっと危険。転倒や、ガラスや瓦、壁などの落下物でケガをする可能性が高い。まずは屋内で揺れをやりすごすのが正解です」

 かつては、地震がきたら火を消すことが最初にとるべき行動とされていたが、これも現在では推奨されていない。

「火のそばに行って火傷をした、倒れてきた食器棚や家具類でケガをしたなどの事例が多発しています。地震発生時には、火よりもまず、身の安全を図ってください」(東京消防庁防災課)

 東京ガスの場合、メーターが震度5以上の揺れを感知するとガスが自動的に止まる仕組みになっている。火を使っているとき地震に遭っても、過剰に慌てる必要はないのだ。

 防災用具を取りに行こうとするのも同様に危険だ。

「ヘルメットなどがあればかぶったほうがいいのですが、離れた場所に保管してあるなら、その場で間に合うもので頭部をガードしてください」(前出・中森氏)

 やはり身を守るのが最優先なのだが、前出の森田氏はその際に忘れがちなポイントを指摘する。

「防災関連の冊子の挿絵でも忘れられていることがあるのですが、机の下に待避する際は脚をしっかり握ること。揺れで机が移動してしまうのを防ぐのです」

■人間は「逃げ遅れる」生き物

 最初の揺れをやりすごした後の行動は建物の耐震性によって変わる。

「鉄筋コンクリート造りなどで柱の太い建物、木造でも耐震補強がなされている住宅などでは中にとどまってもよいのですが、倒壊の危険がある場合は、落下物に注意しながら早く屋外に退避してください。阪神・淡路大震災では住宅等の倒壊による圧死が死者の80%を超えています」(同前)

 大地震の際は大きな余震もつづく。はじめは何とか耐えたとしても、繰り返す揺れで倒壊してしまう家屋も少なくない。とはいえ、自宅の耐震性がどの程度かわからないという人も多いだろう。それを知るためにもっとも確実な方法は、自治体などが勧める耐震診断を受けることだ。

 もっと手っ取り早く危険性の大小を知りたければ建物が建てられた時期をチェックするとよい。都市防災の専門家でまちづくり計画研究所の渡辺実所長が語る。

「マンションやビルの場合、1981(昭和56)年5月以前に着工したものは耐震基準が緩かったため、危険です。阪神・淡路大震災の例を見ても、『座屈』(柱が折れて階が潰れる現象)を起こした兵庫警察署などはこうした旧耐震基準の建物でした」

 大型マンションや勤務先のビルなどで築年数がわからない場合は玄関付近を調べるといい。竣工年月日(完成日)や工務店名を刻んだ「定礎」というプレートが埋め込まれているはずだ。

 旧耐震基準の建物でも、その後、適切な耐震補強が行われていれば安心だが、その実施状況は建物の管理者に確認するしかない。

 もし、地震に遭った際に、コンクリートの柱にX字の亀裂が入るようなら要注意だ。座屈を起こし、その階が潰れる可能性が高いので、すぐに避難しよう。

 戸建て住宅の場合は、建設されたのが'95年の阪神・淡路大震災以前か以後かがひとつの目安になる。これ以後、多くの住宅メーカーが耐震性を競って多数の耐震金具を取り入れたからだ。特に'90年代末以降に建てられた住宅の場合は信頼性が高い傾向にある。

 JRや地下鉄など、電車に乗っているときに気をつけるべきことは何だろうか。

 本誌のこれまでの「特集」では、死者107名を出したJR西日本福知山線事故の教訓から、できれば前方の車両を避けることや、車両内では戸袋近くの手すりに掴まるか座席に座って、突然の衝撃でも体を固定できる場所にいるのがよいことなどを取り上げてきた。

 だが、もし大地震が発生すれば、もっとも多く起こる事態は脱線・衝突事故よりも、停止した車両内での長時間の閉じ込めだと考えられる。そのとき非常用のレバーを操作し、ドアの外に逃げ出してよいのか。

「基本は車両内にとどまること。乗客が無秩序に線路に降りると鉄道会社が事態の収拾に追われ、余計に対応を遅らせます。鉄道が当分、復旧不能な大地震でも、まずは係員の誘導を待つべきです」(前出・渡辺氏)

 だが、地震の規模や周りの状況によっては脱出せざるを得ない場合もある。その際、特に気を配りたいのは、車両の外の正確な状況だ。災害危機管理アドバイザーの和田隆昌氏は語る。

「阪神・淡路大震災では多くの駅舎が倒壊し、橋脚も崩れました。都会の町中を走る鉄道では、線路の脇には耐震性の低いビルが建っていることもあります。こうした周辺の建築物が崩れてくるようなことになれば、車両に危険が及ぶ可能性もあるのです」

 そうした状況で係員の指示が受けられない場合は、隣の線路に電車がやってこないかを常に確認しながら線路に降り、避難しよう。

 地下鉄でも基本は同じだ。

「いちばんやってはいけないのが、勝手に線路に降りること。感電の恐れがある路線もありますし、後続の電車などにひかれるかもしれない。車内にとどまり、乗務員の指示に従ってください」(警視庁災害対策課)

 感電の危険があるのは線路近くに電線が通っている第三軌条方式と呼ばれる路線。東京メトロ広報によると銀座線と丸ノ内線がこの方式をとっているという。

 しかし、地下鉄でも係員の指示が期待できない最悪の状況下では、自分で車両から出る判断をしなければならないかもしれない。

 地下鉄には、地上の鉄道とはちがうさまざまな危険性がある。たとえば、浸水だ。本誌の取材に対して、東京メトロは、ゼロメートル地帯の道路上などにある蓋のできない換気口から、津波による水がトンネル内に流入する恐れがあることを認めている。

 また、地下鉄で火災が発生する場合もあるが、危険なのは「逃げ遅れ」を生む人間の心理だ。前出の碓井教授は警告する。

「'03年に韓国の大邱市で198人もの死者を出した地下鉄放火事件が起きました。このとき被害が拡大したのは『正常化バイアス』と呼ばれる心の働きが原因ではないかといわれます。

 放火犯ははじめ、駅に停車していた車両に燃料をまいて火をつけました。3分後、反対ホームに入ってきた車両は自動的に電源が落ちて動くことができなくなったのですが、乗客たちは黒い煙がどんどん入ってくるにもかかわらず、『命に関わるほどではない』と思い込んで、そのまま座席に座っていた。こうして、多数の人が命を落としました。

『正常化バイアス』は、このように事態を過小評価する心理的傾向のこと。たとえば多くの人は、多少お腹が痛くても、『まあたいしたことはないだろう』とやりすごす。いちいち『大変な病気かもしれない』と思っていたら神経がもたない。この心の性質が逃げ遅れを発生させてしまうのです」

■「群集なだれ」現象で圧死者が

 万が一、地下鉄の線路に降りることになったら、何に気をつければよいのか。

 東京メトロによると、「列車を動かすことが不可能と判断され、お客さまが線路を通って避難する必要のある場合は、足元の第三軌条も通電を切るため、感電の心配はない」という。

 係員の誘導があれば従うのが最良だが、それがなければ、まずトンネルの壁面に張られた小さなパネルを探すといい。最寄り駅の方向と距離が書かれている。

 地下鉄のトンネル内は場所によってはかなりの高低差があり、坂になっている所もある。浸水が激しい場合には、とにかく坂の上を目指そう。

 煙など火災の兆候を感じたら、指を舐めて立ててみる。わずかでもひやりとする方向から風が吹いているので、風上に逃げるとよい。風下に逃げると火や煙に巻かれる可能性が高くなる。これは地上の路線や自動車のトンネル火災の場合にも応用できるテクニックだ。

 高速道路などで自動車の運転中に地震に遭ったらどうするか。レインボーブリッジなどの計画に関わった、東京大学大学院工学系研究科の藤野陽三教授によると、いちばん恐いのは自動車同士の衝突だという。

「激しい揺れを感じたからといって、慌ててブレーキをかけるのは危険です。追突されて玉突き事故になり、動けなくなった車が道路を塞ぐ恐れがあります。そうなると消防車や救急車など緊急車両も通れなくなり、被害がますます拡大することになる。同じ理由で、車両を道の真ん中に放置して逃げるのもまずい」

 首都高速道路株式会社に訊くと、車両を停止させた後、もし火災などで高速道路上にとどまるのが危険な場合は、エンジンを切り、約1km間隔(トンネル内では約400m間隔)で設置されている非常口から避難してほしいという。この際、キーはつけたまま、ドアもロックせずに車を離れる。こうしておけば救急隊などが必要に応じて速やかに車を動かすことができる。

 車を停めずに運転を続けて逃げてはいけないのだろうか。前出の碓井教授は危険が大きいと指摘する。

「3・11では、津波が迫っていて高いところに逃げなければならないのに、ひたすら平地を走って逃げようとしたとか、普段ならどうということもない角が曲がれず、エンストを起こしたなどの証言があります。いずれも正常な運転能力が失われているのです」

 揺れを感じて、慌てて高速の出口を目指して突っ走るなどは言語道断だ。

 大都会・東京では、ラッシュ時の駅やデパート、イベント会場など至るところに大群集が集まっている。また3・11のように大震災の際には多くの人がいっせいに自宅を目指すため、駅や幹線道路が帰宅難民で埋め尽くされる可能性がある。

 こうした群集の中にいてパニックに巻き込まれたらどうすればいいのか。

 群集の流れ方や交通渋滞など、さまざまな「渋滞」を数理シミュレーションをもとに研究している東京大学先端科学技術研究センターの西成活裕教授の指摘は、背筋が寒くなる内容だ。

「人が殺到して1m2あたり4~5人集まると身動きがとれなくなり、6人を超えると失神する人が出てきます。失神した人はストンと下に崩れ落ちますが、その人が抜けた空間に向かって、周囲からいっせいに押し込む力が働きます。すると最初に失神した人の周囲の人も、圧力を受けて次々と倒れていく。ブラックホールのように人を吸い込む連鎖が起き、圧死者も出ます。『群集なだれ』と呼ばれる現象です」

 ひとつの例が、'01年7月に兵庫県明石市の花火大会で起こった歩道橋事故だ。駅と会場の間に架かる橋を行き来する見物客がひしめき、互いに逆方向に進もうとする流れがぶつかり事故が起きた。このときの人口密度は1m2あたり13~15人。「群集なだれ」によって、子供やお年寄りなど11人が圧死した。

「歩道橋の手すりが変形していてわかったのですが、圧力が600kmもかかった場所もあったのです。これでは人は簡単に圧死する。こうした事故やパニックは主に『ボトルネック』で発生します」(前出・西成氏)

■非常階段は危険

 ボトルネックとは、通路が細くなったり、角になっていたりして、人の流れが滞る場所のことだ。

「たとえば階段では、人の移動の速度は平地の2分の1に落ちる。立派なボトルネックです。私は階段を見ると『あそこは見た目の半分の細さの通路だ』と思うようにしています」(前出・西成氏)

 階段の危険性は、建築の専門家も指摘している。高層建築に詳しい東京理科大学の北村春幸教授は、

「特に高層ビルの場合、非常階段は全階にいる人がいっきに避難するようには設計されていません。震災時はエレベータが止まるので階段で下りるしかないのですが、その幅は火災が起こった場合などに、ある一定の階の人が上下階に逃げることを想定して作られています。もし『ただちに全館避難しろ』などと館内放送すれば、パニックが起きるかもしれません」

 こうした混乱に巻き込まれないためには、むやみに群集と一緒に動かないことだ。流れを妨げる柱やポールの裏側などは安全地帯になるので一度そこで心を落ち着かせ、どう動くべきか周囲を見渡すとよい、と前出の西成教授は指摘する。

「『みんなはこう動くだろうから、自分はあちらに行こう』という一段、客観的な視点を持つことが必要になります。また、目の前の階段や通路だけでなく、他のルートもないか考えることも大切。たとえば地下にいる場合は、建築基準法により、60m以内に脱出ルートが必ず2ヵ所以上ある。みんなが1ヵ所に殺到しているようなら、もうひとつの脱出ルートを探してみるとよいでしょう」

 万が一、流れに巻き込まれてしまったら、無理にあらがってはいけない。周囲の人を押したりすれば、そこに空間ができて圧力がかかり、自分が押されることになる。ゆらゆらと身を任せるほかないのだ。

 現在、東京都では震災時に会社や商業施設から出た人々が無秩序な大群集になるのを避けるため、各事業者に従業員や客を建物内にとどめることや食料や毛布などの備蓄を義務付ける条例の制定を検討している。もし都心の会社や出先にいたら、無理に動こうと焦るのではなく、その場にとどまることでパニックを避けられることもあるのだ。

 大地震の揺れを生き延びた後、いちばん怖いのは不安にかられた人間そのものだ。そのとき、冷静さを取り戻し、自分と家族の命を救うために必要なのは、あなたの知識なのだ。


「週刊現代」2012年1月28日号より


 

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