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宝永地震はM9の可能性も 静岡大客員教授が発表
http://sankei.jp.msn.com/west/west_life/news/111012/wlf11101220410016-n1.htm
2011.10.12 20:33 産経新聞
東海・東南海・南海地震の震源地になるとされる南海トラフで江戸時代に起こった「宝永地震」(1707年)はマグニチュード(M)9クラスだった可能性が、静岡大学防災総合センターの石川有三客員教授の研究で判明し、12日、静岡市で始まった日本地震学会で発表された。宝永地震は、これまでM8・6で西日本最大の地震とされてきただけに、今回の研究成果は東海・東南海・南海地震対策に影響を与えそうだ。
石川客員教授は「東日本大震災の発生により、M9地震の震度分布や、その後の余震の震度分布が明らかになったことから、宝永地震との比較が可能になった」としている。
石川客員教授は、宝永地震による震度分布と、発生から1カ月間に、余震が起きた地域の面積を東日本大震災と比べた。
その結果、震度6だったエリアは、宝永地震が590キロで東日本大震災の450キロを上回った。また、余震域の面積は、東日本大震災の1・4倍だった。
こうしたことから、石川客員教授は「宝永地震の規模はM9・1〜9・3の大きさだった可能性が高い」としている。
東海・東南海・南海地震をめぐっては、東日本大震災後、宝永地震の震源域が日向灘沖まで広がっていた可能性が指摘されたり、大きな津波被害を起こしたとされる慶長地震(1605年)タイプと宝永地震タイプが連動した地震が発生する可能性なども新たに検討されたりしており、M9クラスの地震モデルの構築が進められている。
しかし、石川客員教授は「従来の宝永地震だけでも東日本大震災より大きな地震だった可能性がある。新しい地震モデルを求めることより、宝永地震がどのような被害をもたらしたのか、実態を改めて調査検討し直す必要がある」としている。
またこの日、石川客員教授の発表に先立ち、地震予知総合研究振興会・地震調査研究センター解析部の松浦律子部長も、「東海・東南海・南海地震が3つ連動したと考えられてきたが、宝永地震に関する過去の研究や文献を精査した結果、全く別物の巨大地震だった可能性がある」として、宝永地震を再調査する必要性について訴えた。
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