http://www.asyura2.com/11/jisin17/msg/293.html
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ここに書き写すのもどうかと思いましたが
静岡新聞「論壇」2011年5月1日(日)
(ココカラ)
「危機を逆手に日本再生」ジョセフ・ナイ(ハーバード大教授)
勇気と沈着さもって対応
東日本の巨大地震、大津波、そしてそれが惹き起した福島原子炉の核問題という三重の悲劇に襲われた日本に対して、米国人は深い同情の念を持っている。ここで何かを言うとすれば、日本人に対するわれわれの称賛は高まった、ということである。
日本は立ち直りの速い回復力に富む国である。過去2度の災害に対しても、日本は自国の復活を成し遂げ、今回もこの逆境に対して見事というべき勇気と沈着さをもって対応している。
米国の多くの新聞は、津波によって孤立した村や町が、自らの手で再び居住可能な地域社会を取り戻すのに成功しつつある、との記事を載せている。ここで言えることは、日本のソフト・パワーや魅力がむしろ高まっている、という事実である。
問題は、日本がいかにこの悲劇から長期的に復興を成し遂げるか、ということである。この危機は日本に再び独創的な再生の機会を与えるだろうか。オバマ大統領の元首席補佐官、ラーム・エマニュエル氏(シカゴ市長に就任予定)はかつて、リーマン・ショックによる2008年の米国経済の崩壊時に「この危機を決して無駄にすることなく、再建の機会としなければならない」と言った。
短期的には、3月11日の大震災は日本経済に大きな衝撃を与えた。多くの経済学者たちは、1あるいは2四半期のマイナス成長を予測している。死亡者数は最終的には3万人近くに達する可能性があり、約50万人が住居を失い、20万戸の建物が倒壊または損傷をうけた。かくして東日本大震災は現代において最も被害甚大な災害の一つとなってしまった。
一部の経済学者は、日本の復興費には2000億ドル(約17兆円)から3000億ドル(約25兆円)を要し、1995年の阪神大震災の2倍の費用がかかる可能性がある、と推計している。しかし、当初のマイナス成長の時期が過ぎれば、再建に伴う大規模な投資支出の増加によって、日本経済の過去10年間の低成長率を乗り越えられるような高い成長の可能性さえも見込まれる。
外交政策についても、この危機は有益なプラス効果をもたらすかもしれない。小沢一郎氏が、わずか1年前、多数の国会議員を訪中させた後に、そして普天間基地問題の対応に日米両国が失敗を重ねた後には、日米関係に黄色い信号が出始めた。日米同盟の弱体化さえ懸念されるようになっていた。
国全体の内向志向を克服
しかし、中国が尖閣諸島での衝突事件に対して過剰に反応し、「自殺点(オウンゴール)」を入れる失敗の過ちをおかしてしまった。一方米国は、震災被災者に対する米軍の援助で重要な役割を果たしている。
この結果、日米同盟は強化されているように見える。約2万人の米兵、100機以上の飛行機、空母ロナルド・レーガンを含む14隻の船が、日本の自衛隊との緊密な協力のもとに、災害地の援助に尽力している。
日本人自身も自衛隊に対して新たな敬意をもって接するようになった。加えて、有用ではあるがそれほど大掛かりではない中国からの援助も、日中関係の改善に役立つかもしれない。
こうした国際社会からの絶大な関心と支援を目の当たりにすれば、この大災害以前に多くの日本人と海外の友人たちを悩ませていた国全体の内向志向の態度を、日本が克服できると勇気づけられるのではないか。
日本の政治リーダーたちがエマニュエル氏のアドバイスをしかと受け止め、この危機を逆手にとって日本の将来に投資し、今一度日本を再生させることができる、と期待しよう。偉大なる日本国民は偉大なる政治的決断の恩恵を受けるに値する。
(ココマデ)
よそさまに「偉大」と言っていただくのはたいへん有難いこと。
(自分らで言いだしたら大体おしまい)
半月に一度くらい寄稿している方のようで、以前問い合わせたところ国内の通信社(時事?)から記事を買っているとのことでした。
「普天間基地問題の対応に日米両国が失敗を重ねた」というあたりの参考は
http://ameblo.jp/aratakyo/entry-10429518812.html
『永田町異聞』「米政府の「フテンマ」圧力にナイ教授が警告」2010年01月08日
「国全体の内向志向の態度」というあたりで、米国での様子は
http://www.toyokeizai.net/business/international/detail/AC/216128f155d8ca64b8140027b8711eea/
『東洋経済オンライン』「アメリカで盛り上がる移民排除への動き――ジョセフ・S・ナイ」2010年10月6日
阿修羅掲示板での記事紹介に
http://www.asyura2.com/11/hasan71/msg/114.html
「「米国衰退」は誤解招く=ジョセフ・ナイ氏」
などなどありました。
ジョセフ・サミュエル・ナイ・ジュニアという方は詳しくは存じ上げませんでしたが、
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%82%BB%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%8A%E3%82%A4
ウィキ「ジョセフ・ナイ」1937年生まれ
これによると
(ココカラ)
ニュージャージー州サウスオレンジ生まれ。1958年、プリンストン大学を優等(Summa Cum Laude)で卒業し、ローズ奨学生としてオックスフォード大学で学び、ハーバード大学大学院で博士 (政治学)の学位を取得。1964年からハーバード大学で教鞭をとり、1995年から2004年7月までハーバード大学の行政・政治学大学院であるケネディスクールの学長を務めた。現在は、ハーバード大学特別功労教授。
カーター政権で国務次官補(Deputy to the Under Secretary of State、1977年-1979年)、クリントン政権では国家情報会議議長(1993年-1994年)、国防次官補(国際安全保障担当、1994年-1995年)として政策決定に携わる。
(ココマデ)
とのことでした。
“Nye”はデンマーク語=“New”でしょうか。
天保14年創業のナイ・ルーブリカンツ初代はご縁戚なんでしょうかね。
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