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2011/06/08
6月8日(水)菅首相の退陣時期、会期延長問題などをめぐって国会では水面下の動きが激しい。いま政治の原点に置くべきは被災地と被災者の復興だ。
福島県の浪江町、双葉町、飯舘村から避難した住民に話を聞いて、その思いを強くした。現場には切り取られたテレビ映像などからは見えてこない現実がある。原発被害から逃れた住民に話を聞いたのは中ノ沢温泉で明治19年から開業している扇屋旅館だ。
竹村文近さんとお弟子さんたちが60人以上の被災者に鍼灸ボランティアを施している間に話を伺った。中ノ沢温泉には約230人、リステル猪苗代には約780人が避難している。
東電からは5月24日ごろに仮払金(生活費)が支払われた。1人は75万円、2人以上の家族は100万円。たとえ5人家族でも一律に100万円だ。しかもいつまでの仮払金かもわからない。被災地では仮設住宅や借り上げ住宅に入れば、食料や物資の支援は打ち切られる。水道料金も電気料金も自分たちで払っていかなければならない。生活の不安があるから、仮設住宅が当たっても多くが入居しないのは、そんな理由がある。
「仮払金があったって、借金を返したり、地震で壊れたので中古車を買ったりして、先の見通しがないんだ」と嘆く男性がいた。ある男性の母親は特養ホームから避難して、新しいホームで亡くなった。「うちに帰りたいって言っていてなあ。集団生活している場所に位牌を置くのも気が引けて、せめて自宅の仏壇に持っていきたい。でも許可が出ないんですよ」とある男性は困惑を示した。一時帰宅の申請を出しても1か月以上かかると役場に言われたそうだ。時間がかかるのは線量計が足りないからだという。
大震災が起こって家の中は混乱したまま原発事故で避難を求められた住民が多い。一時帰宅したとき瓦屋根や壁が壊れたために、雨漏りがしていることを発見した住民も多い。「その補償はどうなるのか。保険会社に聞いたら、写真を持ってこいって。屋根に上って撮れっていうんだけど、一時帰宅の2時間じゃあ無理だよ」。
放射線量の問題もあり、住民が自宅に戻れる日はわからない。「3年ぐらいかかると覚悟しているよ」「でも仕事もない。ハローワークに行ったら、39歳以下の求人ばかりで」。男性たちは口々に厳しい現状を語った。
原発被害で避難した住民の家屋は全壊並で補償をすべきだ。政府と東電は放射能被害の見通しを明らかにして、住民に先行きの見通しを示すべきだ。「3か月で3か所めなのよ」と女性が嘆けば、横にいた高齢女性は「あら、私は5か所めの避難所」と語った。
「これからのことを思うと眠れないんです」と涙ながらに語った女性の言葉が、避難民の気持ちを象徴している。着の身着のままで家を追われた避難民にとって、いまいちばん必要なものは、金銭的補償や住宅の提供の前提として将来展望なのだ。
投稿日 2011/06/08
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