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平泉が世界遺産に 東北を照らす希望の光
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「平泉の文化遺産」が、晴れて世界共通の人類の宝として認められた。
「登録延期」と結論づけられた前回2008年のユネスコ世界遺産委員会から3年。構成資産を絞り込み、満を持しての挑戦が実った。
事前に平泉を現地調査した国際記念物遺跡会議(イコモス)は6資産のうち、柳之御所遺跡を除外する条件付きで「登録」勧告を出していた。
委員会でもイコモス勧告を覆せず、柳之御所遺跡が除外されたのは残念だが、推薦書作成委員会の工藤雅樹委員長(故人)をはじめ、関係者の努力と熱意に敬意を表し、県民全体で喜びを共有したい。
今回の委員会では「東洋のガラパゴス」と呼ばれる小笠原諸島も世界自然遺産に登録された。これで日本の世界遺産は文化遺産12件、自然遺産4件の計16件になる。
中でも平泉は、文化遺産として東北・北海道で初めて選ばれた。その意義は大きい。
ユネスコは近年、世界遺産の価値を守るため、新規登録を抑制する傾向にある。国内では既に法隆寺地域の仏教建造物(奈良県)や古都京都の文化財(京都府、滋賀県)、日光の社寺(栃木県)など、平泉と同じ仏教関連の社寺が世界遺産に登録されている。
その中で新たに平泉が選ばれたのは、金色堂に代表される世界に誇る文化に加えて、前九年、後三年の長い戦いを経て、敵味方の区別なく戦乱で倒れた犠牲者の霊をいたむ「中尊寺建立供養願文」に込められた非戦と平和への願いが、世界に正しく評価された結果と受け止めたい。
金色堂をはじめとする平泉の文化財保存のうえで、1950年から始まった藤原四代の遺体学術調査と62年から行われた金色堂の解体保存修理は特筆される。
中尊寺の佐々木実高師(故人)らが立ちあがり、各方面に働きかけた結果、傷みが激しかった金色堂はよみがえった。たゆまぬ先人の努力が、今回の世界遺産登録につながったといえよう。
毛越寺では毎年1月20日夜に二十日夜祭が行われ、国重要無形民俗文化財の延年舞が奉納される。毛越寺や中尊寺に連綿と伝わる祭礼や営みは、戦後の農地改革で両寺が経済的に困窮した時も途切れることはなかった。住民が両寺に愛着と信仰心を持ち、支えてきたからだ。
世界遺産登録は、遺産を後世にしっかり伝えていくことを世界に約束することを意味する。そのためには県民の理解と協力が欠かせない。
本県をはじめ東北は今、巨大地震と大津波で受けた災害から必死で立ちあがろうとしている。今回の朗報が、東北再生への希望の光となることを心から期待したい。
(2011.6.26)
http://www.iwate-np.co.jp/ronsetu/y2011/m06/r0626.htm
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世界遺産:「平泉、価値は十分」 ユネスコ委員会参加者ら、復興の象徴に賛同 /岩手
◇パリのユネスコ委員会参加者ら
【パリ福原直樹】「日本人は震災に直面し素晴らしい行動で、我々に手本を示してくれた」。「平泉」の世界遺産登録を審議するパリのユネスコ(国連教育科学文化機関)の委員会で、各国の参加者らは口々にそう語った。「無論、『平泉』登録は客観的評価の結果だ。世界遺産の価値は十分にある」。参加者らはそう話す一方、「会議場には(各国の)日本への連帯のシグナルがある」と語った。
「『平泉』は素晴らしい候補だ」。パリ中心部のユネスコ本部。会議場わきで、ベトナムのチャウ特命大使が話した。「『平泉』は、仏教の極楽浄土の考え方や、日本の宗教的な生活様式を見事に体現している。世界遺産登録は当然のことだ」
大使はこうも強調した。「震災に直面した日本人の勇気と、その回復力に敬意を表する。それは我々に『手本』を示した。会議場には危機を乗り越えようとする日本への連帯のシグナルがある」
一方、イタリア文化省の世界遺産担当、ギド局長は、「日本が世界遺産の登録レベルを高めている」と発言。「平泉」など、日本が世界遺産を申請する際、いかに「高い水準」を守っているかを評価した。局長はまた、「『平泉』の登録は、日本にとって、回復への大きな原動力になるのでは」とも話す。
22日にフランス入りした達増拓也知事は仏政府関係者との会合などで「平泉を『復興の象徴』に」と訴えてきた。これに対し、ユネスコの元幹部として、長く世界遺産を担当してきたラムジ氏(エジプト)は「知事の意見に賛同する」と発言。「日本は世界遺産を発展させるリーダー的存在だった。『平泉』が復興に一役買えばうれしい」と話した。
「平泉」の交渉を行うパリの日本政府高官は、「『平泉』の評価が高いのは、各国への説明の仕方を分かりやすくしたのが一因だと思う」と発言。一方で、「会議場では参加者からの日本への連帯意識を感じる」と話している。
◇役場で吉報待ちわび
世界遺産を目指す「平泉の文化遺産」は、25日夜にパリで開かれている世界遺産委員会で審査され、遅くても26日未明には登録の可否が決まる見通しだ。当初の予定より審査が大幅に遅れており、地元の平泉町役場では担当者らが吉報を待ちわびた。登録が決定すると、東日本大震災で被害を受けた県内の被災地にも大きな希望を与えそうだ。
町によると、24日夜にも決まると想定していたが、既に登録されている世界遺産の保全状況審査に時間がかかり、「平泉」を含む新規登録物件の審査が遅れているという。
結局、新規物件は日本時間の24日午後6時ごろから始まった。審査は自然遺産8件、複合遺産3件、文化遺産24件の計35件で、この日は10件が終了。審査は25日もあり、「平泉」は13番目に予定されている。
「平泉」は、ユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議」(イコモス)で、柳之御所遺跡の除外を条件とした登録を勧告しており、世界遺産登録は確実とみられている。
【湯浅聖一】
毎日新聞 2011年6月26日 地方版
http://mainichi.jp/area/iwate/news/20110626ddlk03040006000c.html
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