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これだけある巨大地震の前兆
http://gendai.net/articles/view/syakai/130637
2011年5月25日 掲載 日刊ゲンダイ
なんだ、この余震の多さは…
東日本大震災からまもなく2カ月半が経つが、いまだにイヤーな余震が続いている。25日も福島県浜通りを震源とする地震があり、いわき市で震度5弱(M5.1)を観測した。気象庁の発表によると、24日は31回の余震があったし、23日は21回、22日は22回、21日は26回、20日は28回。何だか慣れっこになってきたが、これは危ない兆候だ。小さな地震が増えたあと、大地震が来る。こんな研究、前例があるからだ。
3月11日の大地震も2月中旬から前兆とされる地震活動が活発化していた。東大地震研究所の加藤愛太郎助教の解析によると、2月中旬から大地震を引き起こした震源からほぼ北側約50キロで地震活動が頻繁になり、それが南進して震源地に近づいたという。直前の2日間には250回の地震が起きていた。
04年のインドネシア・スマトラ沖地震(M9.1)の場合、3カ月後にM8クラスの最大余震が起きている。今年2月のニュージーランド地震(M6.3)は、5カ月前の地震(M7.0)の余震といわれている。
京都大学防災研究所・地震予知研究センターの遠田晋次准教授はこう言う。
「3月11日の大震災の場合、本震の約30分後に茨城県沖で起きたM7.7(気象庁)が、最大余震といわれています。地震学の統計的経験則からみると余震は本震よりM1小さいものが起きるとされています。今回はM9.0の余震ですから、M8程度の大きさは考えられ、茨城より大きい地震が起こる可能性はある。時間が経つにつれ確率は小さくなるとはいえ、起きた場合の規模は変わりません」
●イヤーな地震雲も現れた
巨大地震によりプレートがずれ、ゆっくり滑る“余効滑り”によって起こる地震が懸念されている。
「地震による余効滑りは、最大のところでこの2カ月で1メートル動いています。プレートがくっついていた地震前の状態には戻っていないどころか、まだ、本震のときと同じ方向に滑り続けています。3月11日の地震では南北に断層ができた。その延長線上、すなわち青森東側や千葉にひずみが伝播(でんぱ)している可能性があり、数カ月後に地震が起きるかも知れません」(遠田晋次氏)
国土地理院の「地震後の地殻変動と滑り量のまとめ」によれば、地震後約2カ月経った5月12日現在で、銚子沖の推定滑り量は約77センチだ。ゆっくり滑っているが、滑り量をマグニチュードに直せば8.42のエネルギーになる。
地震予兆のひとつとされる“雲”にも異変があるという。四川、スマトラ沖、ニュージーランドに続き3月9日の三陸沖地震を的中させた、北陸地震雲予知研究観測所の上出孝之所長はこう話す。
「これまで大きい地震の前は必ず地震雲が出ました。だいたい1週間前後から半月以内。今回、5月23日から7日(+2日)に東北・関東地方で震度6〜7、マグニチュード7・0ぐらいの地震発生可能性の前兆が見られます。5月19日朝4時40分ごろ東の空に、阪神大震災の直前に見られたといわれる竜巻状の雲と同じようなものが見られました。さらに、22日15〜16時に南の空から東に向け大きい地震雲が見られました」
用心に越したことはない。
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