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http://www.nature.com/nature/journal/v475/n7356/fp/nature10227_ja.html?lang=ja
地球:2011年に起こったマグニチュード9の東北地方太平洋沖地震の地震時および地震後のすべり
大地震のほとんどは、海洋プレートが大陸プレートの下に沈み込む場所である海溝沿いで発生している。モーメントマグニチュード Mw が9となるような巨大地震が起こったことが知られているのは、チリ、アラスカ、カムチャツカ、スマトラなどの限られた数か所のみである。太平洋プレートがオホーツクプレートの下に沈み込む日本海溝沿いでは、 Mw = 9の地震の歴史的記録はなく、その例外と考えられる西暦869年の貞観地震については、そのマグニチュードが十分に絞り込まれていない。しかし、最近の測地観測からこの地域で見積もられている歪み蓄積速度は、過去のプレート間地震で解放された平均的な歪み速度よりもずっと高い。この知見から、この地域では蓄積された歪みがどのようにして解放されるのか、その仕組みについて疑問が生じる。2011年3月11日に発生した Mw = 9.0の海溝型巨大地震(以下では東北地方太平洋沖地震と呼ぶ)は、東北日本太平洋沖のプレート境界を破壊した。本論文では、全地球測位システムに基づく観測網を用いて観測された地表の変位から決定された地震時および地震後のプレート間すべりの分布について報告する。地震時のすべり領域は日本海溝に沿って約400 kmにわたって広がっており、これは地震前の固着域と一致している。地震後のすべり領域は、地震時のすべり領域と重なるところから始まり、その周辺に広がっている。特に、地震後のすべり領域は、2011年3月25日の段階で、深さ約100 kmのところまで広がり、解放したエネルギーは Mw = 8.3に達している。東北地方太平洋沖地震は数百年分の歪み蓄積量を解放したため、歪み収支不均衡に関するパラドックスが部分的には解消されたと考えられる。今回の地震は、過去にそのような大地震の証拠がない場合でも、他の海溝系に沿って Mw ≈ 9の地震が起こる可能性を示している。したがって、宇宙測地技術による歪み蓄積の監視は、地震発生の可能性を評価するうえで必須である。
http://www.nature.com/nature/journal/v475/n7356/full/nature10227.html
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