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検死番号が墓標、遺族現れなければ無縁仏に
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110518/dms1105181541016-n1.htm
2011.05.18 夕刊フジ
★埋葬の現場から(中)
東日本大震災の後、被災自治体が抱えた悩みの1つは、遺体の火葬対応が限界を超えたことだ。とりわけ地震直後は、被災地への物流停滞による燃料不足も発生、火葬場の稼働能力が低下し、問題は深刻化した。埋葬に至るまで悲劇は続いていた。(ジャーナリスト 村上和巳)
改善されてきてはいるが、被災地の火葬場はいまも順番待ちの状態が続いている。被災地の葬祭関係者が語る。
「最後のお別れの際に棺を開けたところ、溺死で日数を経ていたため、遺体の顔がかなり膨張していた。これを見た故人の兄弟が『本人じゃない』と言い出した。不慮の死もあって、兄弟は受け入れられなかったのでしょう。しばらく遺族同士で押し問答となった」
なるべく早く荼毘に付すため、被災地の隣接県などに遺体を搬送して火葬を行う遺族もいる。しかし、被災で火葬費用がない遺族もいる。これを解決するため容認されたのが土葬だ。
宮城県でもほとんどの自治体が内規で土葬を禁じていたが、この状況下、容認が相次ぎ、3月下旬から東松島市と亘理(わたり)町で遺族の同意が得られた場合のみ、土葬を開始。後に身元不明遺体もこれに加わった。
亘理町の土葬場所である真言宗智山派・観音院の本郷正繁住職(69)は「約40年前はむしろ土葬の方が一般的だったが、最近では住職クラスでもその方法を知らない」と語る。
本郷住職によると、野犬などに遺体を掘り起こされないようにするため、地表から6尺(約180センチ)掘るのが一般的だが、今回は現在の平棺の高さに合わせて、深さは5尺(約150センチ)。ショベルカーで穴を掘り、棺をクレーンで下ろす。身元不明遺体では墓標代わりに遺体に付けられた検死番号を記した杭を地面に打ち込んでいる。
同時に観音院内では、住職一家と亘理町役場職員が、検死番号ごとに着衣などの遺品を整理する。着衣は大きなたらいで手洗いし、さらに2槽式洗濯機で入念に洗濯する。ひとえに後々遺族が訪ねてきて、身元確認することを想定しているからだ。
本郷住職は言う。
「仏教では死後2年目を3回忌としますから、身元不明遺体は、遺族が現れなければ埋葬2年後に無縁仏として慰霊碑などを建立して合祀することになるでしょう」
2年という月日が無縁仏も含めた被災者の悲しみを癒やすに十分な時間かどうか。その時点になってみないとわからない。
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