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「M9」級の震源域が判明!迫り来る“次なる巨大地震”
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120126/dms1201261539018-n1.htm
2012.01.26 夕刊フジ
茨城県沖から北海道まで、東日本大震災に匹敵するマグニチュード(M)9級の超巨大地震を引き起こす震源域が4つ存在することを専門家が突き止めた。1000年程度の間隔で地震が繰り返されてきた可能性がある。津波堆積物など過去のデータを分析した専門家は、「三陸沖北部などは“次”が迫っている」と懸念。ここが震源となれば、「3・11」で甚大な被害を受けた東北の沿岸を含め、北海道にまで津波が押し寄せる恐れがあるという。
東日本大震災の震源域になった三陸沖南部。ここで発生した巨大津波は岩手、宮城、福島はおろか、関東地方にも押し寄せ、人、家屋、建物を容赦なく飲み込んだ。
北海道大学の平川一臣特任教授(自然地理学)は「3・11」後、過去に津波が起きた際に流された津波堆積物を宮城県から北海道にかけて徹底分析し、巨大津波を引き起こす大地震の震源域を割り出した。
26日発売の専門誌「科学」(岩波書店)に発表したもので、「3・11」に匹敵するM9級の超巨大地震が、三陸沖の太平洋から北海道で過去3500年間に7回以上発生し、大津波が沿岸を繰り返し襲ったことを突き止めた。
北海道根室市−宮城県気仙沼市の400地点以上で確認された津波堆積物の年代比較によると、「3・11」を除く7回分の年代が沿岸全域でほぼ一致。調査結果から千島海溝と日本海溝沿いに震源域が4つあると推定、7回のうち、約2400年前と約3500年前は複数の震源域が同時に活動した可能性があるとしている。
平川特任教授は「4つの震源域は数百年から1000年の異なる間隔で地震を繰り返しており、同時や連続発生もあり得る。沿岸地域は常に4方向からの津波を警戒しておくべきだ」と指摘。この分析結果は各地の防災、避難計画に大きな影響を与えそうだ。
今回、平川特任教授は、堆積物の位置から津波の高さを推定できる海岸沿いの崖や小規模な谷を中心に北海道根室市から青森県、岩手県、そして宮城県気仙沼市までの地点を調査した。津波堆積物をこれほど広範囲に調査し、年代を検証した研究は初めてだ。
放射性炭素や土器、噴火時期が分かる火山灰層との上下関係から年代を調べたところ、沿岸一帯で17世紀初頭(1611年の慶長三陸地震など)、12−13世紀、869年の貞観(じょうかん)津波、約2000年前、約2400年前、約3000年前、約3500年前とみられる堆積物を確認。ほぼ同時期に津波が広範囲に押し寄せたことを裏付けた。
平川特任教授は堆積物の分布状況や震源域が近いことを示す地殻変動の痕跡を照らし合わせた結果、震源域は(1)根室−色丹島(北方領土)沖(2)襟裳岬−十勝−根室沖(3)陸奥−陸中の三陸沖北部(4)東日本大震災が起きた陸中−常磐の三陸沖南部の4カ所と想定。約2400年前は(2)と(4)、3500年前は(1)と(2)(4)がほぼ同時期に活動したと推測している。
繰り返し間隔は震源域(1)が300〜1000年(2)は1000〜1300年(3)は1000〜1200年(4)は500〜1150年という。
平川特任教授は「前回から約400年が経過した根室−色丹島沖と、大地震の空白域になっている三陸沖北部は次が迫っている可能性が高い」と警鐘を鳴らす。
「特に三陸沖北部で巨大地震が引き起こされると、東日本大震災で(40メートル級の)津波に襲われた岩手県宮古市をはじめ、北海道南部の噴火湾、さらに(道東の)釧路から根室まで津波が到達する恐れもある」と指摘。「東日本大震災が例外なのではなく、巨大地震と津波の存在を現代人が知らなかっただけ。避難計画や町づくりを再検討してほしい」と警告している。
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